ラストエンペラーのレビュー・感想・評価
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「数奇な運命」という他ない
今更だが初めて見た。 CGのない時代の作品なのだが、 仮に現代で作るとしたら、セットは最低限で、背景の宮殿や多数の兵士は全部CGになるだろうな、 そして宮殿の全景、街の全景をCG再現するんだろうな、と。 そうすれば「超大作」ではなく、意外と中〜低予算でできるかも、 とか思ってしまった。 とにかく、当時だから作れた、今後作られることのない超大作を楽しもう。
すごく良かった
218分版を鑑賞。3時間超でも面白いと感じた映画はグリーンマイル以来かも。濃厚でテンポも良く、何より溥儀の人物像に魅入られて一気に観てしまった。 清王朝から中華民国から満州国から中華人民共和国への変容。辛亥革命や北伐や日中戦争や文革が起きる激動の時代。どう世渡りしていくか、一つ間違えると命取りになる。 しかし紫禁城から出たことのない溥儀にはわからない。いくら西洋式の英才教育を受けたって、靴紐の結び方も用の足し方も知らないようじゃ世渡りは無理。賢くて純粋で誇り高くて、絶望的に世間知らずがゆえに、傀儡皇帝という道を選んでしまったんだろうな… しかし物語は善悪どちらの視点も取らずに、淡々と彼の人生を追っていくのみ。溥儀の哀しみも喜びも孤独も、全て静かに写していく。冷たいようで優しいその視点が良かったなあ。 最後の紫禁城のシーンも、素晴らしい。
長い、
確かに充実もしてて歴史の重い映画ではある。 でも「映画」としては長く、間延びしてる感もあって、もうちょっとコンパクトだったらよかったかなとも思った。 みんな流暢な英語を話すし、違和感もあった。
清朝の最後の皇帝が宣統帝溥儀ですが、中国国内で辛亥革命があり、日本...
清朝の最後の皇帝が宣統帝溥儀ですが、中国国内で辛亥革命があり、日本の関東軍がその中国国内に満洲国を建国し、その宣統帝溥儀がその満洲国皇帝の座に傀儡ですがおさまりますが、清の前の体制が明で明が漢族らしく、清が弁髪で民族が違うらしく、当映画の終わり場面で文化大革命の中で、以前が帝王の今が庭師のその宣統帝溥儀が民衆に蹴倒されますが、その宣統帝溥儀が戦中に日本側に立った訳ですが、米国で日本人が日系移民が最初に成功したのが庭師だったそうで、また山下財宝というのがいまだ語られてますが、大日本帝国陸軍の山下奉文がマレー半島を植民する英国軍を破り、フィリピンにまで渡り、日本が敗戦でその地で絞首刑ですが、その山下財宝というのが丸福金貨のことですが、丸福金貨というだけに清朝の王の財産かと思いますが、当時の中国の民衆にそれほど財産はないかと思いますが、その山下奉文がフィリピンに埋めて隠したような、戦後に笹川良一が競艇ギャンブル事業を始めてますが、小野田寛郎が20年程もまだ戦争が続いているとフィリピンのジャングルの中でその陣地を守ってましたが、日本に帰国後にすぐにブラジルで牧場を拓いてますが、事業を始めるのにもそれなりの資金がないと始められませんが
時代
に翻弄され政治に利用された皇帝 同じ皇帝でも天に従う皇帝である天皇は戦後も確実に守られた。 が、満州国と言う、全てにおいてスポットであった国の皇帝は 結局のところ時代の流れには逆らえず、政治の欲望の渦に揉みくちゃにされ 皇帝だった威厳が守り切れずに時代に消されてしまった。 ちなみに清王朝最後の皇帝と言う触れ込みだが 僕の認識では、清王朝最後の皇帝は 乾隆帝であり アヘン蔓延は乾隆帝時代の遺産だと思っているため 清王朝末裔の満州国皇帝の物語。 と言うのが妥当かな? と思っています◎
大人になってもずっと孤独な少年の物語📚
