遊星からの物体Xのレビュー・感想・評価
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クリーチャー造形が素晴らしい
密室モノのホラーとしての純度が高いことは勿論だが
何よりクリーチャーのグロテスクで正体不明の不気味さには衝撃を受けた
いったい何を食ってきたらこんな造形を思いつくのか!"作り物感"はあるが緩急をつけて変化を繰り返し蠢く様子は筆舌に尽くし難い
当時の映画特有の燃やして爆破だ!!!の徹底振りには笑ってしまうところもあり非常に楽しめる
寒い冬に暖かい部屋で観たい映画
雨宮慶太さんはこう言った映画のキャラクターからオリジナルのキャラクターを創造した
ホラーは法螺!
グロくもないし、作り物丸出しで、チャイニーズゴーストストーリーなみ。
もっとも、こちらの映画をチャイニーズゴーストストーリーはリスペクトしているのだろうが、憑依する恐怖はエイリアンの比ではない。
つまり、エイリアンは当該映画よりも三年前なので、エイリアンをリスペクトしている。
それは兎も角、遥か彼方の星から何光年もかけて、地球にやって来た、エイリアンさん。さぞかし残念でしたね。不時着したのが南極で、いきなり、寝起きを襲われ、殺戮に合う。ノルウェー、つまり、ノルマン系の白人の歴史を語っているのかなぁ。
『やられる前にやってしまえ』そうやって、彼等は生き残ったのですかね。火炎放射器が何を語るのか?日本人としては、核兵器と同じ位痛々しく感じる。
映画自体はストーリーも破綻して、どこかの安っぽいお化け屋敷程度。
もっとも、雨宮慶太さんはこう言った映画のキャラクターからオリジナルのキャラクターを創造したとして、僕は彼(雨宮慶太さん)に対しては敬意を持っている。
音楽がエンニオ・モリコーネ?どこで音楽がストリングスしていましたか?全く気付かなかった。エンニオ・モリコーネさんはグロい映画が嫌いなはずだが、彼はそう言った映画にも無理やり使われていたんだね。哀れだよ。
誰が"それ"なのか
タイトルに聞き覚えがあり鑑賞。1982年公開ですが古さを感じさせず、とても見応えがありました。
序盤のノルウェー基地で何か恐ろしいことがあったとわかるところからずっとおもしろい。テンポ良く様々な展開が起こるのでのめり込むように観られました。
南極という閉ざされた空間で疑心暗鬼になっていく様がとてもいい。基地の一員になった気持ちで誰が"それ"なのか考えながら楽しめました。
カートラッセル、一見今と全然違う見た目ですが理知的な目元は変わらないですね。
登場人物もみんな自然な個性があって良かったです。特にギャリーが好きでした。輸血パックの件で疑われて隊長の座を降りたり、血液検査で縛られてるのに隣のパーマーが"それ"だと判明したり、なにかと不憫な場面が目立って可哀想なのがいいですね笑
ビックリしたのは心臓マッサージのシーンと血液検査のシーン。特に血液検査はタイミングが絶妙なのよ。
"それ"の姿もCGは一切使われていないそう。とても生々しくリアルなのが凄い。
鑑賞後に『ゼイリブ』と同じ監督さんだと知って、他の作品も観てみたくなりました。ゼイリブもおもしろい作品だったのでよかったら観てみてください。
『ニューヨーク1997』とその続編『エスケープ・フロム・L.A.』の主人公がメタルギアのスネークのモデルだと知って俄然気になっています。
ラストシーンでも2人のどちらかが"それ"なのかとか、誰がいつから"それ"になっていたのか(特にブレア)とか、輸血パックやマクレディの服の件とか、最後まではっきりとはわからない部分があるのも魅力の一つだと思います。"それ"になった時、元の人の自我はどうなるのかとか、色々と考察もできる作品です。
PS2で2003年に『遊星からの物体X episodeII』というゲームが発売されていて、これが本作の3年後に基地の調査に行くストーリーだそう。ラストシーンの2人のその後もわかるみたい…?機会があればやってみたいです。
