鉄コン筋クリートのレビュー・感想・評価
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人の中のシロとクロ
漫画原作。
原作漫画が非常に面白かったので、かなり期待して見始めました。
非常に原作漫画に忠実で、シーンしだいでは原作よりも訴えかけるものもありました。
独特な絵柄でアクションに定評のある原作者の独特な世界観を作り上げていました。
主人公は暴力の溢れる宝町をナワバリにする「シロ」と「クロ」という二人の兄弟。
純粋な心を持つ「シロ」と、それに相対するように凶暴さを秘める「クロ」。
今作品のテーマは、人間の中に共存する純粋さと凶暴さなのではないかと勝手ながら、考えてしまいました。
また、主題歌のASIAN-KUGN-FU GENERATIONの「ある街の群青」がかなりいいです!
作品の世界観と相まって、素晴らしい余韻を与えてくれます。
クロとシロの心の補完
ASIAN KUNG-FU GENERATIONの主題歌から入り、
原作の漫画を読み、映画を観ました。
「ネコ」と呼ばれる親の居ない兄弟?2人の心の成長をテーマにした作品。
特にグッと来たのは何度も繰り返されるセリフ
「クロの持ってないネジ、シロが全部持ってた。」
冷静で兄のようなクロと情緒不安定だが心の豊かなシロは
お互いの足りない部分を補完し合って生きてきた。
きっとこれからもそうやって生きていくんだろうな。
ヤクザ側にもドラマがあって
親のいない環境からヤクザでのし上がってきたネズミと
彼を慕うが組からネズミを殺すように言われた木村の対峙は見どころです。
子供向けの面白い映画かと思いきや、大人向けの感動ものでした。
独特の絵のタッチ、配色、構図など
強く引き込まれるような世界観の映画です。
子供の頃確かに鉄コン筋クリートと間違えたりもしたけど、でも題名と違い映画はかなり大人向きアニメだぞ!
イヤ~驚き!!!何でしょう、これ?もう最高でした!!!
友人に勧められて渋々レンタルしたが、これは最高でした!しかしこの作品はやっぱり、日本のアニメって言うより、断然ハリウッド映画の乗りですよ!それが嫌とか、変とか言っているのではなくてめっぽう気に入ってしまいました!!!
アニメは宮崎監督の作品くらいしか観ていないので、詳しく無いから、決して他のアニメとの違いに付いてのウンチクなどは出来ませんけれどね。
このファーストシーン観て先ず連想したのは、「スパイダーマン」です。
画的に上下の動きがとっても多く、横の素早い動きも勿論ありますが、アニメは実写ではないので、2次元だけれど、これは3次元空間にシッカリと観える様に出来ていて、背景画の映像などは、普通と変わらず、2次元の街並だったりするのだけれども、人物の動きが大きく上下左右に跳び回るので、人によっては、観難いと思われる方がおられるかも知れないが、しかし躍動感とか緊迫感が有り、迫力満点で、一般アニメより、動きがデフォルメされ、同じアニメでも命が吹き込まれて生きた人間を観ているように感じられるので、観ていて、キャラクター人物に容易に感情移入が出来る利点が有る様に感じました。
あなたは観てどんな感想を持たれるのかも、とっても楽しみです!
「カンフーパンダ」などの作品より、何かリアルに思えるのは何故なのだろうか?あの映画も躍動的では確かにあるのだが、CG特撮にどの様な違いが有るのだろうか?専門で無いので解りませんが・・・
さて物語の原作は、ビックスピリッツの93年から94年に連載されていた松本大洋氏の作品で、マイケル・アリアス監督は、95年にこの原作を読まれて、気に入られていたと言う。
すると、10年間もこの作品を監督が心の何処かで、大切に思っていて、映画化出来る日を夢見てそのまま10年の歳月が流れていたと言う事になる。
そりゃ、凄いよね!だから、日本のアニメでありながら観ていて、まるで実写のハリウッド映画を観ている様に錯覚をしてしまう、画作りが出来上がったのだろうね~!
