「失われた時を求めて」Love Letter cueさんの映画レビュー(感想・評価)
失われた時を求めて
確か大学の課題で見たのが最初で、以来、何度も見返したくなる映画の一つだ。
そんな映画を今回スクリーンで鑑賞できたことはとても幸せだった。
改めて感想を書くとこれは単なるラブストーリーではなく、喪失とその受容と、二度と戻れない時間への感傷と、少しコミカルな要素があるヒューマンドラマだと思っている。
改めて気づいた点としては、酒井美紀の美少女っぷりだ。喪服や私服のスタイリングはまるで少女漫画のようで、雰囲気は後の蒼井優や森七菜に通ずるトーンがあったように思う。
この映画の泣きポイントはいくつかあるが、いずれも岩井さんの演出と篠田さんの画作りと、REMEDIOSのエモーショナルなサウンドが抜群で、否応なしに涙腺が刺激される。
そして、最後のエピソードは幸せと切なさが入り混じり、年を重ねるにつれて、なお一層深く染み入ってくる。
岩井さんは奇跡の映画というけれど、同じ時代にこのような映画が生まれ出会うことができて、その奇跡に感謝したい。
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