劇場公開日 2025年10月24日

「子供が見てこそ真価を発揮する作品」もののけ姫 tomさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 子供が見てこそ真価を発揮する作品

2025年11月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

子供のときに劇場で見たときは面白く感じたけど、今見るとあれ?こんなんだったっけ?と物足りなさを感じた。
首をシシ神に返したら周りの人間も改心して即ハッピーエンド、みたいな結末にモヤモヤ。
最後の15分間は突貫作業で結末を変更しただけあって、やっつけ的な印象は拭えない。

「共に生きよう」っていうセリフも実際に住宅街で人が熊に殺されてる現代においては、映画的な聞き心地の良い言葉でしかなく陳腐で薄っぺらく感じてしまう。
言われなくたって人間も動物も植物もみんな死から逃れようと必死で生きてるじゃん。
共に生きるか否かではなく、その先のどう生きていくかを描いてほしいのよ。
高畑勲の『平成狸合戦ぽんぽこ』はそこをちゃんと描いてたよ。
そもそも時代設定が昔すぎて山だらけの中では文明社会と自然の対比が小さく感じてしまう。
ぽんぽこの狸たちのほうがより切迫してて説得力があった。

あと、セル画時代のアニメを4K・IMAXで映すと明るくはっきりしすぎてしまい絵がよりフラットに見えてしまうのも残念だった。

宮崎駿がこの作品は10歳ぐらいの子供がいちばん内容を理解できて楽しめると言ったらしいけどそれは間違いないと思う。
ジブリ作品は子供のときに見るのがベスト。
大人になると曇りなき眼で見れなくなる。

tom