「贈り物」レオン 完全版 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)
贈り物
久しぶりにDVDで観賞しました。この作品のオリジナリティは、大人のレオン(ジャン・レノ)が子供のような純粋な心をもち、子供のマチルダ(ナタリー・ポートマン)が大人びた落ち着きをもっているという設定にあるように思います。大都会の中でひっそりと暮らしながら、独りぼっちで生きてきたふたりが互いを癒しながら、心を通わせていく過程が例えようもなく切なく、儚い…。設定のユニークさや物語の意外性などからぐいぐい引き込まれますが、最大の魅力は、マチルダを演じたナタリー・ポートマンでしょうね。12歳という設定が絶妙で、ほんの子供でありながら、過酷な生い立ちゆえに大人びた一面も併せ持ち、場面によって表情もコロコロと変わり、魅せられます。徐々に危機が迫ってくる合間に描かれていた変装クイズやお酒を飲んで笑い転げるシーンなど、束の間の幸せがとても愛おしく、印象的でした。「復讐なんかしてはいけないよ」と彼女を諭していたレオンからスタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)への「贈り物」には涙を禁じ得ません。
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