SFホラーの名作中の名作
1982年製作の本作は、今からおよそ30年以上前に製作された作品であり、その存在すら知らない人も多い位である。ましてやこれが1952年公開の作品のリメイク版である事なんて影も形も知らないだろう。悲しい限りである。52年のオリジナル版は、映像的な進歩が無い時代であった事などからかなり苦しいものを感じるが、あまり悪い事をしない異星人を人間らがボコボコにするという、当時の時代背景を色濃く反映させた、中々奇天烈な作品だった。それが「ハロウィン」のジョン・カーペンター監督の手にかかるとどうか。今見ても見劣りしない気持ち悪さマックスの特殊効果の数々。頭が勝手にちぎれ、蜘蛛のような足と触角が生えて動き出すという遊び心とも思えるキャラクターは恐怖を通り超えて愛嬌すら感じる程だ。だが、気持ち悪いだけで終わらせず、エイリアンの擬態能力を活かした疑心暗鬼に陥る展開など、動きは少ないながらも緊張感を持続させたままエンドロールまで引っ張ってくれる。その反面、カート・ラッセル含め、厚着で髭を沢山蓄えた男達が多く登場する本作は人物描写にはそれ程尺は使っていないようで、もはやモブキャラの様になってしまっている役者潰しの構成になっている。古臭く感じるのは時代の移り変わりというどうにもならない物のせいだが、ジョン・カーペンター監督作、あるいは製作総指揮等の作品は近年の作品でもどこか懐かしいというか古い印象を受ける気がする。これこそ、生涯にわたってホラー等を取り続けて来た監督ならではの味なのだろうか。20年以上前の作品でよく感じられることなのだが、あまり要らなそうな演出等が本作でも登場する。こちらはもっと観たいシーンがあるのにと感じる時もあるが、80年代特有の雰囲気はやはり格別である。この雰囲気がより観る者を気持ち悪く、怖くさせているのだろう。
SFホラーの名作
録画していたのを鑑賞しました。
最初は学生の頃に映画館で観たのですが、その後も何度かTV放送などで観ていると思います。
40年前のCGのない時代の作品ですが、改めて観るとよくできた映画で、今でも十分に面白い。(もともとは1952年の作品のリメイク)
「エイリアン」と同じようなストーリーですが、グロさはこっちが上かな。首がもげ落ちて脚が生えて歩き出すとか、めっちゃシュールで、ある意味笑えるシーンもあります。
しかし、やっぱり名作は何度観ても面白いですね。
SFサスペンスホラー
当初から怪しさMAXの犬。まぁこいつがなんか企んでんだろうというのは分かったけど、序盤でシンプルに正体お目見え。しかも歴代TOPクラスにキモい。"あれ"のクオリティが凄すぎる。現代のようにCG技術がないからこそ、余計にキモくてむしろそこが恐怖感とグロテスク感を爆増している。
そこからは人間同士の疑心暗鬼の闘争に発展。本当に全員が怪しく思えてくる。こちらも(現代と比べて)映像レベルの低さから画面に鮮明さが無い分、観ている側も常に不安を煽られていて、主人公も"あれ"なのかと思えてくるのである。主人公の人間性も元から良い人では無いにしても冷静な人物だった。しかし疑われてからはより容赦の無い考えをする様になっていて、それが強い緊迫感、全くの余裕の無さを示していて素晴らしかった。
流石にアホすぎる自爆ノルウェー人や人間だった隊長?が血を捨てた理由など、ん?と感じる部分もあるけれど、話が進むにつれて自分がどんどん画面に前のめりになっていくのを感じた。総じて素晴らしい作品だと思った。
気持ち悪い
自宅PS4にて、U-NEXTで鑑賞しました。
予想外に気持ち悪いシーンが多くて驚きました。グロいのとか、虫とか苦手な人は見ない方がいいと思います。
