「名作の系譜を辿るかのように」ミツバチのささやき 猿田猿太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
名作の系譜を辿るかのように
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本日、この映画を映画館で鑑賞したのですが、政治的な検閲が厳しい中、様々な思いを暗号のように潜ませて撮られたという説明が、上映の前後に語られました。それを知らなければ理解しにくいということで、成る程とは思いましたが、それほど、そのことを意識する程でも無かったと思います。
劇中、この映画のテーマである「フランケンシュタイン」の名シーンが上映されます。少女が恐ろしい様相をしたフランケンシュタインと花遊びをするシーンです。そのシーンからして自分にはもうすっかり名作確定です。実はそれまでよく知らなかったのですが、有名なシーンなのでしょう。あの押井守監督の「うる星やつら ビューティフルドリーマー」でもパロディとして演じられていましたね。古い名作「フランケンシュタイン」から継承された作品であるのだろうと思いました。
学校では人体を、命を学び、父親から生死を学び、少女はその映画を通して優しさを学ぶ。そして脱走兵?らしき相手と出会い、様々なものを施し、父親のコートや時計までも与えてしまう。父親は怒りを覚えたかもしれないけど、少女の幼くも純粋な優しさに感動。
上映前後の解説は不要と思ったけれど、具体的な説明がないシーンがあるということを知った上で見れたのはよかったと思う。同じ場所で食事しているはずが、一人ずつバラバラのカット割りで撮影され、家族バラバラの心情を表しているのでしょうか。そんなふうに考えながら鑑賞出来たことに、ひとつの面白さを感じました。
あと、少女アナの美しい瞳と、耳に輝くピアスが印象的でした。幼いながら、女性としての美しさが輝いていた。
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