めまい(1958)のレビュー・感想・評価
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残念、二つの点から名作なり損ね
NHKのBS放送を録画して
十数年ぶりに再鑑賞。
この映画は「サイコ」や「裏窓」等と並んで
評価の高いヒッチコックの作品だが、
次の2点からどうしても名作に挙げられない。
一点目は、これはヒッチコックが
スタッフの反対を押し切って採用したとして
有名な話だが、中盤過ぎにカラクリを
明かしてしまった件だ。
もし謎が最後まで維持され、
ラストの二人が階段を駆け上がるシーンが、
現在と事件当日双方を
細かくカットバックして描かれていたら、
中盤の種明かしパターンの本作以上に
大変な驚きとサスペンスフルな盛り上がりで
どんなに高い評価になっていたかと思うと
残念で仕方が無い。
この点について私はサスペンスの巨匠が
男女の心理表現にこだわりすぎた“勇み足”
と考えている。
二点目は、ホテルのシーンだ。
真相が分かっていない段階では、
入っていったはずの妻を
女支配人が見ていないとの話に、
これはどんなカラクリなのかと不思議だった
場面だが、真相が判明されてからは、
なるほど本当の妻は
ホテルに入って来ていない訳だから
女支配人が「奥様は来ていない」と証言
したと思われる。
そして偽妻は非常口かどこかから
ホテルの外に出て車に乗り去った
と監督は言いたいのだろう。
しかし待って欲しい。
偽妻の容姿は本妻にかなり似ていたはずだ。
しかも女支配人が証言したのは
彼女がホテルに入った直後。
女支配人の口から
「そう言えば奥様に似た方が先程入られ
ましたね」との証言が出るのが自然だろう。
このような脚本の不徹底さは世界興行レベルの作品では許されない。
あえて言えば、このホテルエピソードは
カットすべきシーンだ。
あるいはこの女支配人も夫の手の者
と言うのだろうか。
以上の2点から、「めまい」は惜しい、残念
なヒッチコック作品と言わざるを得ない。
これらの点について、
どなたに御意見をいただけましたら。
金と愛
完全犯罪を計画したのは「金」。
完全犯罪の計画を狂わせたのは「愛」。
いつの時代にも「金」と「愛」が様々な悲劇の物語を生みますね。
しかしこの主人公、転落の災に取り憑かれています。
克服?
まず、屋根から落ちる、海から落ちる、教会から落ちる、どれもめまいのようにくらっとするシーンが多いと思いました。
愛する人の死へのトラウマの克服と高所恐怖症の克服
冒頭で少しずつ高いところに行きながら上と下をみればいつか高所恐怖症は克服できるはずだとスコティは言っていた。これがのちのシーンで使われる仕掛けがすごいと思った。
マデリンを追いかけるシーンでも上と下を見ながら階段を駆け登ったが高所恐怖症に負ける。マデリンを失う。マデリンの死へのトラウマ克服と高所恐怖症の克服をするべく再びジュディとあの現場に行き同じように上と下を見ながら階段を駆け上る。高所恐怖症を克服し、あの時のトリックが解けた。結局ジュディは転落してしまい、本当に愛していた人を失った。スコティはまた高所恐怖症のトラウマに陥るのか…
【ヒッチコックを観ずして映画は語れない】3️⃣恐らくヒッチコックの(変態映画の方の)最高傑作。ところで、レディ・ガガの『バッド・ロマンス』の歌詞の中に“vertigo”って出てくるの知ってます?
①ヒッチコックは変態です。私も変態です。ですからこの映画が大好きです。嫌がるジュディを無理やりマデリンに仕立てていく時のジェームズ・スチュワートの目はほとんど変態です。ヒッチコックはここでも映画=フェチズムであることを教えてくれています。
変態の映画ではないと思う。一見そう見えるけどね。
有名な映画なので、前々からなんとなく話のあらすじは知っていたけど、それでもラスト30分ぐらいの印象が強く残った。そういう話だったのか。
一見、「男は昔別れた女のことをいつまでも忘れられずに憶えている」という話に見える。しかし、主人公の異常なまでのこの執着は、それを超えた、人間の根源的な「何か」のような気がする。
冒頭のシーンとか観直せばヒントがあるのかな?再見する気はあまりないが・・・(2時間って、長いんだよ!この映画)
僕が思うにこの映画は、クリエイターの芸術性・作家性の根源となる人間の想像力の比喩なのだと思った。想像から執着が生まれる。元々は想像でしかなかったものが、現実を蝕んでいく。想像から愛が生まれる。愛とは何か?もしかしたら、とてつもなく虚しいものなのではないか?そして鬱々とした日常が始まる。
頭がクラクラする感じが上手く描けている映画なので、観て体感すると良いと思います。観てる間クラクラした。(だっておかしいだろ!あんなじじいを好きになるか?普通。以下省略・・・)
前半はミステリーホラーのような感覚、単調で少し長く感じるがキムノヴ...
