「おぞましい」遊星からの物体X tokyotonbiさんの映画レビュー(感想・評価)
おぞましい
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最初に見た時は、エイリアンのおぞましさにびっくりしたのを覚えている。
こんな発想がどこから来たのか、強烈だった。
人の体から普通では考えられない変貌を見せてくれていて、この映画が1980年代に出ていることにも驚いた。
エイリアンが入り込んでくる冒頭も自然でいい。犬になっているエイリアンが保護されてしまい、そこから基地の侵食が始まっていく。
ヘリで必死に犬を追いかけていた隊員の様子にも後から納得の行く描写で気持ちいい。
擬態乗っ取りを解明する流れも面白い。解析した人はそりゃ全員信じられなくなるよね。
誰かがエイリアンのはずなんだけど、それが誰だか分からない。全く同じ見た目と違和感のない行動が出来るから。ひょっとしたら、乗っ取られた本人もわからないのかもしれない。
それくらい、出てくるモンスターの造形はしっかり描写されているんだけど、そいつが何を考えているのかとか正体に迫らせない。
重要なのは、地球に来た(墜落した?)物体Xが、生き物を食って成り代わる能力があるということ。
南極基地という閉鎖空間に閉じ込められた調査隊たちが、エイリアンに入れ替わった人間は誰なのか疑心暗鬼にかられていく展開は緊張感があっていい。
スワンプマンの前身なのかな。
終盤のでっかくなった物体Xは流石に特撮の怪獣感が強くて中盤のエイリアンの描写の気持ち悪さには及ばなかった。
ラストの燃えている基地と、生き残った二人を残して暗くなっていくのも後味がいい。
二人は凍死したのか、生き残ったのかも知れない。もしかしたらどちらかが乗っ取られているかもという取り方だってできる。
ほんと良い作品。
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