「love letterとリングは手のつけられない偉大さがある」Love Letter ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
love letterとリングは手のつけられない偉大さがある
これがいきなり出てきた当時の衝撃を思う。日本はおろか、アジア各地(特に韓国)にこの影響は及んだだろう。公開当時は全部英語表記ひっくるめて、編集ひっくるめて気取ってる感も強く感じながら抵抗しつつも泣いているというわけのわからない感情もあったけど、撮影、音楽、美術、衣装、脚本引っくるめてやっぱり素晴らしい。新しいカルチャーからの映画が出てきた感じを改めて感じた。
久々にみて、中山美穂というか、特に豊川悦司はやっぱりかっこいいし、高校生のふたりの物言わぬ新鮮な瞳の破壊力。公開時、どちらかというえば年齢的にそちら側に近かった自分が、今やその大人たちより大幅に歳を取って、二重の意味で過去の扉を開いていく感覚。図書館というタイムカプセルに封じ込められたlove letterのあと軽やかにエンドロールが始まる美しさ。何度も涙が出てくる。
途中の小樽ですれ違うふたりの「藤井樹」など結構チャレンジもたくさんしている。もはやそこにいない人のドラマ(思い)でここまでやれるのか。今思ってもこのサントラはとてもいい。
そんな当時の日本映画にないものを大量に持ち込んだ岩井俊二は偉大だった。
フジテレビの映画では、この『love letter』と『リング』という恋愛とホラーの金字塔かあるのが『踊る大捜査線』より凄いなあと思うところ
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