前半はミステリーホラーのような感覚、単調で少し長く感じるがキムノヴァクの妖艶さに魅了され彼女を覗き見ているドキドキ感を体感出来る。
後半、展開がガラッと変わっていく場面ではさすがサスペンスの神様。おもしろっと思わず呟いてしまった。ラストはフェティシズム全開で男の狂気が描かれる。目の前にいるはずなのに…
前半と後半で同じ景色が違う意味を持つカットもしっかり入っており、サスペンスの教科書のようだなと感嘆。
カメラワークや照明、美術など演出も今と違う感じが面白かった。なにより音楽の使い方がすこぶる上手いと感じた。
ノヴァクの「妖艶」
よく練られた プロットである
依頼人の妻マデリンを 追跡しながら 恋に落ちてゆく男スコッティ (わかるよ!)
観客も 謎と美貌に目を奪われながら、彼と一緒に追いかけてゆく…
暖炉のシーンでの マデリン(ノヴァク)は 美しく、男が完オチするのが 判る
後半での マデリン(ジュディ)再来の場面を 映画的快感(幸福)に挙げる人も多いが、私はこのシーンが好き
髪を直している処など、同性の目から見ても うっとりである
カメラワークについては、余りに有名だが
色彩計画も よく考えられている
スコッティと友人の部屋、花束、車、ネオンの部屋に射し込む光の色、街の景色、そして
グレーを基調とした衣装…
私はグレーの美しさ、を教えられたが 特に衣服においては 人を選ぶ難しい色である
ノヴァクに この色を強要し(ノヴァクは嫌い)、サンフランシスコ湾に落とし(泳げない)、色々あったようだが 映像的には 成功している
ヒッチコックは 女優の好みが決まっていて、それが時代の流れから 取り残されてゆく一因でもある
この映画は「好みではない女優」を使って成功した、 不思議な味わいの、傑作かもしれない
但し 監督は失敗、と言っているが…
ノヴァクの あまりの妖艶さ、が 気に入らない?
最後の 嘘がばれる原因となる、黒のスクエアカットのドレスは ノバクの美貌と野性的魅力を際立たせる
なんか、パワー全開である
波風たてて、生きてゆきそうな気がする
運命に翻弄されるというより、中心人物
やっぱり逆だろう、彼女の為に 男が罪を犯すのだ!
(最初の女優さんの設定が、やはり正解なのね)
また、その官能的魅力で 映画全体を サスペンスから 恋愛の方に傾けちゃった
金髪とブルネット、上品と下品 等、監督の考える女のイメージと評価が 全面的に見える作品である
(現在なら、一悶着あるだろうねぇ)
タイトルデザインは ソール・バスで スパイログラフを使ったパターンは シュールだが、今見ても美しい
(当時は 新しかった)
映画の世界の一歩手前
”The Master of Suspense”のヒッチコック先生の一番の傑作とも言われる作品を今日は取り上げましょう!
#めまい はヒッチコック作品の中でも最もストーリーが複雑かつ、サブストーリーのようなテーマもとても複雑で難解だと言われています。
それゆえ、この映画を見て言わなければならないことはたくさんあるのですが、今日はヒッチコックの一番の傑作ということで、ヒッチコックの代名詞、サスペンスについてさらに掘り下げて見たいと思います!
