「「夢」と「現実」の物語」ヤンヤン 夏の想い出 ヒカリさんの映画レビュー(感想・評価)
「夢」と「現実」の物語
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ヤンヤンの父と姉が主人公であり、ヤンヤンはそこに立ち会う観察者という構造の物語。真実を切り取る「写真」を介して、登場人物たちに「現実」を見せる役割を担っているのかな。
・NJ(父)→昔の恋人や価値ある仕事という「夢」、倒産寸前の会社と家庭崩壊間際のプライベートという「現実」
・ティンティン(姉)→美しい恋という「夢」、嫉妬や性欲や支配欲に溺れる生の恋愛という「現実」
・ヤンヤン→終始観察者の立場だが、同級生に対する恋心を抱いていること、父のNJが「あいつは俺にそっくり」と言っていることから、やはり単純に無垢な存在というわけでもない。「自分の後ろ姿は見られないから、写真に撮ってあげる(意訳)」とのことだが、カメラを覗く自分自身もまた、自ら認識することはできないわけで。超然とした観察者というよりは、自分も観察される対象であることに無自覚な子どもといった印象を抱いた。
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