劇場公開日 2006年12月9日

「信念と論理的思考をもつということ」硫黄島からの手紙 作務衣もんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5信念と論理的思考をもつということ

2025年6月12日
Androidアプリから投稿

死ぬまでに一度は、いや一生の早いうちに観ておきたいイーストウッドの名作

太平洋戦争内での硫黄島の戦いを描いた同監督の『父親たちの星条旗』と併せて語られることも多く、実際に続けて製作されている二作品である

演じるのが日本の俳優であるだけでなく、言語も日本語というのが非常に珍しい
海外の目を通して見た当時の日本軍の姿を描きながらも、どちらの側を讃えるわけではなく戦争そのものへの批判がまっすぐに伝わってくる。この辺りをきちんと感じ取るためにも『父親たちの星条旗』と併せて見ることを強くオススメしたい

新兵の西郷(二宮和也)と指揮官・栗林中将(渡辺謙)のW主演だが、個人的には栗林のことが強く印象に残っている

特攻・玉砕上等の軍の中でも論理的な思考を失わなかった栗林
しかし強い愛国心を持っていたことも事実で、自分の手の届く範囲で出来ることをやり抜いた人物として描かれている

信念と論理的思考をあわせ持つことがいかに大切か
そしてそんな人物がもっといたら、どう歴史が変わっていたのだろうと想像を巡らさずにはいられない

作務衣もん
PR U-NEXTで本編を観る