サスペンス作品にファンが多いのは、映画の中に入りやすく、時間も忘れてのめり込むことができるからです。サスペンス作品の特徴は、次に何が起こるかわからない状況で、視聴者が自然と次を予想し、そうやって予想することで、おのずと映画の中に入っていくことができることです。
それを、最大限に生かした作品が、#Vertigo です。
映画というのは、唐突に始まるものです。映画に限らず、どんな物語もそうですが、その物語の時代
、登場人物の性格、場所など、全くし視聴者は知らされない状態で映画がスタートするので、視聴者は、「映画のストーリーの一歩手前」にいる状態ですね。
そして、映画が始まり、最初の30分ぐらいまでに、その映画がどのようなストーリーを持っているのか、主要人物は誰なのか、どういう人物なのかというのがわかってくるんですね。ここで、視聴者は「映画のストーリーに追いつく」状態です。
そこから、問題が起きてクライマックスに進んでいくうちに、視聴者はキャラクターに感情移入することで、「映画の世界に入る」ことができます。
この3つの段階、特に最後の「映画の世界に入る」ということを視聴者にさせることができれば、その映画は成功と言えるでしょう!それが、難しいんですよね。
しかし、サスペンスはストーリーの特徴上、登場人物の主観でストーリーを描くことができるので、視聴者が主に主人公の目線で映画を見ることができます。それが、「映画の世界に入る」ことに繋がるんですね。それゆえ、サスペンスは映画のジャンルの中でも人気の理由です。
さてさて、前置きはそこまでにしといて、ヒッチコックはこのサスペンスをさらにもう一段階発展させたから、マスターと言われるのです。
ヒッチコックは、視聴者が「映画の世界に入った」あと、トリッキーなことをします。
それは、主人公さえも知らない情報を視聴者に提示する、ということです。今作を使って例をあげたいのですが、それはネタバレになってしまうので。。。。
とりあえず、主人公の知らない上を方を視聴者が知ることで、視聴者は「映画の世界よりも一歩先」にいることになります。そこからは、視聴者が筋書きを自分で書いていくことを可能にします。つまり、視聴者をさらに能動的に映画に向けさせるのです。
その前までのサスペンス要素にかなり自信がないとできない芸当。もし失敗すれば、クライマックス以降がだらだらとした泥沼劇にしか見えなくなります。
これをぜひ踏まえた上で、Vertigoを見て欲しい。ぜひもう一回!そしたら、見ているときに前のめりになること間違いなし!!!!
どこが失敗作なのか?
ヒッチコックはこの作品を失敗作と言っているがどこが失敗作なのか私が説明しよう。
驚くべきことに誰も気がついてないからだ。
この映画の中で大失敗している部分。それは捨てられる恋人役だ。冒頭のシーンに出てくる彼女。ぱっと見た瞬間に誰でも思うではないか?
「あ、グレースケリーに似せてある」って。
このコはグレースケリーへの未練をこのシーンで語り、それと同時に
「似せる」というテーマを暗示するためのキャラなのだ。それが見事にコケている。まったくもって蛇足。あのキャラはいらないって存在になってしまっている。そこがヒッチコックは気に入らなかったに違いない。
・・・映画の面白さについては他の人がいっぱい書いてくれるだろうから私は割愛。
上手く練られた脚本だな~
「めまい」字幕版 DVDで鑑賞。
*概要*
過去のある出来事によって、高所恐怖症になってしまい、そのことが原因で警察を辞めたジョンの前に、ある日、旧友のエルスターが現れる。エルスターは自分の妻マデリンの素行を調査してほしいと依頼。マデリンは曾祖母の亡霊にとり憑かれ、不審な行動を繰り返しているという。ジョンはマデリンの尾行を開始するが…。
*主演*
ジェームズ・スチュワート
*感想*
ヒッチコック作品巡り第五弾!オープニングが「007」みたいw 今回の主人公は「裏窓」に出演していたジェームズ・スチュワートで、高所恐怖症の元刑事を演じられてました。
旧友からの依頼で、妻を尾行することになるんですが、少し、だらだらしてて、眠たくなりました。(^^; ところが、中盤~終盤にかけて伏線を回収する所が良いですね。
ジョンが悪夢を見るシーンは独特だったし、最後、修道院の女性が冥福を祈りを込めて鐘を鳴らして、幕を閉じる所が良かった。
話のテンポは悪かったけど、伏線が張られており、クライマックスシーンで、ジョンが「問題の女性」を問い詰めるシーンはなかなか見応えがありました。
何度も眠たくなりましたが、上手く練られた脚本だったし、面白かったです。(^^)
純愛な狂愛
犯人追跡の最中に目の前で仲間の警察官が墜落死した様を目撃し、高所恐怖症となってしまった元刑事スコティ。
かつての友人エルスターから頼まれた彼の妻の素行調査をきっかけに狂い出す彼の純愛かつ狂愛と美しき妻、マデリンの謎に包まれた正体に迫るヒッチコックの傑作。
後世の映画作品に多大な影響を与えたという意見が多いらしく、特にカメラワークの評価が高い。らしい笑。
高所であることを強調するために画面に奥行きを持たせるドリーズーム?というカメラワークや被写体の周りをぐるぐる回してトリップ感を堪能できる撮影法などたぶん観てもらえばああこれかってなる撮影法がたくさん使われている。らしい笑。
カメラワークは長回しくらいしか手法を知らなかったから勉強になったなぁ笑。
同一人物が愛し合っているはずなのに愛する方も愛される方も気持ちの面で全然異なっている的な表現を映像のみで表現する手法は超お見事。
だんだんと狂わされていくスコティも狂わせるつもりだったのに狂わされているマデリンもどちらも悲しくて切なくて怖い存在だった。
おそるべし策士エルスター笑。顔覚えてないけど笑。
1958年とは思えないほど鮮明な映像。
傷んだフィルムを修復して現在の鮮明な映像にしたという映像特典もあってすごく勉強になる作品。
その映像に映ってたマーティンスコセッシが超若くてなおさら時代を感じた笑。
傑作。
記号学的不条理
刑事を辞めた男が、尾行調査を頼まれて、対象である依頼主の妻を愛してしまう。しかし、その妻は飛び降り自殺をしてしまう。
しかし後日、男は街でその妻によく似た女性を見つける。
自分がその手に触れ口づけを交わしたのが実は身代りの女で、本物の妻は家に軟禁の末、教会の鐘楼から落とされて殺された。
これは実体とイメージが別物であることに気付くこととなる男の悲劇である。
「変態」をジェンダーから...
