桃太郎 海の神兵のレビュー・感想・評価
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後悔したくない方。だから、0点。レビューに反映されなくても良し。
この映画公開の三ヶ月後、東京大空襲がある。また、2ヶ月前に神風特別攻撃隊が編成される。
我が親父はこの一年くらい前に、海軍に志願するも不合格になり、やけを起こして、国鉄に就職したそうである。
兎も角、海軍に邪険にされた親父は、心の奥底で『こんな国負けてしまえ』と思っていたそうである。そして『絶対にこの戦争負ける』と密かに信じていたそうだ。息子の僕から見て、そんな賢明な奴ではなかったが。僕はそう聞いた。この映画も彼の推薦などあろうはずもなく、寧ろあえて、見せてもらえなかった。その代わり、ディズニーのプロバガンダ映画はよくよく見せられ『ゴンバット』が子守唄になった。但し『アメリカは正義の味方じゃない。ドイツの努力に日本が力添え出来なかったから、負けた』って訳分からない事を宣っていた。
手塚治虫先生がこの映画見て、感動したそうだが、この映画が『東映動画』飛んで飛んで『ジブリ』に通ずる日本アニメの元祖ではない。日本人としては残念だろうが、日本アニメの元祖はディズニーであり、戦後に、手塚治虫先生がその技術をいち早く吸収したからである。
僕は『虫プロ』の『ある街角の物語』が元祖日本アニメだと確信している。少なくとも、このアニメに『ある街角の物語』の雰囲気は一切無い。但し『東映動画』の初期のキャラクターにこの映画のキャラクターが使われていたり、『狼少年ケン』と似ているので、そう言った印象があるのは分かる。
南方の戦線で、米英相手に落下傘部隊が活躍した歴史は『勝っても負けても』あったのだろうか?ニューギニアからケインズ(?)オーストラリアに空爆した歴史があるにはあって『オーストラリア人って日本人を嫌っている』って親父が言っていた。晩年、一人でオーストラリアへ旅行に行って、現地のアボリジニに聞いた様な事言っていた。但し、親父は英語は喋れないので、アボリジニに聞いたと言うはウソと確信する。
要は
『田河水泡先生』の『のらくろ』がアニメになったって事だ。同じ様に、アメリカの古いキャラクターのポパイが登場する。
また、落下傘部隊が上陸した地域はインドネシアだろうと思う。確か、オランダ領だったと思うが。この頃から、白人を見ると英語を喋ると思っている。空気を読めない脱亜入欧の大日本帝国って事だ。
『訓練と努力をすれば勝てる!』精神論しかない。つまり、『戦略がない』って事だ。また、『戦略が大事』となると、こんどは『戦略』だけ。分析がおごそかになる。また、分析しても、平均的に分析するだけで、決定的な判断は人任せ。つまり、そもそもの判断力が日本人には欠けていると言う事だ。だから、同調圧力に弱い。自分の考えが持てないって事だ。
追記 桃太郎と言えば、キジ、さる、いぬだが、このアニメに登場するのはキジとサルたけ、犬が登場しない。日本の技術でまだ、犬が描けなかった事もあろうかと思う。だから、ここに登場する動物もリアルな動きをしていない。全て擬人化している。そして、もう一つの犬が登場しない理由は。ディズニーのキャラクターにグフィーがいたからなのではと考える。そう言えば、アヒルもネズミも出ていない。馬、犬、猫、見たいな大衆的動物を抜きにして(動きを描くのがむずいから)『猿』と『うさぎ』をメインに擬人化させて描いている。だから、目一杯ディズニーのキャラクターを参考にしていると思う。でも、国策として、ネズミやアヒルや犬は使えなかったって事だ。
ダンボは出ているが、空は飛ばない。何故そら飛ばないか?飛んだら、飛行機が要らなくなる…
スカスカのプロパガンダかつ重要なメルクマール
清々しいくらい愚直な国策映画なので脚本云々に関して言うべきことは特にない。ただ、日本アニメーション史というものを総観した際に大きな存在感を示していることだけは確かだと思う。
本作ではディズニーアニメのようにデフォルメされた動物たちの織り成す外連味溢れるファンタジー活劇の最中に時折リアリスティックな陰影表現や精緻なミリタリー描写が挿入されるのだが、両者は水と油のように相反しており、作品全体としてみるとひどくアンバランスな出来栄えとなっている。
ただ、ここには当時のアニメーション表現を完全に席巻していたディズニーアニメからの逸脱の兆しが読み取れる。飛行機の中で落ち着かなそうに何度も腕をまくるクマの兵士や美しく空を舞う落下傘の群れといった描写のリアリズム的テクスチャは、その後の日本アニメに最も共通してみられる特徴の一つだろう。
50年代に『白蛇伝』でディズニーの内面化作業を完全に終えた日本アニメは、やがて『機動戦士ガンダム』シリーズや『AKIRA』や『Ghost in the Shell』、あるいは『火垂るの墓』や『この世界の片隅に』といった現実の重力を湛えた数多の名作を生み出していく。言わずもがなその源流の一つが本作なのである。
ただまあやっぱり日本アニメ史のメルクマール的作品がかくも内容の薄いプロパガンダ映画だという事実には辟易せざるを得ない。国策映画だから仕方ないという諦観もあるのだが、木下惠介の『陸軍』のような面従腹背の二重性を備えた巧みな作品も存在していたことを考えるとやはり悔しい。
トラウマシーンの無いキャット・シット・ワン
なめらかで表情ゆたかヌルヌル動くめちゃくちゃ動く。レトロな動物たちの可愛らしさといったら!戦意高揚はどうなんだってのはおいといて、変に間延びするシーンもなくて飽きる事なく見ていられる。
ディズニーのファンタジアに影響受けているとwikiにありました。表現はファンシーですが当時の兵隊の日常生活や基地のイメージなんかも汲み取れてそれも面白かった。同時代の作品だからこその空気感やリアルがあるというか…下手な夏の戦争ドラマより戦時中を感じる。見てるこっちは太平洋戦争の結果を知ってるだけに中々胸がザワつきます。
手塚治虫が影響を受けているっていうのを序盤の基地設営シーンで感じました、ジャングル大帝の動物達のミュージカルシーンは多分ここからきてる。これは見たらやりたくならない訳ないなとつい思ってしまいました。その後ライオンキングに繋がってると思うとそれもまた感慨深い。
落下傘部隊のシーンの美しさは必見。
綺麗だけどその後の着陸先が実際は死地だったと思うと何とも悲しくなるし、ここだけ一瞬キャットシットワン入ります。あと相手の鬼が普通に欧米感あふれててヤベェな。
必見。
本作が製作された背景を見れば、日本が歩んだ歴史そのものが見えてくる。
映画ののどかな風景とは違い、現実として本土の平和が失われてしまったことが何とも悲しい。
戦意高揚映画でありながら、ディズニーへの深い愛敬が込められていた。
手塚治虫も落涙したという本作。
この機会にぜひ劇場に足を運んでみては如何だろうか。
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