劇場公開日 1978年10月21日

「短絡的で独善的な時代背景。」ミッドナイト・エクスプレス コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 短絡的で独善的な時代背景。

2025年11月1日
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鑑賞方法:VOD

笑える

単純

ドキドキ

あらすじ。1970年トルコで大麻の密輸で捕まり投獄されたアメリカ人ヘイズの獄中生活の話。
ジャンルは、脱獄モノで当時としての国際関係を印象付ける興味深い作品。

 印象的な台詞は『豚ばかりいる国で、豚を食べないんだ』当時の国際関係の悪化に伴い酷く描かれる中東色が酷くて時代を感じた。

 印象的な立場は、主人公ヘイズの短絡的で楽観的な犯罪に手を染める自業自得の物語が何処か共感できない所だ。何といっても史実とは全く違う成り行きで最初と最後だけが事実という事に驚きだ。脚色が観客の緊張感と異国情緒を味わせたい意図がよく表現されていて暑さまで伝わって来そうだった。
 印象的な場面は、冒頭で体に大麻を巻き付ける時の心臓の鼓動音が緊張感を煽る場面。どこかタクシードライバーの様な雰囲気からの始まりが最後のシーンと繋がるという基本に忠実な作り。最初の刑務所所長の足叩き拷問の最後に股を開く伏線が分かりやすかった。
全て伏線の円環構造の映像の基本に忠実に観客をドキドキさせてくれる暑さと匂い立つ様な感覚が味わえる映画だ。でもありえない様な脚本が少し残念だったりもする。

コバヤシマル
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