劇場公開日 1995年3月25日

「愉しいことは共有しやすいが、哀しみは共有しずらいのだ・・・」Love Letter はるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0愉しいことは共有しやすいが、哀しみは共有しずらいのだ・・・

2020年4月29日
PCから投稿

死んでしまった人のことは早く忘れるに越したことはない。
それは周りを不幸にもするし、自分をも不幸にしてしまう。
人の哀しみは千差万別だからだ。
そう簡単には「あんたの気持ちはわかるが・・・・・」などと軽々しく口にすべきではない。中山美穂はどうでもいいが、豊悦は素晴らしいの一言。
寛大な気持ちも持ち合わせてはいないような間の抜けた風情を醸し出しながら底抜けに女を愛する男を見事に演じ切っていた。時々死んだ男に対して嫉妬するシーンには胸が詰まった。女は哀しみの最中にいる状況に酔いしれ我が身を憐れむだけ憐れむ存在であることを上手く演じることは紛れもない事実だったけれど、じめじめとしたリアルさには程遠い気がした。だから、安っぽい上っ面だけで生きて行けそうな女にしか見えない。

これは、監督の責任なんだろう。たぶん。

はる