「【一度しかない”残酷な青春”を斬新な手法で見事に切り取った作品。現代邦画を牽引する多くの俳優を発掘した、岩井俊二監督の慧眼にも瞠目した作品である。】」リリイ・シュシュのすべて NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【一度しかない”残酷な青春”を斬新な手法で見事に切り取った作品。現代邦画を牽引する多くの俳優を発掘した、岩井俊二監督の慧眼にも瞠目した作品である。】
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ー 地方都市で暮らす少年を主人公に、イジメや援助交際といった中学生たちが抱える問題を描く。エスカレートしていくいじめと、美しい田園風景の対比がせつなさを醸し出す。ー
◆感想
・かつて親友だった星野(忍成修吾)からイジメを受けるようになった中学2年生の雄一(市原隼人)。
自ら主宰するカリスマ的歌手リリイ・シュシュのファンサイトでの交流に唯一の安らぎを感じていたが、星野のイジメは日増しにエスカレートし、やがて悲劇的な事件が起こってしまう。
・不安定な心持を持つ中学生時代を”リリイ・シュシュ”という歌い手に思い入れる事で、凌ごうとする祐一の姿。
・変貌してしまった星野に援助交際を強要される詩織(蒼井優)も、決して自らの人生を悲観する訳ではなく、飄々と生きる。
・雄一が密かに思いを寄せる陽子(伊藤歩)の同級生の女子たちからの嫌がらせに、屈しない姿。
<今作は、主演の俳優さん達が中学生という設定ながらも、余りにもシビアな日々を過ごす姿を描き出す。
だが、私は中学生離れした彼ら、彼女らの必死に生きる姿が響いた作品。
付け加えるならば、今作で主要キャストを演じた若き俳優さん達が、今や邦画を代表する堂々たる俳優として活躍している事を鑑みても、このやや難解な作品が現代邦画に及ぼした影響は多いと思った作品である。>
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