劇場公開日 2006年6月17日

「ノートに書いた名前を消しゴムで消したらどうなるんだろ?などとずっと考えてた」デスノート kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ノートに書いた名前を消しゴムで消したらどうなるんだろ?などとずっと考えてた

2021年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館

 司法試験合格と警察官僚が直結させてしまう学生の短絡ぶりは気持ち悪いな~などと思いつつも、FBIがアメリカ本土以外に捜査権あるわけないだろ!と突っ込む前に「日本に死神なんかいないよ!」と気づかなかった自分が愚かでした。夜神部長が警察庁所属というのもちょっと理解に苦しんでましたが、Lと直接対峙するとき「警視庁の・・・」と挨拶していた矛盾も。

 まぁ、原作も何も知らないで観たため、何を訴えたい映画なのだろうといった気持ちだったわけですが、冒頭からキラの殺人行為に「大量殺人だ」と躍起になっている警察の姿が目立ってしまい、キラを神のように讃える人たちの姿が見えないのが不思議でしょうがなかったです。正義を気取る夜神の心理状態だって見えてこないし、被害者家族の悲しみもない。その被害者家族を代理して犯罪者を殺したくなる気持ちもわかるけど、冤罪だった場合にどうするか、犯人がわからなかったらどうなるのか、現代的テーマを多く孕んだまま「ライトvs.L」の騙しあいという構図に収束させる展開にして、問題を丸投げする手法でした。

 元々は正義感の強い主人公が、死神のノートを拾ったために悪人どもを成敗していくうちに自分が殺したいと思った罪のない人間を次々に殺していってしまうという狂気をテーマにしたいのだろうと思ったのですが、その狂気へと変貌を遂げる過程が薄かったのではないでしょうか。それが、狂気を感じるほど不気味な演技はむしろ“L”のほうであるため、対決のバランスだけは取れてるものの、とまどってしまいます。また、彼の甘いものへの嗜好とかドーナツの串刺しとか、場内では失笑が起こってましたが、後半になると笑い声があちこちから・・・まさか、ポテトチップス対ドーナッツという構図もあったのか?!しかし、後編も観ちゃいそうですねぇ。予想としては、ミサミサが別のノートを拾ったことからキラと対決するんでしょうけど、偽名合戦にならないことを願っております。

 名前がわからなければ殺されないので、この映画を観て怖くなった犯罪者たちが名前を変えるために役所に殺到する光景が目に浮かびます。んなわけないか・・・
【2006年6月ブログ記事】

【映画館以来、久しぶりにwowowで鑑賞(21.8)】

 顔沼、井馬泉、渋谷丸などなど犯罪者の名前がめったにないような苗字だったことや、キラを神のように讃えるネット民たちの存在。面白い社会現象は揃っていたし、Lとの対決だけを楽しみして見るとなかなか面白い。ただし、レイとの対決が複雑だったことや、逆にその恋人との対決の裏側が単純すぎた・・・

 映画ブログをやっているとき、ミチさんという親切な方から映画館経由で原作本を借りたことを思い出しました。その節はありがとうございました。

kossy