ずっと観てみたかった清朝最後の皇帝の物語🍀 冒頭のキャスト紹介で“R.J. Peter O'Toole”と見ただけでテンション上がった〜〜〜(´∀`艸)♡♡ ロレンスさまさま💛こちらでも拝見できるとはっ‼️ 溥儀って愛新覚羅家だったのね。中国ドラマでたくさん観てきた清王朝最隆時代を担った乾隆帝と同じ家系❤ ❤ ❤でもこちらは始めから可哀想な運命。 絶大な権力を誇った西太后の遺言のように跡継ぎにされ、紫禁城の中と外とでは時代の流れが異なる混沌とした時代を生きる坊や。大人になってからも文化大革命に翻弄される時代のうねりに呑み込まれた溥儀氏。 幼少期の溥儀役の子がアメリカン過ぎてかなり違和感しか感じなかったし、なんなら他の方々の演技もイマイチだし、ストーリーがいいとかそーゆーもんでもないけど、それでも1987年にこの話題を長編作品として世に出したその功績は称えられてしかるべきだからその点では納得💜 あ〜〜〜『さらば、わが愛 覇王別姫』が再観したい❤ ❤ ❤
清王朝黄昏の日々
感想 清王朝の落日期に西太后に続き皇帝となった、愛新覚羅溥儀とその取巻きの者の数奇で波乱に満ちた生涯を描く実話を元にした物語。旭日の如くアジアに勃興し、近代化した大日本帝国が進めてきた植民地政策に乗り、満洲帝国皇帝になった清王朝最後の皇帝溥儀。 当時の日本が中国大陸に行ってきた振る舞い、さまざまな圧力と誘惑に翻弄され、巻き込まれていく皇帝としての溥儀。中華民国、国共内戦及び合作、大日本帝国崩壊、中華人民共和国と歴史的変遷を遂げると共にその立場や人間関係が劇的に変化して行く。その人生は激動の歴史に翻弄され続けたものであった。 溥儀の皇帝としての側面、また人としての側面の両面を丁寧に深掘りしていき、どのような人物であったのかを浮き彫りにしていた。さらに、皇帝期の儀式や慣習の数々、傀儡政権期の矛盾と心の葛藤など英国人皇帝付教師レジナルド•ジョンストン著述「紫禁城の黄昏」を元に興味深い話が哀れみを踏まえて映像化されていた。 本作の中での溥儀自身は単に実直な思慮深い人間に視えた。問題は周りの取り巻く人間や、置かれている状況により、歴史的に無責任な評価を押し付けてしまう社会であり、育成する人物や方向性により人はいくらでも良くも悪くも変わることができるということがよく判る映画であった。 監督は映像詩とも言えるクオリティを現出させる名匠ベルナルド•ベルドリッチ。まさに荘厳なまでのドラマを演出した。◎ 撮影は「色は象徴。」で有名なビットリオ•ストラーロ。溥儀が皇帝に即位する時とラストシーンに紫禁城内の玉座で撮影が行われ、皇帝の色である黄色が効果的に使われ、荘厳に黄金色に輝いている映像は強烈な印象であった。◎ 音楽は今や伝説となってしまったYMOの坂本龍一とトーキングヘッズのデビットバーン。アカデミー最優秀作曲賞受賞。テーマ曲がかかるとすぐにジョン•ローンの顔が思い浮かぶ。 出演 溥儀役はジョン•ローン。演技派でイケメンだった。ジョンストン役、名優ピーター•オトゥール。アヘン中毒であった悲劇の第一夫人役のジョアン•チェンも好演。さらに坂本教授は満映協会理事長で最後を迎えた甘粕正彦役を怪演している。 1988年2月 丸の内ピカデリー1 初鑑賞 ⭐️4
真に映画的快楽を追求した作品
これまで何度も見返して来たが、改めて劇場の大きなスクリーンで見直す。ベルトルッチの監督作としては、個人的に「暗殺の森」や「1900年」を偏愛しているが、本作はそれらをより洗練させた集大成的な作品となっているように思う。語りの効率化として回想形式が導入され、ラストエンペラー・溥儀の壁の中に幽閉され、その中でしか生きられなくなった人間の切なさが壮麗かつコンパクトに描かれる。ベルトルッチの演出、ストラーロの撮影、坂本龍一の音楽、そして役者陣(特に溥儀の子役2人目、そしてジョアン・チェンが素晴らしい!)、それら含めた全ての面で映画的快楽を追求し実現された、教科書のような作品。やはり、この手の作品は、映画館の巨大スクリーンと音響で、観るに限る!