最初の、犬が宇宙生命体に乗っ取られてるシーンでは、口が4つくらいに割れたり、変な細長い素早く動く触手が何本も出てきたりと、かなりキモいです。口が割れるシーン見た時、アニメの「寄生獣」みたいだなと思いました。
その後も、宇宙生命体の気持ち悪い映像が続く感じです。
ジョンカーペンター氏の作品は、僕は「ハロウィン」シリーズしか知らなかったです。ハロウィンシリーズはジョン氏自ら手がけたbgmが特徴的です。一方今作はbgm等が無いシーンが多く、演出よりもよりリアリティのある恐怖映像を目指したのかと思いました。実際、bgmが無いのはかなり不気味でした。
【”凄い特殊造形と、凄い俳優と、凄い音楽があれば凄い映画が出来上がる。他は何もいらない。それは今作によって実証された。映画の基本原理だ。By黒沢清。”今作は、経年劣化しない作品である。】
■1982年の南極。
アメリカ南極観測隊基地に1匹のイヌが逃げ込んできたきた。
そのイヌをノルウェー基地の隊員が執拗に追いかけてきた。
状況を把握するためマクレディ(カート・ラッセル)やコッパー医師(リチャード・ダイサイド)がノルウェー基地に訪れると、そこには無残な死体があちこちに転がっていた・・。
◆感想
・数カ月前に、ジョン・カーペンター監督のレトロスペクティブで、「ザ・フォッグ」「ゼイリブ」「ニューヨーク1997」を鑑賞した。
時代を感じさせぬ、映像及びを大変面白く鑑賞した。
・だが、私はそれらのジョン・カーペンター監督作品群の前の今作を映画館にて、鑑賞していた。
いつものように、夏季連休を、京都で過ごし祇園で呑み過ぎ、二日酔状態で名古屋駅にたった40分で到着。
酔いを醒ますために、名駅近くのシネマスコーレに足を運んだ。
で、私の手元にはこの作品のフライヤーがある。
レビュータイトルはそのフライヤーに記載されていた、黒沢清監督のコメントである。
・今作は、初見時には宇宙から来た、クリーチャーの作りこみの拘りや、クリーチャーが南極隊員に擬態化し、それを見分けるために隊員の血を採り、熱した銅線を付ける事により、誰がクリーチャーに擬態されているかを見極めるマクレディの”選別”シーンが面白かった。
<久方振りに鑑賞したが、面白さは変わらず。
今作はジョン・カーペンター監督が、幼少の頃に衝撃を受けたSFホラーの古典『遊星よりの物体X』をリメイクし、1982年に制作した作品であるが、クリーチャーのグロテスクなビジュアルと共に、隊員同士が疑心暗鬼になって行く様の、スリリングさは秀逸だと思った作品である。>
<2018年8月 シネマスコーレにてデジタル・リマスター版を鑑賞>
<2022年5月18日 別媒体にて再鑑賞>
SFグロ・ホラーサスペンス
3度映画化されている原作は未読。
こちらは第2作目。
1982年冬の南極大陸。
ノルウェー観測隊に命を狙われたワンちゃんが、アメリカの観測所に逃げ込んでくる…。
評判通りの面白さ。
“The Thing”の生態は結局よく分かりませんでしたが、正体不明だからこそ恐怖に駆られ、連絡・移動手段の断たれた閉鎖空間で疑心暗鬼に陥る隊員達の様子に、最後まで目が離せません。偽物はコイツか?いや、コイツか?!と、こちらも1人1人を疑って見てしまいます。
同化時や擬態解消?時に現れる”the Thing”の出来栄えが素晴らしいです。当時21歳でクリーチャーを担当したRob Bottinは、1年以上休むことなく制作しその後過労で入院したそうですが、力の入れようが尋常ではありませんね。血塗れ、苦悶表情、ヌルっとした蛇・ミミズや多足類、蜘蛛、毒々しい緑色・黄色など、(中には好きな人もいるでしょうが)多くの人間が本能的、生理的に苦手とする要素をこれでもかと詰め込んでいます。こういう「嫌われ者」に対する制作者の愛すら感じました。腸と言って取り出したものが、(ヒトとして)異常なしという割には小さ過ぎて人間ぽくないのですが、あの解剖シーンには本物の動物の内臓を使ったそうです。
謎解き要素も満載!
