劇場公開日 1995年3月25日

「【「失われた時を求めて・・・」  時空を超えた"Love Story" を”清涼且つ凛冽な世界観”で描き出した作品。】」Love Letter NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【「失われた時を求めて・・・」  時空を超えた"Love Story" を”清涼且つ凛冽な世界観”で描き出した作品。】

2020年12月6日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館、VOD

悲しい

知的

幸せ

ー 今作の内容は、巷間に流布していると思われるので割愛・・したいところだが、一言。ー

 ・前半パートは、久方振りに見返すと、”こんな感じだったかなあ・・”

 ・物語の設定は、秀逸である。
 -過去、現在パートを行き来しつつ、”二人の藤井樹”を巡り、彼らと関係していた人々の姿を、重層的に描き出す。
 特に、監督が拘った、藤井樹と関係した、現在と過去の二人の女性ー渡辺博子”(中山美穂)と”藤井樹”(中山美穂・・)ー との間で交わされる手紙の数々。
 時代的な理由も有るだろうが、メールでもLineでもない、手紙での二人の遣り取りの詩的で、素敵なモノローグ。

 ・二人の藤井樹が図書委員だった頃の、出来事・・。
 そして、数年後に露わになった”山で命を落とした藤井樹から、今でも元気に地元の図書館で司書として働く、藤井樹”に残されていた図書カードの裏に描かれていたメッセージ。

 ・”山で命を落とした藤井樹”の友人であり、岳人でもあったアキバ(豊川悦司)を始めとする、今でも、何らかの後悔を抱く人々の姿。

 ・アキバが、渡辺博子を傍らに、”藤井樹”が眠る、山に向かって叫ぶ言葉・・。

<学生であった初鑑賞時には、先鋭的な登山を終えたとはいえ、雪山で亡くした後輩の姿が”藤井樹”の姿と被ってしまい、涙を隠すことに困った作品。
 (だって、当時、山で亡くなった人が物語に絡んでいるという情報は無かった・・筈。
 でなければ、今作を観る筈はなかった筈である。)
 数十年ぶりに鑑賞し、正直、前半は・・であったが、後半は矢張り、グッと来てしまった作品。>

<1995年 劇場にて鑑賞。詳細記録なし。>

<2020年12月 別媒体にて鑑賞>

NOBU