当時の中国の歴史知識ゼロだと話が良くわからない。溥儀は波乱の人生だと思った。
溥儀、清、満州国の大ざっぱな歴史も知らなかったので話がよく分からなかった。ある程度はあらかじめネットでチャチャっと頭に入れとけば良かった。 溥儀は当時の中国を支配してる清の皇帝なのだから、絶大な権力を持ってると思ってたら、紫禁城の外に出れないし、外では別の政府があるみたいだったので驚いた。 終盤の満州国の所は日本絡みなので少しは分ったが、戦犯として捕まってるのは初めて知った。 甘粕だけは先日みた「風よ、あらしよ」(劇場版)で知ってwikiで見たので知っていた。伊藤野枝と大杉栄を殺害した人物だ。女スパイもきっと知る人ぞ知る有名な人物と思われる。 731部隊の生体実験、南京事件、上海空襲、原爆が出てくるが、戦中の事件として描かれるだけだ 紅衛兵が出てくるが、毛沢東の文革の頃まで生きたというだけで、特に溥儀との絡みはない。
3S 政策は本当のことだから、歴史を扱った作品は鵜吞みにしてはいけない
1987年公開の日本語字幕版2時間42分バージョンをhuluにて視聴。 満州、ソ連、大日本帝国など興味深い時代を映像化している。 本物の紫禁城で撮影されているのは見どころである。 BGMが雰囲気があり、世界に入りやすい。 セリフ(字幕だと翻訳)に不満がある。当時は”中国”という言葉は存在しなかった。 回想する展開は、あたかも真実のように描写しているが、脚本自体がフィクション要素が強い。 楽しみ方は色々あり、ここまで嘘を真実のように推してくるのも凄い執念を感じる。 今作をきっかけに本当はどうだったのか調べる人が少なからずいることを期待したい。
今観ると、なんだか複雑・・・
中国の激動の一時代とそれに翻弄された悲劇の男を巨匠ベルドルッチ監督が、ずば抜けた映画力と資金力にものをいわせ、(脚色しすぎのような気もするけど)よりエキゾティックに、そしてドラマティックに仕上げたエンターテイメント歴史超大作、ということですよね。 製作は1988年。当時の中国は経済的に台頭しつつあるものの国力もまだまだ、という状況だったと思います。そんな中国の歴史をテーマにしたこの映画を、我々観客も(ちょっと上から目線で)好意的な心情で受け取めていたような気がします。それから30数年が経過した今、中国は経済力でも国力でも他国を圧倒し欧米諸国とも対等以上にわたりあっていることを考えると、必ずしも以前と同じ気持ちでは観ることができなかったというのが正直な感想。 日本軍の蛮行や原爆のシーンも、事実であり今の季節が季節だけに、改めて胸に刺さってしまいました。 そして日本人初のアカデミーを音楽で受賞、映画のキャストとしても存在感を発揮していた坂本龍一さんは、もうこの世の人ではないんですね。 今回改めて観終えて、以前とはだいぶ違ったちょっとブルーで複雑な心境に陥ってしまった私でした。
坂本龍一教授の追悼上映。 公開当時は、音響にばかり気をとられていま...
坂本龍一教授の追悼上映。 公開当時は、音響にばかり気をとられていましたが(未成年でしたし) 時代背景や物語の凄味、すこし歳をとって観てみたら、多少理解が深まった気がします。 いやあ壮大です。
世界一自由のなかった男の物語
ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場での爆音映画祭にて鑑賞しました。何度かテレビ放送では観ていましたが、初めての映画館鑑賞でした。映画館でこそ鑑賞すべき作品です。全然違いました。また、音のチューニングが抜群で、30年以上前の作品と思えないクオリティで非常に耳心地の良いものになっていました。まだ数回予定があるようのなのでこの機会に是非鑑賞下さい。 さて、作品そのものですが、自我も定まらない愛新覚羅溥儀の皇帝即位から生涯を終えるまでの出来事をトピックス的にまとめた映画といえばそれまでですが、常に壁に阻まれた、自分の意志を示せても全く意のままに行動することを許されなかった男がうまく表現できていた傑作です。毎度毎度なのですが、ラストの紫禁城のシーンにはブワッと感情を揺さぶられらます。それは、これまでのトッピクスを凝縮したこのシーンだからこそだと再確認できました。 いい作品ですのでこれからも上映の機会があれば鑑賞したいです。
映画館で見れて良かった
ディレクターズカットのDVDは視聴済です 劇場版4Kを映画館で見れるという絶好の機会に観ることにしました! 坂本龍一さんが亡くなって追悼上映かな とにかく私は素晴らしいと思っていて時々見返しています! 若者に観てほしいです
幸か不幸かは自分で決める