1. ノルウェーワンちゃんが襲った影は誰だったのか。
監督は人物を特定させたくなかったため、あのシルエットは登場人物以外のものだそう。よって分からないことが正解なのですが、何度も見返して間取り図まで書いて考察してしまいました😅。同じことをした方々がネットに図を掲載しておられますが、どれとも一致せず…あれれ?🙃
米隊員12人 一覧
MacReady
Bennings
Blair
Clark
Childs
Doc (Dr. Copper)
Fuchs
Garry
Nauls
Norris
Palmer
Windows
隊員の寝室が並ぶ廊下:
[ア]BenningsがNaulsに音量を下げるようインターホン越しに注意するシーンと、最初の警報が鳴って休憩中の隊員達が慌てて廊下に出てくるシーンでは、廊下沿いに並べられている小物が大体同じで、
左側の奥から、
①DocとFuchsの相部屋
②BenningsとBlairの相部屋
③誰かの部屋
右側の奥から
④Windowsの部屋
⑤Naulsの部屋
⑥ChildsとPalmerの相部屋
であることが分かります。
③は⑥の向かいです。
Benningsに呼ばれたChildsが、慌てて身支度してる時だけ③室内の様子が見えます。
[イ]ワンちゃんが入ってくる時は、廊下の小物が随分変わっており(経時的には[ア]のシーンの間)、特に灰色のドラム缶の位置から、最初は[ア]とは反対側から廊下を撮影している(つもりな)のかと思っていましたが…、
天井の配管を見ると、[ア]も[イ]も撮影カメラの位置は多分一緒であり、同じ方向から廊下を見ていると分かりました。
で、最後まで観ると、影の正体はPalmerかNorrisということになります。
(Blairにしては髪がフサフサで眼鏡をかけていない。)
Palmer説
○ ワンちゃんは娯楽室で、PalmerとNaulsを見つめている。どちらにしようかなと言わんばかりに。
○ [ア]と同じ方向ということなら、ワンちゃんは②の部屋の前で立ち止まり、(Bennings は睡眠中だから?) ③のPalmerを襲った。
× しかしPalmerの部屋だとすると、Childsのベッド側の壁に写真やポスターが飾られていない。
Norris説
天井の配管はともかく…、もし反対側からワンちゃんが入って来たと仮定すると、
③の部屋に入った可能性が出て来ます。
ここがNorrisの部屋か、誰かと相部屋だったのかは分かりません。ワンちゃん変身時、既にNorrisは犬小屋に来ていました。Palmerが廊下に出た時、③の扉は閉まっていますが、その後誰か出て来たのか開いています。内装はあまり映っていませんが、⑥の部屋よりはスッキリしていそう?