このマイケル監督は、J・キャメロン監督のADを皮切りに、D・クローネンバーグ、スパイク・リー、コーエン兄弟、そしてR・アルトマン監督達の作品の特撮を手掛けているのだとか、それはそれはもう、素晴らしい監督の現場でばかりの、ご縁を得ている人なのだから、良い仕事を沢山吸収してこられた監督さんだと思うのだ。
それだけ、凄い監督達の元で仕事が出来ると言う事は、この監督も、只者では無くもっともっと、ビックな監督にきっとなる才能が有る方なのだろう!
私は未だ、この監督が初めて実写にトライしたと言う「ヘヴンズ・ドア」を観ていないのは残念だけれども、近いうちに観てみようと思う。
この物語の、シロとクロ、お互いの足り無い部分をお互いに補い合っている兄弟だと言うこの設定の素晴らしさは、正に哲学の究極ですね。地球で暮らす私達にとっては、この世界の総ては2極同時に無くては存在し得ない世界だから、クロ=闇は光の存在無くしては、
闇だけでは存在出来ないし、光が生れると必ず闇が生れる仕組みになっている。この2極の性質を心の中でどの様に、自分自身が扱って行く事が出来るかで、この街=自分の住んでいる世界、と言うより、生きているその人の人生そのもの、その人の心の世界その物が、善と悪との間を常に行きつ、戻りつして、そのどちらに固まってしまう事無く揺れ動く事でバランスが保たれ、どうやら、人が生きて行く事が可能と成る街の維持が可能となっていると言う事だもの、本当に日本のコミックも奥深いよね!この話も絶対単なるコミック冒険アドベンチャーものとバカには出来ません!海外の人達から日本人を観ると、いい歳の大人が大勢コミック漫画ばかりに熱中しているなぞ、次元が低いとバカにされる事も有るけれど、日本のコミックを漫画で在るからと、それだけの理由ではバカには出来ません!
是非。ご覧になっておられない方には、お薦めします!!!
足りない部分を補いあう。
公開当初劇場へ足を運び、今回レンタルDVDで二度目の視聴です。
劇場公開時は中学生だったため、所々セリフや場面で意味が分からない箇所があり、よくわからないまま終わってしまいました。
それから今日まで約5年経ちましたが、本当に見直してみて良かったです。
お互いの足りない部分を
補いあうクロとシロの絆や
迫力あるアクションシーン、
脇役にも見せ場があって
主題歌「或る街の群青」も作品の世界観にかなりマッチ!
あと何より物語の舞台である宝町の描写が素晴らしかったです!
東京の蒲田辺りを彷彿とさせます。
DVD欲しくなりました。
かなりオススメ!
