みじかくも美しく燃えのレビュー・感想・評価
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鳴り響く二つの銃声
貴族の逃亡兵とサーカス団員である女性との、逃亡劇を描いたロマンス作品。 実際にあった事件をモデルにしてるようです。 牧歌的な田舎風景と主演の二人がとても美しい。 この逃避行の終わりがそう遠くない事を、きっと二人最初からわかっていたのでしょう。 先の事を考えていないので、何処か優雅で二人の心持ちもピクニックのよう。ブランチにはワインにチーズです。 友人や懇意にしてくれる街の人の助けもあって、何とか捕まらずに旅を続けますがそんな生活は続かず。 ついにはお金も無くなり食べるものにも困ってしまう。 そうして訪れた旅の終わり、鳴り響く二つの銃声は何とも物悲しくもありました。
美しい二人がすること
モーツァルトの美しい曲と共に
50年以上前の作品とは思えない
美しい景色の映像と古さを感じさせない
愛らしい美女と爽やかな好青年。
そんな美しい二人が、
地面に生えるキノコや木の枝の実を
むさぼるように取って口に入れる。
吐きもするが、また取って口にする。
この対比だろうか。
妻子が居ながら、別の女性と逃避行。
何度も出て来るガマクチと僅かな硬貨。
この青年は、二人の行く末をどう思っていたのか。
女性は得意の綱渡りでお金を稼ごうとするが、
セクハラまがいの雇い主と恋人が争い、金を受け取れず、ジリ貧のまま。
元の場所に戻ると、二人の仲は引き裂かれ、
脱走兵の青年は逮捕され刑務所送りとなる。
本当に美しく燃えたのだろうか。
二人お互いに好きではあったろうが、
青年の独りよがりな考えに
生活経験の少ない女性が追随してしまった
結果ではなかろうか、と考えて
命を長らえる手段を導いて欲しかった、
と願う自分がいる。
醜くとも長く生きたいね。
音楽だけの映画。モーツァルトピアノ協奏曲第21番 第2楽章だけの映画で、この映画の影響で、モーツァルトを軟弱な作曲家として、誤解をしていた。モーツァルトを使って、不倫の心中なんてもってのほか。また、
調べると軍人と綱渡りの芸人の不倫(?)の話しで、事実に基づくフィクションのようで、軍人も下士官止まりで、中尉なんかではない。だから、反戦運動を盛り上げる為に忖度して作った部分が多いと想う。僕の時代にはどストライクな流行り映画だったが、オクテな僕には恋愛は『メロディー』止まりだった。
『フリーセックス』と『ベトナム反戦運動︼の高まりで、戦争の犠牲者見たく描いているが、スウェーデンやデンマークは中立を掲げながら、ナチス・ドイツを排除出来なかった歴史は残ってしまっている。だから、今でも、スウェーデンはフィンランドがNATOに加盟したのに、簡単にはそれを受け入れる事ができない歴史がある。
まぁ、そんな硬いこと言わずもがなたかが。ここでえがかれている事は、タブロイド紙のゴシップ級の寓話である。
『何年かすれば、二人を分かってくれる時が来る』と、このイケメン自己中青年はのたまうが、未だにそんな時は来ていない。
『美しい』と言った価値観を『ドイツとデンマークの混血』を理由にしている様に日本では見た者も多いと思う。僕もその一人だったが、この頃から白人少女の美しさを別の形で見られる様になった。つまり、トレーシー・ハイドやオリビア・ハッセーの出現である。どちらも金髪ではないし、アーリア系ではない(そんなのがあればの話だが)。でも、トレーシー・ハイドもオリビア・ハッセーもアングロ・サクソンそのものではない美しさがあると思うが。だから、ジャーマン系の血筋を『美しい』とする価値観に抵抗感を覚える。煮えきらない軽薄なモラトリアム青年と軽薄な少女の出合いの話になってしまっている。二人の結末に何も得るものは無い。
見た事があったようだが、僕にはトラウマの様な映画だったようだ。
似たような話に『ベニスに死す』があるが、それとこれとは全く違う。なぜなら、語るまでもない。
サーカス芸人は本当にドイツとデンマークの混血だったのだろうか?さて。
あまりにも無責任な恋
ピアデゲルマルク扮する綱渡り芸人エルヴィラマディガンは、森でトミーベルグレン扮する脱走兵シクステンスパーレ中尉との逢瀬を楽しんでいた。 ピアデゲルマルクは、綱渡り芸人と言うよりはどこかの清楚で可愛らしいご令嬢みたいないでたちだったね。ピクニック気分でふたりでたわむれていれば幸せだろうね。それに彼女は本当に綱渡りをやるんだからびっくりさ。しかしどこにでも眼はあるようだ。 妻子を捨て望んだ恋も金や食べ物の限界で先の見えない恋となり旅立つなんてことは男性としてあまりにも無責任な恋と言わざるを得ないだろうね。
エルヴィラ と ピア・デゲルマルク
19世紀のスウェーデンの 有名な心中事件の映画化 綱渡り芸人と シクステン・スパーレ伯爵の、恋の道行きと その顛末を 美しい映像と音楽で 見せる 特に ピアノ協奏曲第21番ハ長調(モーツァルト)が 効果的 至上の喜びと 天上の音楽の組み合わせである 原題は Elvira Madigan 知性も良識も 兼ね備えていたであろう、シクステンに何もかも 捨てさせた 彼女の存在を、やはりどうしても考えてしまう… 木に 洗濯紐を渡して、綱渡りをして遊ぶ エルヴィラ(ピア・デゲルマルク) これをとらえるカメラは シクステンの目線であり、スウェーデン国民(と観客)は 彼がエルヴィラに見たものを 考えるのである そして 恋についても… この役で 永遠に名を残すことになった、 デゲルマルクが 本当に美しい 美しいまま迎えるラストは 衝撃的である 感傷的と受け止められもするが、 満ちた月が 欠けていくような二人の成り行きをも、 詩情豊かな映像で描いている
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