(廊下に寝室が何個あるのか分からないので何とでも言えるのですが、もしも[イ]で映る灰色のドラム缶が[ア]で⑤と⑥の間にある物と同じなら、⑥の前で立ち止まって②の部屋に入ったことになります。BenningsではないとするとBlairになりますが、影の形や後述する理由でBlair説はボツにしました。)
また、犬小屋で真っ先に消火に当たるのはPalmerとNorrisです。
2. 誰のシャツか。
キッチンに捨てられていて、Naulsが発見した汚い灰色のシャツ。
支給品なのか、ほぼ全員服の下にそれらしき物を着ていました。1人数枚持っていてもおかしくないので、無駄な確認となりますが、Norrisは犬小屋のシーン以外は襟付きを着ていて、シャツが見えません。心臓マッサージの時も着ていません。PalmerとBlairはずっと着ています。
MacReadyがメッセージを録音している時、Windowsがシャツを見付けたと言っているので、てっきりまた別のシャツが捨てられていたのかと思ったのですが、これは脚本ミスのようです。
3. 鍵はいつ誰が手に入れたか。
Benningsに言われて、WindowsがGarryから鍵を借りますが、Benningsの同化を見て鍵を落とします。(ちなみにWindowsは、戻って来た時に下のシャツを着替えています。)Bennings焼却時に地味に不在なのはBlairとClarkです。屋外で保管庫の話になり、Garryが鍵をDocに渡しますが、そもそもGarryの元にどうやって鍵が戻ってきたのかは分かりません。Garryしっかり〜。
誰が輸血バッグを破損させたかで口論になるシーンでは、Palmerは後ろの方にいて、ほとんど映りません。なんかちょっと怪しげ。
4. 誰がラボの停電を起こしたか。誰がMacReadyを嵌めようとしたか。
Norrisは保管庫の件で怪しまれていたClark, Doc, Garryの3人を娯楽室でChildsと見張っていましたので、外へ出れたのはPalmerということになります。MacReadyのシャツを仕込むことが出来たのもPalmer。締め出されたMacReadyが戻ってくると、Palmerだけが焼き殺す気満々です。
FuchsはPalmerを追って襲われたのかなと。
Blairはいつどこで取り込まれていてもおかしくありません。発狂時は同化に抗っていたのか、単なるパニック状態なのか。私は後者だと思いました。犬と長く接触していたClarkをずっと疑っていたし、小屋に首吊り縄を用意していたので、少なくとも軟禁される時は人間性を保てていたのかなぁと思いました。
Fuchsを見なかったか?会わなかったか?とMacReadyに聞かれて、Blairは
“It ain’t Fuchs.”
と答えています。
会ってない、来てない、ではなくて、
Fuchsじゃないと。
ということは誰か別の人には会った可能性があります。Palmerが(Fuchsの代わりに)、小さい扉からBlairを同化したのかも知れません。
5. どの順番で襲われたのか。
Norrisに症状が出始めるのは、Fuchs捜索後です。もしPalmerが先なら、停電時に同化されたのか?
以上から、
犬 → Palmer ⇄ Norris
→ Fuchs, Blair
→ Windows
焼死体 → Bennings
という流れかな?
ノルウェー観測所捜索への立候補が却下されずに、そのままヘリを飛ばすことになっていれば、Palmerの運命は違ったかも?!
明るくても同化するんだなぁとか、ガウンも着ずに解剖するかい、メスの刃も変えないのかい、そもそも指を傷付ける時に変身するだろうとか、除細動器も食べちゃったのかとか😁、意外と穴だらけのような気もしますが、そこがむしろあれこれ楽しめる要素になっていると思いました。
ノルウェー観測所は、アメリカ観測所セットの焼け跡で造り、最後に撮影したとのこと。MacReadyはあそこで自らの運命を見ているようでした。
冒頭のノルウェー語。
ノルウェー人からするとネイティブではないそうです。
“Se til helvete og kom dere vekk! Det er ikke en bikkje, det er en slags ting! Det imiterer en bikkje, det er ikke virkelig! Kom dere vekk, idioter!”
英訳
“You get the hell away! It’s not a dog, it’s some sort of thing! It imitates a dog, it isn’t real! Get away, you idiots!”
