「所謂“M*A*S*H”コンビ、アルトマン+グールドのコンビによるマーロウ物映画化作品である」ロング・グッドバイ アンディ・ロビンソンさんの映画レビュー(感想・評価)
所謂“M*A*S*H”コンビ、アルトマン+グールドのコンビによるマーロウ物映画化作品である
所謂“MASH”コンビ、曲者監督と曲者俳優といったアルトマン+グールドのコンビによる作品である。
従って、「一筋縄にはいかない作品と心得よ」って事、理解してから観るのが正しい(基本)と言える。
ある意味、そういった認識(知識)すら有せず、単純に「レイモンド・チャンドラー原作映画だ」とか思って観る事自体が、既に“間違っている”とも言えよう。
レイモンド・チャンドラー原作の“フィリップ・マーロウ探偵”シリーズ『長いお別れ』を原作とした一本だが、公開当時は舞台を現代風に変更してあった事から、ファンからの支持は低かった(というか、ムシロ反感を買った)。
それに、フィリップ・マーロウ原作小説中では、1番の長編と言えるにも関わらず、映画版は割と短めにまとめてしまっている事も要因とも。
ただ、作品の知名度的には、他のチャンドラー原作の“フィリップ・マーロウ”シリーズの中では、“現在は”知られている方。公開当時の知名度に比べれば。
一応、公開当時にはハヤカワポケットミステリ版は、007シリーズと同様に、販促用の限定映画カヴァー装着版が施されたりはしていたが、一般層には、それによって取り立てて何だという程のもの(書店で店頭に積まれたりなど)でもない事であった(という時代)。
ジョン・ウィリアムズ氏のスコアによる、ピアノをメインにした哀愁のあるテーマ曲は素晴らしいものだったが、当時はサントラ発売などされないで終わった。
可成り後年になり、特にSWシリーズ以降ジョン・ウィリアムズ氏の知名度が一般に知れ渡ったのち、過去作品の『ポセイドン・アドベンチャー』などと同様に、限定のマニア向け少数枚数のみで、公式CD化が果たされた事があった、という経緯もある。
取り敢えず、原作のマーロウに固執する傾向の方は“観るべきで無い”。
イメージ的にはやはり、ボギーの『三つ数えろ』が最も無難に思えるから、その辺にしておくのが良いでしょう。
後年の2作は「今更ミッチャムじゃ、歳行き過ぎじゃないの?」感があったが、それでも1本目は(映画として)比較的評価も良かったようではあった…..