明日に向って撃て!のレビュー・感想・評価
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銀行強盗を繰り返す二人の逃走劇
1969年度アカデミー賞脚本/撮影/作曲/歌曲賞受賞作品。
二人の男が銀行強盗を繰り返しながら逃亡劇を繰り広げる話。
結論として自分には合わず、最後まで見ることはできたが視聴後面白かったとはいえない。理由を考えるとこの作品のテーマがジャケット裏に書かれているように、夢を追い求める男が時代に取り残されていく様を描いているため、彼らはこの作品を通じて度々障害にぶつかりはするが自分の生き方を最後まで変えていないため、彼らの変化を見ることができず最後まで同じ逃亡劇の繰り返しとしてしか受け取ることができなかったからだと思う。ジョージ・ロイ・ヒル監督のスティングは面白かった記憶はあるがこちらは自分には合わなかった。彼らがそのようにしか生きれない切実性や内面の葛藤、彼らの個性に肉薄した表現をより強く描いていれば自分にも刺さったのかもしれない。話は少し変わってくるが、最近みたアニメ、スーパークルックスは最後まで犯罪をやめない馬鹿な登場人物ばかりの話だったが面白かった。
ようやく観た(スクリーンで)
シネスイッチ銀座のポールニューマン特集で観た。ありがと、シネスイッチ。
観たことはある。ただ、それは小中学生時代にTVで観たのか、はてまた20歳頃に名画座で観たのか、それすら定かではない。記憶の薄さから言えば前者だろうか。今回は、4Kリマスターを劇場で。至福の時だ。
恥ずかしい話ながら、どっちがポールニューマンでどっちがロパートレッドフォードかわからなかった。頭のきれるブッチがポールニューマンで、早撃ちキッドがレッドフォードだったんだね。
オープニングはモノクローム。列車強盗後に追われるシーン。そこからの5分間はすてき。朝もやの青さ、荒野の茶色、だんだん色づいていく映像。
派手な強盗シーンはあるんだけれど、けっこう多くのシーンは逃げ回っているシーンだったんだな。
終盤に入る前、ニューヨーク、コニーアイランド経由でボリビアに旅立つまでがいい。10分強の静止画の連続。当時のモノクロ写真の中にさりげなく三人の姿が埋め込まれている。動画では時間を要すところを、静止画にすることで、観ているこちらの想像力で補完させて大幅に時間短縮する手法。ストーリー的にも、ここを丁寧に撮ってしまったら、間延びして逆効果だったろう。
これこそ、アメリカンニューシネマって感じ。
うっすら気づいてはいても、突っ走るしかない破滅への道。
今の人たちが観たら「どこが、アメリカン "ニュー" シネマなの?」と不思議だろう。
主人公が正義の味方じゃない、主人公が分別ある大人の男じゃない、最後がハッピーエンドじゃない。そういう映画は今では当たり前だが、当時は驚きだったんだってさ。ハリウッドもこの映画の頃より前は、基本的には「水戸黄門」が基本だったってことかな。それに対して、この映のように、犯罪者が主人公の映画、エンディングシーンは破滅の映画、といったものがニューシネマ。それはフランスでヌーベルバーグ(New Wave・新しい波)として始まり、米国では "アメリカンニューシネマ" として、世界中を1960年代後半から1970年代にかけて席巻する大きな波となったそうです。
アメリカンニューシネマの中にも本作のように今でも色褪せないものもあれば「卒業」のように今観ると首を傾げたくなるものもあり。皆さんも機会があれば、いろいろ観てみてください。映画も、100年のうちに、幅が広がり続けているんだね。
あ〜、自分には面白かった。最後も静止画で、カッコいい!!
おまけ
「明日に向かって撃て」 と言えば 「雨にぬれても」 。この楽しそうな音楽はこんな風に使われていたんだなということを確認できてよかった。
「ゴッドファーザー」の愛のテーマといい、この音楽といい、緊迫感がベースになっている映画の中の "ひとときの安らぎ" というシーンは、俺たちの耳に心に染み渡るものなんだなぁ、とわかる。もちろん音楽がよければ、であることは間違いない。
大好きな作品のひとつ。
1969年の名作を大スクリーンで鑑賞出来たことに感謝です。
映画館で、ポール・ニューマン特集のチラシを手に取り、この作品が西部劇の名作と激賞されていたので、気になっていました。
ブッチとサンダンスという、19世紀から20世紀初頭に実在したギャングがモデルだそうで、この作品も1969年に公開された、非常に旧いものですが、見入っているうちに、不思議なことに、旧い映画ということを忘れてしまいます。
ストーリー自体は、列車や銀行強盗を繰り返すギャングに、腕利きの追っ手が差し向けられ、ひたすら逃亡旅行を続けますが、最後にポリビアの軍隊の一斉射撃で、あえない最期を遂げるという単純なものです。
ただし、その逃亡の過程での、束の間の享楽、そして、逃げ切れないと苦悩し、なんとか更正しようとする心情の変化の描写が優れていると思いました。
上映直後の、セピア色のフィルム映像、そして最後の、これもセピア色の写真のストップ・モーションには、かなり強い印象を受けました。
1969年に公開された、アメリカ西部開拓時代をモデルにした旧い作品を、21世紀の今、大スクリーンで鑑賞できる幸運に恵まれたことに感謝です。
ナイスなコンビ
名作だ。鑑賞してよかった。それもスクリーンで。
実はアメリカンニューシネマを代表するこの作品を全編通して鑑賞したことがなかった。テレビで何回も放映されてきたはずなのに。
たまたま、ポール・ニューマン特集でスクリーン画面で観ることができた。主題歌「雨に濡れても」は、何度聞いたことか。千回を下らないと思う。
五十年前に製作された作品なのに、古さは全く感じない。また、バカラックの音楽も洗練されている。カーティス音楽院在学中、先生から君は美しい旋律を書くことが出来る。それを活かすようにと忠告された。本当に良かった。この忠告がなければ、幾多の名曲は生まれなかったかもしれない。
この映画の公開当時学生運動に陰りがさしてきた。時代に取り残されて、あいも変わらず銀行強盗を繰り返すブッチとサンダス。社会に組み込まれて行く当時の若者(全共闘世代)がこの映画に熱狂したのもわかる。殺される直前まで夢を語るニューマンに共感したことだろう。
ところで、全共闘世代は当時を総括する名作(小説、映画)をまだ世に出していない。彼らはこのまま死んでいくのだろうか。村上春樹はこの世代だが、学生運動からは身を引いていた。少し年下の荒井由実の「いちご白書をもう一度」が代表になってしまうのか。いい曲だけど、私にはちょっと感傷的すぎる。あと、高野悦子の「二十歳の原点」もあった。これは日記だ。奮起して下さい。まだ、時間はある。
逃避行
再上映で初鑑賞しました!