ノルウェー語が理解できたらネタバレか?!でも何のことだか、普通はすぐに分かりませんね。
名演技のワンちゃんJed君は、狼とマラミュートのハーフ!でもヘリの下で雪原を走っていたのはJed風メイクを施された別のワンちゃんだそうです。とりあえず楽しそうに走っていて何より。
断定的でない、こういう終わり方も良いと思いました。
細部にまで拘ったグロテスクなクリーチャー達の一方で、見せない演出の素晴らしさを体感できる作品でした。
芸術的なおぞましさ
この作品でSFXを担当したロブ・ボッティンは、当時若干22歳。 この若さで多くのスタッフを指揮し、全世界の映画ファンの度肝を抜いたのだから、恐れ入谷の鬼子母神とでも言うしかない。 仕事の出来には、年齢など関係ないのだ。
これを見る限り、もはや食傷気味のVFXよりも、SFXの方が断然見栄えがいいと言いたくなる。 実際、リアルなCG映像が見飽きし易いのに対し、立体的なSFXは、何度観ても目を見張ってしまう。 写真にはない絵画の魅力と言ったらいいだろうか。 この映画の化け物には、「芸術的なおぞましさ」が息づいている。
これがジョン・カーペンターの代表作と言われるのは、もちろんSFXの凄さだけではない。 恐怖を演出したときのセンスは、やはり頭抜けている。 オープニングで、強い照明に照らされてThe Thingの文字がベリベリと剥がされるように現れるところから、得も言われぬゾクゾク感が伝わってくるのだ。 一番油が乗っていた80年代に、一番気合を入れて作った作品ではないだろうか。
この映画を観たことがない人は、才能に溢れた芸術家の想像力が生み出したこの世界を、是非とも味わって欲しい。 面白さは保証します。
今のCG映画よりはるかに生々しい驚きがある傑作
エイリアンの一作目が今見ると着ぐるみ全開(実際に着ぐるみでの演技だったけど)なのに対して、こちらは今見てもリアルな恐ろしさがある。
ややグロテスクな描写があるので人を選ぶ作品かも知れないが、単なるパニックホラーでは終わらず、誰が敵か味方か分からない疑心暗鬼でスリリングな展開は古さを感じさせない。
ラストの黒人の吐く息が全く白く無い=既に化け物になってしまっている、という偶然の演出らしいが恐ろしい含みを残しての幕引きも素晴らしい。
続編のファーストコンタクトも悪い映画じゃないけど、CGを使えたのにこちらを超えられなかったのは本作の完成度の高さ故でしょう。カートラッセルってこんなにカッコ良かったのかとビックリする映画でした。
エイリアンを超えるエイリアンは出現するのか。
シガニー・ウィーバーのエイリアンには、何を持ってきても歯が立たないでしょう。
むしろ、1951年版の”遊星からの物体X”が観てみたい。
エイリアンと比べざるを得ない。
再見。
エイリアンと比べざるを得ず、大いに劣る。
ただ気持ち悪い物体の造形の魅力不足、キャラの深みの無さ、群像の無駄、何処か間の抜けた空間の凡庸ゆえ。
名作とは言い難い。
もう見ないかな。
おぞましい
最初に見た時は、エイリアンのおぞましさにびっくりしたのを覚えている。
こんな発想がどこから来たのか、強烈だった。
人の体から普通では考えられない変貌を見せてくれていて、この映画が1980年代に出ていることにも驚いた。
エイリアンが入り込んでくる冒頭も自然でいい。犬になっているエイリアンが保護されてしまい、そこから基地の侵食が始まっていく。
ヘリで必死に犬を追いかけていた隊員の様子にも後から納得の行く描写で気持ちいい。
擬態乗っ取りを解明する流れも面白い。解析した人はそりゃ全員信じられなくなるよね。
誰かがエイリアンのはずなんだけど、それが誰だか分からない。全く同じ見た目と違和感のない行動が出来るから。ひょっとしたら、乗っ取られた本人もわからないのかもしれない。
それくらい、出てくるモンスターの造形はしっかり描写されているんだけど、そいつが何を考えているのかとか正体に迫らせない。
重要なのは、地球に来た(墜落した?)物体Xが、生き物を食って成り代わる能力があるということ。
南極基地という閉鎖空間に閉じ込められた調査隊たちが、エイリアンに入れ替わった人間は誰なのか疑心暗鬼にかられていく展開は緊張感があっていい。
スワンプマンの前身なのかな。
終盤のでっかくなった物体Xは流石に特撮の怪獣感が強くて中盤のエイリアンの描写の気持ち悪さには及ばなかった。
ラストの燃えている基地と、生き残った二人を残して暗くなっていくのも後味がいい。
二人は凍死したのか、生き残ったのかも知れない。もしかしたらどちらかが乗っ取られているかもという取り方だってできる。
ほんと良い作品。
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