ラヴ・ストリームスのレビュー・感想・評価
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ジーナ・ローランズの入退院
カッコ悪くてカッコいいぞカサヴェテス。
「グロリア」「オープニングナイト」につづき3本目だぞカサヴェテス。
長いし序盤は(退屈じゃないけど)眠いし後半はむちゃくちゃ破天荒だぞカサヴェテス。
ジーナ・ローランズの存在感ってほんとに独特だなぁ。愛嬌があってスタイルもいいのにエロくない。女子校のアイドルになれそうな男前。なのにファッションはエレガント。美脚。
そしてとにかくカッコよくてカッコ悪いカサヴェテス。
内容は「……」だったので置いとくとしても、ともかく撮り方(撮影)がものすごく変わってる。
たとえば後半の動物が出てくるシーン、本来そのショットでは動物も入れるのが普通だと思うけど、それをフレーム外に置いて俳優(監督本人)が悪戦苦闘するさまだけを見せる。
観客としてはおあずけを食ってるわけなので、若干のストレスがある。そうすると画面に独特の粘り(テンション)を感じる、というわけ。
終始その調子なので観る方は気力が必要。これが賞を獲った理由はよくわからないけど、こういう手法もあるんだなぁと感心した。
あとこのやり方だと役者の負荷は大変だろうな。
作家なのにぜんぜん仕事しないで遊び回るカサヴェテスは身近にいたらとんだメンヘラ製造マシーンだが、周囲の受け止めは割とサラッとしてて、なのにおまえがメンヘラに振り回されるのかよ!っていう皮肉。
結局、他者への愛なしに自分勝手に生きることは至難の業っていう独身者には救いのない話。
想像だけど「こわれゆく女」と続けて観た方がしっくりくるんだろうなぁ。
一方的な愛の流れ
カサヴェテス特集ラスト
残念だが、わからなかった…
「人生は自殺と離婚と子供を殴ること」
田村正和を彷彿とさせるカサヴェテスの品と軽やかな身のこなし(階段を駆け上がるシーンは最高!)。そしてもはや職人芸とも言える秒で憑依するジーナ。、こらはもう一見の価値あり!
タイトルはカサヴェテスが吐く劇中でのセリフ。これにはゾクッとした。現代だと厚労省の自殺相談レベルだけど、当時は89年のベルリン壁崩壊直前で、冷戦のレーガンとゴルバチョフで核軍縮、ペレストロイカと民主化方向に進み始めて来た頃。要するに信じられるものは、愛ってことよね。そして愛の先にはどうしても忘れちゃいけないのが旧約聖書からお馴染みの彼ら。これはもうテッパンね。
流れて、止まる
ジーナ・ローランズ、凄い!
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