羅生門のレビュー・感想・評価
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回答付きの「藪の中」
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人の不完全性が描かれている。
人の醜悪さを前面に押し出しつつも、最後は希望を見出す。
監督の解釈を踏まえた「藪の中」。
行為自体ではなく、行為に至った動機を問う。
嘘とは何か。盗みとは何かを聞いてくる。
しかしこれを今、面白いかと言われると…さすがに古典かな。
貞操観念やら現代の感覚と違いすぎる。
満足!
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有名すぎていつかは観ようと思っていた作品です。
観賞後の感想は、陳腐な言い方になってしまいますが、「これぞ、映画!」と作品のエッセンスをぎゅっと噛み締められた思いがしました。
まず、映像のこだわりが秀逸、個々の役者さんの底力を感じさせる演技も凄かったし、そして、監督自ら書いた脚本の素晴らしさは、原作を超えて、人間の善の部分に光を当てたことだと思いました。
確かに自分に都合の良いように事実を折り曲げている人達ばかりでしたが、よくよく考えると誰も他者が殺したとは言っていないのが分かると思います。死んだ武士でさえ、自害したなんていって(本当は殺されたのに)。そして、真相を知る杣売りの告白を聞いて、正真正銘の事実が一番、滑稽で醜かったことが判明します。更に彼自身もある罪を隠すために嘘の証言をしています。ここまでで、終わりだったら原作どおりなのでしょうが、黒沢監督は最後に小説『羅生門』の一部を持ってきたと共に、人間不信では終わらせない、一筋の光を杣売りに託しました。そして、感動的な雨上がりのラストが冒頭のシーンと対照的でそれはそれは美しかったのです。
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