「二段構えの物語展開」めまい(1958) Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
二段構えの物語展開
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総合75点 ( ストーリー:75点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
最初の出来事として登場する妻の先祖と霊が憑りついた話はあまりに胡散臭いので、すぐに現実的に何か裏があるのだろうと思った。それなのに暫くしてもそういう犯罪をにおわす事情が出てこないばかりか胡散臭い話を逆に裏付けるようなことが続くので、むしろそんな話を持ち出してそれを実践しているのが誰かを考えるだけで、すぐに黒幕が誰であるのか・誰を騙そうとしているのかということまでは簡単にわかってしまった。細かい事情はわからなくても大まかな道筋は想像出来たので、この程度の話が映画の本筋だったらそんなにたいしたことはないなと最初は思った。
だがその後にもしっかりと話が続いてくれて、犯罪の内容がわかっていても整理がつかない気持ちを片づけるための主人公と、彼の気持ちを知ってついつい深入りしてしまう女の行動と、それがもたらす結末もしっかりと描いてくれていた。犯罪のからくりだけでなくそのような人の心の動きを押さえて、尚且つせつなく複雑な気持ちにさせる悲劇的浄化でしっかりと締めくくってくれていた。
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