「そなたは美しい。4Kだとさらに」もののけ姫 てんぞーさんの映画レビュー(感想・評価)
そなたは美しい。4Kだとさらに
4K版を劇場鑑賞。
ジブリ作品ではこれが一番好き。何回見ても面白いこの作品が初の4K化となれば、もう見らずにはいられない。
肝心の映像面は、アシタカが祟り神を射って旅に出るオープニングパートからもう映像の美麗さが際立っている。
木々の折り重なり、影の明暗、おぞましい祟り神。旅立ったアシタカが通り抜ける雄大な自然は奥行きがどこまでも続いているように見えるし、前途を表すような曇天は重みと広がりが際立っている。
自然の美しさが特筆される作品ではあるが、スカッと通り抜けるような青空は意外と少ない。旅立ちは曇り空だし、終盤に入ると戦火の煙が空を覆ってくる。全てを乗り越えたエンディングパートで、ようやく清々しい青空が見られる。
せっかくの4Kだからと画質のアップグレードに目を凝らしていると、光と影の使い方でこんなにも鮮やかにアシタカの揺れ動く心情を訴えていたのかと改めて気付かされた。
特に、エボシとの問答の後でションボリ歩くアシタカを、たたら場の灯が照らす場面は言葉に詰まる。
たたら場は映像面もさることながら、IMAX劇場の音響だと音の精彩も格段に良くなっている気がする。静かなエボシの庭では、こちらも息をひそめるほどの静寂を感じるし、賑やかな飯場ではどの方向から笑い声や話し声が響くのかが事細かに聞き取れる。
音響面では山犬の巣で問答を繰り広げるアシタカとモロのシーンが際立って素晴らしい。
元からパワーのある名場面だが、モロの声をあてる美輪明宏御大の声の強弱、感情の発散が全身に響いてくる。
洞窟の中だとアシタカの声が反響している事もハッキリ聞き取れる。あとサンがアシタカの頭巾や上着を繕ってくれた跡も4Kの画質でこれ以上なくハッキリ見える。サン可愛い。
個人的な気付きは、たたら場に戻ったアシタカを見て、おトキさんの隣に居た女性が一瞬、表情を明るくした所。
このシーンで、この女性が石火矢でアシタカをショットしたあの人だと気付いた。4Kというより大画面だったから気付いた事だが、アシタカが生きていて心から喜んでいるのが表情から見て取れてこちらも嬉しい。駿はこういう所をあまり説明してくれないから、何回見ても新しい発見がある。
総合的にとても素晴らしい映画体験だった。
この現代で、もののけ姫の初鑑賞が劇場で4Kバージョンという贅沢すぎる観客がいるのだと思うと嫉妬すら覚える。
何にせよ、まだまだ4K化が待望されているジブリ作品は多いので、これに続いて他の作品もぜひ4K化してほしい。あと4KUHDブルーレイも売ってほしい。
