劇場公開日 1961年4月25日

「【”日本人にとって、義侠心とは何であるかを、見事に可視化した作品。”近代邦画が世界に誇る、娯楽大作。】」用心棒 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”日本人にとって、義侠心とは何であるかを、見事に可視化した作品。”近代邦画が世界に誇る、娯楽大作。】

2022年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、VOD

怖い

興奮

幸せ

■内容は巷間に流布しているが、一応・・。
 2人の親分が対立する宿場町に、浪人者(三船敏郎)が現れた。
 浪人者は、一方の親分・清兵衛に自分を用心棒として雇うよう持ちかけ、敵方・丑寅の子分3人を瞬時に切り捨ててみせる。
 だが、清兵衛の謀略を知った浪人は用心棒を辞退。
 そんな折、丑寅の弟卯之助(仲代達矢)が短銃を携えて帰ってくる・・。

◆感想

・久方ぶりに鑑賞したが、脂の乗り切った黒澤監督が、時代劇に西部劇の要素を取り入れて、ゴールデンコンビである、三船敏郎とタッグを組んだ作品。

・浪人者が、何故に宿場町に現れたのかは描かれていないが、とにかく空っ風が吹きすさぶ野良犬が人の手首を加えて登場するファーストシーンだけで、その後の展開を予想させる演出の妙。

・最初は、どちらに肩入れするかを楽しむように、両派の抗争を高みの見物する用心棒の姿。

・だが、彼は徐々に真実に気づき・・。

・その彼の姿を見ていた居酒屋権爺(水戸黄門じゃなかった、東野栄治郎)を始めとした町の人々が、徐々に彼に肩入れする姿。

<パワフルでスピーディーな展開の中にユーモアも交え、用心棒の日本刀VS卯之助が使う拳銃の攻防など娯楽性は抜群である作品。
 ラストシーンでの、”義侠心とは何であるか・・”を観る側に問いかける作品でもある。>

NOBU