列車や銀行強盗を繰り返し、頭の良い追っ手から逃げる事が一貫して描かれていて良かったです。
覆面などもせずに明るい時間に犯行を決行するのが、強盗にしては派手すぎると思いました笑😂
途中の音楽『Raindrops Keep Fallin' on My Head』が印象的で映画の雰囲気にあっていました♪✨
最終的に2人で逃げる事になりますが、凄腕の追っ手に追跡されている緊張感のなかで、冗談を言う余裕のある感じが映画らしくて良かったです(*^^*)✨
今、見ても新鮮。
アクションが格好良くない
バディの原点
1900年前後に活動した実在の強盗団を率いた二人をモチーフにした冒険的な逃避行。
広大な灌木地帯での馬による逃避行。視力4.0位のアフリカの方並みに視力がいいのか、双眼鏡なのか分からないが、こんなとこ分かるかぁ?という所まで、保安官一行が追いかけてくる。グループは離散し、馬も乗り捨て、次第に追い詰められては行くのだが、何せ馬なのでどこか牧歌的。
でも二人はしぶとくて、キッドの恋人を加えて、ニューヨーク観光でアオハルを楽しみ、南米ボリビアへ。ここでボチボチのんびり余生をすごすはずだったのに、若いキッドはまだまだドーパミン刺激を求めてしまい、やっぱり犯罪に手を染めてしまい、その結果またも追われることになってしまう。どこまでも付き合ってあげるブッチ。
キッドの恋人も出てくるが、基本的には主人公二人のバディ関係がアツい。冗談を交わしながら、二人同時に飛び出すラストは明るくて良いと思った。
この映画でブレイクしたロバート・レッドフォード(当時31才)。金髪のアラン・ドロンの風情。美形だった。
映像も綺麗で特にピンクとブルーに染まる西部の夕焼けが印象に残ったし、レインドロップの有名な歌はこの映画の主題歌だったと知った。
そしてやはり邦題が原題(ブッチ・キャシディとサンダンス・キッド)よりいい。
この時代的には、かっこいいかな
これぞ映画
定期的に観たくなる
素晴らしい映画です。ストーリー、演出、音楽、全てがハマってる。何より、主演の2人が放つ圧倒的スターオーラに酔いしれることができる、正に古き良き映画です。
リアリズムを追求し過ぎたり、逆に物理法則を度外視したCG満載でゲームみたいになったりと、そんな映画が昨今主流になりつつあると感じる今日この頃、本作のような銀幕の中の世界を味わえる、スクリーンとの程良い距離感がある「映画らしい映画」がいいと感じるようになりました。このご時世だから現実を忘れられる作品を強く求めてるのかも知れません。
近年の作品は特に安っぽく感じるものが多く、ただ単に歳を重ねて好みが変わったのか、フィルム撮影がほぼ無くなってきたからなのか、ハリウッド俳優の私生活やゴシップが求めずとも情報として溢れて作品に集中できないからなのか、よく分かりませんが、本作のような良質な作品を劇場で観たいものです。
再見して評価を下げてしまった作品
雨にぬれてもの主題歌が有名であるが、この映画は全体としてスキャットを中心としたバート・バカラック音楽が実にいい雰囲気を醸し出している。結末が悲惨という点では「俺たちに明日はない」と似ているが、この音楽のせいかこちらの方がかなり爽やかな映画に仕上がっている。
再見であるが、改めていくつか気がついた点がある。
若い時に見たときは、社会に受け入れられない2人がどうしようもなく泥棒をしたやるせなさに同情したものだったが、今見ると、単に泥棒が好きだっただけという気もしてきた。従って初回ほど二人に感情移入できなかった。
エッタの存在がいまいち不明確。2人が彼女のことを好きだったら、彼女がボリビアからアメリカへ戻ると言った時、なぜ反対しなかったのだろうか。ボリビアでは彼女も銀行強盗の共犯者であったが、捕まらなかったのだろうか。
ブッチが、次はオーストラリアに行きたいと言っていたが、最初からボリビアでなくオーストラリアだったら別の結末になっていたのだろうか。
ボリビアに行く前に、精鋭部隊の追手にしつこく追われるが、6、7人くらいしかいなかったと思うので、サンダンスの腕前なら撃ち合いでも勝てるような気がしたのだが、なぜ逃げると言う考えしかなかったのか?追ってはライフルだったからか?
ボリビアでの最後の撃ち合いは意外に長かった。ラストはストップモーションになり、フェードアウトしていく銃声とともに、「撃て」と字幕が出るが、ファイアと言っているようである。ボリビアなのに英語?
永遠の名作
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