こちら地球星、シロ隊員。
アニメ作品で大切なのは“世界観”だ。アニメやコミック作品を実写化した時に起きる大きな違和感は、アニメの独特な世界観を実写ではとうてい再現できないからだ。逆に言うと、簡単に実写化できるアニメ作品は、アニメ作品である必要が無い(極論・・・汗)。それで言うと本作の実写化は絶対無理!このキャラクター、この舞台、このストーリー、全てにおける独特の世界観にどっぶり浸らせてもらった。正直、松本大洋の画風は苦手な私、主人公のクロ&シロはもっと美少年の方がいい・・・などと思っていたのだが、観終わると本作にはこの画風でしかありえないと断言してしまう。
まず、舞台となる「宝町」がものすごく魅力的。全体的に昭和のノスタルジーを感じさせつつ、ここかしこに出現するオリエンタル(インドか?タイか?)な建造物。現代でも過去でも未来でもない風景。ごった煮の猥雑さ。細部に至るまで描き込まれた風景や小物を、静止画でじっくり観たくなるほど、美術スタッフのこだわりを強く感じる。そこを縦横無尽に飛び回るクロとシロ。疾走感溢れるテーマ曲も相乗した躍動感!それでいて、孤児たちの、ヤクザたちの、寂しげな表情が胸にグッとくる。
人気タレントを声優としてキャスティングするのには懐疑的な私だが、本作のキャストは1シーンのみの登場だった森三中も含めて、全て合格点。特に卑劣な殺し屋をいやらしくネットリと演じた本木雅弘と、違和感無く少年になりきった蒼井優が好演。個人的に、全てウィスパーで通したイタチ(クロの闇の分身)役の二宮の声がツボ。主人公の2人の少年はもちろんのこと(余談だが、クロの着ているTシャツの文字がいつも気になった。「クロ」や「96」に混じって「血」って!)、脇役に至るまでキャラクター設定がきちんとしていて良い。哀愁漂うヤクザや、不感症のくせに子供好きな刑事など皆良い味を出しているが、私が個人的に好きなのは、伊勢谷友介演じる若いヤクザの情婦。超脇役ながら、男性登場人物の中で唯一といっていい女性キャラクターは、高いが静かな声で話し、控えめで、男に何をされても黙って耐えるタイプ。彼女の妊娠を機に、男はヤクザから足を洗い、宝町を出て行くことにする。幸福な未来設計だが、おそらく彼女は男から子供を墜ろせと言われても、文句言わずに従っただろう。彼女は子供の父親が目の前で殺された時に「絶対男の子は産まないわ」と呟く。この時彼女は、自分1人で子供を育てることを決意したのだ。彼女は違う町で、“女の子”を育てるだろう、戦いを好む男の子ではなく・・・。この女心の機微までも描く本作は、アメリカ公開時にR指定を受けただけあり、決して子供向けアニメではない。ほのぼのとした画風とは異なり、暴力シーンや、ストリップ劇場のシーンなど、視覚的な過激さばかりではなく、子供が持つ“闇”を描いているからだ。しっかり者のクロが、ちょっと頭の弱いシロを肉体的に守る半面、闇に引き込まれるクロの心の穴に自分のネジを埋め込み、光の世界へ導くシロの精神的な支え。切っても切れない強い絆で結ばれた子供たちをギュっと抱きしめたくなる。シロを手放したクロが、シロを求めて、虚ろに町を探し回るシーンがあまりにも切ない。
この町で生きる2人の子供の、強さ・激しさ・もろさ・純粋さ・・・。この町で身を寄せ合う2人の子供の、信頼・愛情・絆・力・・・。この町で戦う2人の子供の、危うさ・儚さ・切なさ・優しさ・・・。
シロがいるからクロは幸福。クロが幸福なら宝町は平和。宝町が平和なら地球は光に満ち溢れている。そうしていつか、シロが蒔いたリンゴの種も芽を出すだろう・・・。
「モシモーシッ、こちら地球星、シロ隊員、応答ドウゾッ!今日も地球の平和を守りました!報告終わりっ!」
予想どおり退廃的
松本大洋、まったく読んだことありません。
お話としては、予想どおり退廃的。世界観がちょっと大友克洋っぽく感じました。キャラクタの線のタッチは「クレヨンしんちゃん」っぽいかな。
なるほど、これは好きな人は好きだろうなあ。私は、ちょい苦手。
アニメーションとしての作画技術はすばらしい。
そして、二宮和也と蒼井優の声が、予想以上にはまっていました。
よく動く
自ブログより抜粋で。
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よく動くアニメーションは圧倒的な凄みがあるが、多少見づらいと感じることもあった。
抽象的なシーンが多く、哲学的でちょっとわかりづらい内容に輪をかけて、セリフが聞き取りづらい箇所が結構あったのがもったいない。
後半の編集にも強引さを感じる。
最後まで飽きずに観られて面白いのに、総じて煮詰めの荒さが目立って損をしていると思う、惜しい力作。
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