何も変わっていない。2023年も、紀元前500年も。 弱い物が死に、強い物がそれよりも長く生きる。 所詮は人も、動物にしか過ぎない。 芸能人で自殺を考える男はいるか?ゼロではないだろう、芸能人で自殺を考える女はいるか?ゼロではないだろう。自殺を考える王様はいたか?ゼロではないだろう、自殺を考える女王はいたか?ゼロではないだろう。 寂しさ切なさ侘しさ不安?それらは死への恐怖と無関係ではない気がする。孤独への恐怖は、自分の生命も守ってくれる存在の「無」からの恐怖と無関係ではない気がする。 人の社会的立場がどんな立場の人だろうと所詮は生身の人間生身の動物生身の生き物でしか過ぎない。常に心の奥底で恐怖と不安に苛まれているのだ。そこに身分は関係ない。人を信じれる人が幸福なのだ。 例えば私が何かに感動したとしよう、映画館から出て最初に出会った人も 私と同じ感覚を味わってると確信し歩みを進める、だが次の瞬間そうではない事を悟る、私の感動が私だけのものなのだ、その時点で私は、人は孤独なのだ。 あんだけ沢山のキスをされたい。 華を食べる泪は美しい。
【”蟋蟀の壺。私は改革したかった、全てを。”満州人としての誇りを失わず、近代日中の政治的思惑の中で生き抜いた男の半生を描く。故、坂本龍一氏のメインテーマが、格調高き品と趣を高めている作品でもある。】
ー 私は、愛新覚羅溥儀は歴史を学んだ際に、日中の政治的思惑に翻弄されつつも自分の意思を持たずに、立ち居振舞った人だと思っていた。 だが、今作でベルナルド・ベルトルッチ監督は彼を”満州人の誇りを忘れずに理想を持って激動の時代を生き抜いた高潔な男”として描いている。 そして、今作に格調高き品と趣を与えているのは、甘粕大尉を演じた故、坂本龍一氏の荘厳な「ラストエンペラー」であることは、間違い無いのである。ー ■物語は、1950年、ハルピンにて自殺を図った溥儀の回想シーンと溥儀が戦犯とされたシーンが交互に描かれて行く。 ◆感想<Caution! 内容に触れています。> ・今作は,幼き愛新覚羅溥儀が死を目前にした西太后に清朝の王として指名されるシーンから始まる。 ー 幼き、溥儀が遣りたい放題やっても、臣下は誰も止めない・・。- ・長じて、イギリスからレジナルト・ジョンストン(ピーター・オトゥール:碧眼長身の、溥儀に正しき帝になるべく、帝王学を優しく教えていく姿がバッチリである。)が、家庭教師としてやって来る。 ー そして、溥儀は”オックスフォードに行ってみたい。”と夢見る知性ある男に育つのである。レジナルト・ジョンストンが記した「紫禁城の黄昏」はいつか読みたい一冊である。- ・だが、激動の近代中国は政治的に混乱しており”北京政変”により、溥儀と第一、第二夫人は”あれ程、外に出たかった紫禁城から”一時間で退去を命じられるのである。 ー この辺りから、溥儀の波乱の人生が加速していくのである。- ・大日本帝国の思惑により、満州国の皇帝になった溥儀。だが、帝国軍人たちは満州国は中国進出のための大日本帝国の傀儡国家として作ったモノであるため、溥儀の”満州国と大日本帝国は同等である。”という言葉を聞き、席を立つのである。 ー 一人残された溥儀の、茫然とした哀しみを湛えた目。- ・そして、大日本帝国が南京大虐殺を行うシーンや、731部隊が行った人体実験の当時のシーンが映し出される。 その中には愛新覚羅溥儀が、大日本帝国の傀儡国家である満州国の皇帝になったというニュースも流される。 ー 驚きの表情で、席から立ち上がる溥儀の姿。- ■その後、大日本帝国は第二次世界大戦で敗北し、一方中国でも共産主義革命を起こした毛沢東による改革が着々と行われて行く。獄に繋がれたままの溥儀・・。 だが、彼は模範囚として53歳で特赦で獄を出る。 街で、彼が見た事は、彼に親切にしてくれていた収容所所長が紅衛兵たちに引き回されている姿であった。 ー 政治思想の変遷に振り回されたのは、溥儀だけではなかったことを象徴するシーンである。- <ラストも印象的である。 老いた溥儀が紫禁城の皇帝の席に近づこうとすると、守衛の子供が咎めるが、彼は ”昔、ここに住んでいたんだ。” と言って玉座の下に隠してあった幼い頃、臣下から貰った”蟋蟀の壺”を取り出すのである。が、子供が目を上げるとそこには溥儀の姿はない。 そして現代、多くの観光客が紫禁城の過去の皇帝溥儀が座っていた玉座を眺めるのである。傑作であろう。> ■私事で恐縮であるが、紫禁城には一度だけ行ったことが有る。 観光客が入れるエリアは限られていたが、それでも全ては見切れなかった事を、今作を鑑賞すると思い出すのである。
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