「神は愚かな人間を助けられない存在。」乱 姿三十郎さんの映画レビュー(感想・評価)
神は愚かな人間を助けられない存在。
黒澤監督は人間界を見下ろして神は悲しんでいる、それを描きたかったとおっしゃった。人間の罪は人が自ら贖う必要がある。神が助けたら人間は神の操り人形になってしまい強く成長することができないから、ということだ。秀虎は過去に城主を裏切りその家族を惨殺してのし上がってきた。その報いを受けるというのが『乱』の物語の本質だったのに、ほとんどの日本人がそれを読み取れずに作品を批判的に見た。リア王を知り、旧約聖書を読んだ事のある海外の観客はそこを理解したから『乱』のすばらしさに拍手を送った。完成から40年が過ぎた今こそ、日本人に観直してほしい映画だ。
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