劇場公開日 1996年10月5日

「センスの塊の映画」レオン 完全版 ニックさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 センスの塊の映画

2025年12月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

斬新

ドキドキ

大学生ぐらいの頃にちゃんと観てから大好きになった作品です。オシャレ映画として一般的に認知されたりもしているようですが、この映画に関してはオシャレなんてポップな言葉で終わらせてほしくないほど、どこもかしこもセンスの塊の様な作品だと思います。カメラワーク、部屋の構図、映像をスローモーションにするタイミング、音響、光と影の陰影、メインの役者たちの演技を忘れるほどの演技力、無駄の無いシナリオ展開、見入ってしまう戦闘のシーン、マチルダのファッションの完成度、エンディングの脱力した曲調、etc…、挙げ出したらキリがありません。

名作ランキングなどによく挙がるだけで実際はイマイチな映画もよくありますが、この映画の根強い人気には大賛成で、完全版DVDも買いました。ただ完全版に追加されているシーンに関しては、その脱帽するセンスで撮っているので相変わらずスタイリッシュではあるものの、ここだけ少しポップな雰囲気を纏(まと)っていて、冒頭からラストまで漂うシリアスな緊張感がいったん途切れてしまうのが気になりました(冗長というほどではないですが…)。緊張感を持ってシナリオが駆け抜けるまとまり感は意外にも通常版の方が洗練されていたかも。

改めて観直すと、レオンとマチルダの関係性の深まりや殺しの訓練をする描写はより最低限に描き、残りは想像に委ねるぐらいでも良かったんじゃないかと思いました。2人の絆が深まっていく描き方にわざわざ性的なニュアンスを乗せる必要も無かったように感じます。監督のロリコン癖は作品に対しては余分な気がします(玉に瑕(きず))。それにしてもノーマンを演じるゲイリー・オールドマンの演技が凄すぎた。ホントに頭の線が何本もプッツンしてるヤバい人なのかと思ってしまうほど。

ニック
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