「すごく良かった」ラストエンペラー ケロケロケロッピさんの映画レビュー(感想・評価)
すごく良かった
218分版を鑑賞。3時間超でも面白いと感じた映画はグリーンマイル以来かも。濃厚でテンポも良く、何より溥儀の人物像に魅入られて一気に観てしまった。
清王朝から中華民国から満州国から中華人民共和国への変容。辛亥革命や北伐や日中戦争や文革が起きる激動の時代。どう世渡りしていくか、一つ間違えると命取りになる。
しかし紫禁城から出たことのない溥儀にはわからない。いくら西洋式の英才教育を受けたって、靴紐の結び方も用の足し方も知らないようじゃ世渡りは無理。賢くて純粋で誇り高くて、絶望的に世間知らずがゆえに、傀儡皇帝という道を選んでしまったんだろうな…
しかし物語は善悪どちらの視点も取らずに、淡々と彼の人生を追っていくのみ。溥儀の哀しみも喜びも孤独も、全て静かに写していく。冷たいようで優しいその視点が良かったなあ。
最後の紫禁城のシーンも、素晴らしい。
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