「私が失ってしまった青春期の繊細な心の鼓動。」Love Letter いなかびとさんの映画レビュー(感想・評価)
私が失ってしまった青春期の繊細な心の鼓動。
この映画をテレビ画面で何回も見ていたが、やはりスクリーン画面で観た方が良い。
何故この作品に私が惹かれるのか、今までよく分からなかったが、今回鑑賞してみて分かった。
私が中学生だったのは、55年も前のことだ。
その当時の微妙な心の振動は遠い昔のことで、すっかり忘れてしまった。それをこの映画は思い出させてくれる。懐かしかった。
監督はどこからこのアイデアを発案したのだろう。同姓同名の同級生の男女がいた。そこから、この物語が作られたのだろう。エピソードも面白く、最後の結末もプルーストの「失われた時を求めて」の最終巻「見出された時」の図書カードの裏面に、肖像が描かれていた。素直に好きだと告白出来なくて、図書カードがラブレターだったなんて洒落た結末だと感心してしまう。范文雀も中山美穂ももうこの世にいない。加賀まりこだけが元気だ。
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