唯一の足りなさは、ジュディの死で締めることから感じる。結構複雑な話をしていたのに対して、急なハプニングで終わるのは...
前半と後半で分けるなら、前半スコティがマンドリンを追うシーンが好きだった。謎めいた女を男性主人公の視点で追い、真相を追求するという心地よさ。また車から、ギャラリーからの覗き見も多く、心理的に快楽と優越感も生じるはず。このようなこともヒッチコックの多くの映画から見れるだろう。(【裏窓】が最も典型的だろう。
後半話は一変する。観客は客観的にスコティとジュディを見てスコティの狂いに恐怖を感じる。ここではもう男性のフェティッシュに注目する。その原因は、彼はマンドリンをずっと見ていたからだろう。ここでまた興味深いのは、ミッジはスコティは気になり、彼女の自画像を彼に見せる。ここでもまた女性は男性に見られることで存在する意味を求める。スコティの視線は事件解決の依頼のきっかけでマンドリンにあるからこそ、彼女のことが好きになることも示唆する。スコティは狂った変態みたい一方、また被害者でもあろう。これは心理学的な根拠もある。
ここでまたミッジの役を分析しよう。彼女は結構意味のない存在のように見えるがただスコティの情報の源。また深く考えると、観客は自分の想像も発揮すり余地があると思う。
例えば、彼女はギャラリーのその絵の作者だとか...実はマンドリンの話はどこまで嘘だったかも分からない。映画にもただ半分嘘ということを言った。もしミッジがその絵を描いたなら、スコティを愛する彼女は彼の視線を求めるため、また自分のも書いたこともできるだろう。もともとカーロットの情報も彼女が教えた本屋のオーナーからだし.....(考えすぎかもけど、こう思うとより一層面白さを感じる。
結構マイペースで進む映画だと人は言うが、結構充実していると感じる。
特に印象深かったのは、名シーンももちろん、マンドリンが川に飛び降りるところ、BGMで急にその動きと共に出てこっちも予想できた行動なのにそれ以上ビックして怖かった。まさにヒッチコックが使った音の力!!!
殺しの思い出は捨てるべきだった
久々の鑑賞。
前半はやはり死ぬほど眠い。この映画の面白いのはマデリンが死んでから。
スコティは終始自己中で未練タラタラすぎて気味悪いし、ミッジも控えめながらスコティへの執着心が気味悪い。
マデリン(ジュディ)はほんまに綺麗。殺人の共犯はともかく、スコティへの恋心は本物やったわけやから、最後かわいそう。
悪夢のシーンが最高にエキセントリックで美しい。マデリンが甦るシーン、スコセッシが絶賛していたけど確かに美しい。美しさの裏側に男の欲望が露骨に見えて最高に変態じみている。
それ以外のシーンも、サンフランシスコの風景と相まって全て美しい。レストランの真っ赤な壁や、真っ白な教会など、ヒッチコックは色の使い方も上手い。
マデリンのドレス、車、シスコの海、ホテルエンパイアのネオンなど、全体に施されたグリーンが、良い意味で目に毒。堪らない。
さすがに時代は感じるが、色褪せない名作。 裏窓と共に昔ヒッチコック...
さすがに時代は感じるが、色褪せない名作。
裏窓と共に昔ヒッチコックに嵌るキッカケとなった一本。
ホント、ブロンド女優を綺麗に撮りますね。
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