みじかくも美しく燃えのレビュー・感想・評価
全4件を表示
鳴り響く二つの銃声
貴族の逃亡兵とサーカス団員である女性との、逃亡劇を描いたロマンス作品。
実際にあった事件をモデルにしてるようです。
牧歌的な田舎風景と主演の二人がとても美しい。
この逃避行の終わりがそう遠くない事を、きっと二人最初からわかっていたのでしょう。
先の事を考えていないので、何処か優雅で二人の心持ちもピクニックのよう。ブランチにはワインにチーズです。
友人や懇意にしてくれる街の人の助けもあって、何とか捕まらずに旅を続けますがそんな生活は続かず。
ついにはお金も無くなり食べるものにも困ってしまう。
そうして訪れた旅の終わり、鳴り響く二つの銃声は何とも物悲しくもありました。
美しい二人がすること
モーツァルトの美しい曲と共に
50年以上前の作品とは思えない
美しい景色の映像と古さを感じさせない
愛らしい美女と爽やかな好青年。
そんな美しい二人が、
地面に生えるキノコや木の枝の実を
むさぼるように取って口に入れる。
吐きもするが、また取って口にする。
この対比だろうか。
妻子が居ながら、別の女性と逃避行。
何度も出て来るガマクチと僅かな硬貨。
この青年は、二人の行く末をどう思っていたのか。
女性は得意の綱渡りでお金を稼ごうとするが、
セクハラまがいの雇い主と恋人が争い、金を受け取れず、ジリ貧のまま。
元の場所に戻ると、二人の仲は引き裂かれ、
脱走兵の青年は逮捕され刑務所送りとなる。
本当に美しく燃えたのだろうか。
二人お互いに好きではあったろうが、
青年の独りよがりな考えに
生活経験の少ない女性が追随してしまった
結果ではなかろうか、と考えて
命を長らえる手段を導いて欲しかった、
と願う自分がいる。
あまりにも無責任な恋
エルヴィラ と ピア・デゲルマルク
19世紀のスウェーデンの 有名な心中事件の映画化
綱渡り芸人と シクステン・スパーレ伯爵の、恋の道行きと その顛末を 美しい映像と音楽で 見せる
特に ピアノ協奏曲第21番ハ長調(モーツァルト)が
効果的
至上の喜びと 天上の音楽の組み合わせである
原題は Elvira Madigan
知性も良識も 兼ね備えていたであろう、シクステンに何もかも 捨てさせた 彼女の存在を、やはりどうしても考えてしまう…
木に 洗濯紐を渡して、綱渡りをして遊ぶ
エルヴィラ(ピア・デゲルマルク)
これをとらえるカメラは シクステンの目線であり、スウェーデン国民(と観客)は 彼がエルヴィラに見たものを 考えるのである
そして 恋についても…
この役で 永遠に名を残すことになった、
デゲルマルクが 本当に美しい
美しいまま迎えるラストは 衝撃的である
感傷的と受け止められもするが、
満ちた月が 欠けていくような二人の成り行きをも、
詩情豊かな映像で描いている
全4件を表示