マルタの鷹のレビュー・感想・評価
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ボガードさんのセリフは流暢なヤンキー英語。 喋り過ぎ。
ハードボイルドとは感情を加えずに、仕草や行動だけで言い表す表現だと思う。
だから、自ずとセリフが少なくなると思うが、この映画を見る限り、ボガードさんのセリフは流暢なヤンキー英語。
喋り過ぎ。
例えば、愛を告白する時に
『貴女は今まで見た女性の中で、一番輝いて、女神の様に見える。さぁ~瞳に乾杯!』と言ってボガードはタバコをもみ消した。
と一般でには表現すだろうが、ハードボイルドでは、
『君の瞳に乾杯!』と言ってボガードはCAME○をもみ消した。
となると思う。映画ではセリフも要らない。それはともかく、突然怒ったり、平手で女性を殴ったり、いきなり接吻したり、電話かけまくったり、簡単に酒を飲んで騙されたり、所構わず葉巻を吸いまくる姿が、何故格好良いのが分からない。古臭くて悪い男性像の呪縛から逃れられない概念じゃないか。と私は考える。
ハードボイルドの走りはアーネスト・ヘミングウェイだと思う。彼の短編集に出てくる『ニック物語』がハードボイルドの始まりたと私は思う。端的な短い文章でニックの感情の動きを表現している。勿論、ミステリーではないが。
さて
この類のミステリーは所謂ペーパーバッグのはしりで、気軽に読めるワクワクドキドキ話なのである。肩をこらずに気軽に読める話がハードボイルド。今で言うなら『ラノベ』。その映画なら、セリフを気にして、相関関係を探りながら見るような映画であってはならないと思うが。
【”この黒い鷹の像、重いな。””色んな夢が詰まっているのさ・・。”様々な嘘、騙しを織り交ぜつつハンフリー・ボガート演じる探偵は、美女の誘惑など歯牙にも掛けず相棒の仇を打つのである。激シブ作品である。】
■サンフランシスコの私立探偵、サム・スペード(ハンフリー・ボガード)はある日美女ブリジッド(メアリー・アスター)から「サースビーという男に尾行されているので助けて欲しい」という依頼を受ける。
スペードの相棒・アーチャーが依頼を肩代わりするが、その夜アーチャーとサースビーの死体が発見される。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・原作自体が名作であるが、言うまでもなくプロットが秀逸な作品である。
・サム・スペードは、相棒を殺した犯人として、警察の追求を受けるが飄々と受け流し、”マルタの鷹”の真相に近づいていく。
■ハードボイルド炸裂シーン
・相棒・アーチャーを殺した真犯人が”泣き落とし”で許しを請うも、冷徹な目で真犯人の顔を見て、”探偵は、相棒を殺されたら放っては置けない。””上手く行ったら無期懲役、20年も経てば出られるだろう。それまで、待っててやるよ。死刑になったら時折思いだしてやるよ。”と言い放つシーン。
ー サム・スペードは美女の甘言に惑わされる事無く、相棒を殺した相手を許さないのである。-
<いやあ、この作品、原作も面白いが、派手な銃撃戦などなくても、コンパクトにまとめた映画も面白い。
そして、相棒を殺された事に対し、キッチリと報復するハンフリー・ボガード演じるサム・スペードの数々の台詞が格好良いのである。>
鷹&都市
正直言うと、ハードボイルド御三家と言われる作家のうち、ロス・マクドナルドは大半読んでいるのに、ダシール・ハメットとレイモンド・チャンドラーは読んだことがないという偏った読書遍歴だ。
サム・スペードはサンフランシスコ、フィリップ・マーロウとリュウ・アーチャーはロサンゼルスの探偵で、(むろん作家たちが居を構えていたこともあるが)初期のハードボイルドがいずれも西海岸の都市が舞台になっているのは何かしら醸成する土地柄があったのだろう。ちなみにハンフリー・ボガートはスペードとマーロウの両方を演じているが、アーチャーはやっていない(こちらはポール・ニューマンの担当)。
失踪した人物を捜す依頼があり、捜査の過程で死体がごろごろ転がるという典型的なハードボイルドの展開をたどるが、とにかく室内シーンが多く、しゃべってばかりいる。主人公は簡単にホールドアップされたり薬で昏倒させられたりするが、相手の大甘の対応で切り抜ける。様々な関係者が都合よく訪問してきたり、電話をかけてくる。さらに言えば、肝心のマルタの鷹(本物)はついぞ登場しないという…。たぶんハードボイルドの雰囲気を味わうための作品で、細かい辻褄とかを気にしちゃいけないんでしょう。
ロス・マクドナルドはなぜ、この作品の冒頭でいきなり殺されるスペードの相棒の名前を自分のシリーズの探偵の名にしようと思ったんだろう?
サスペンスとしては面白いが
サスペンスとしては面白いが、結局ロマンスはなかったのは残念。せっかく美人女優が出ているのだから、最後は彼女を同情できるような設定にして欲しかった。できれば最終的には2人は愛し合っていて、彼女は罪をつぐなって服役して、彼は彼女が出所するのをいつまでも待っているような展開にして欲しかったな〜
ハンフリー・ボガード主演の米国ハードボイルド映画の古典
歌謡曲に登場する程に日本でも有名で人気があったらしいハンフリー・ボガード(1899生まれ)だが、彼の主演映画はカサブランカしか見てないことに思いあたり、出世作と聞く本映画を見てみた。
ジョン・ヒューストン監督・脚本(初監督作品)による1941年公開の米国映画。原作は推理小説でハード・ボイルドスタイルを確立した代表的米作家ダシール・ハメット。制作・配給はワーナー。ハンフリー・ボガード、メアリー・アスター(1941年他作品でアカデミー助演女優賞)、ピーター・ローレ、シドニー・グリーンストリートらが出演。
期待が高かったせいもあるが、この映画のボガードを凄く格好良いとは思えなかった。ただ映画自体には、既視感の様なものを感じた。まあ、こちらが本家で真似をした映画やドラマが数多く作られたということなのだろう。
しかし、謎大き美女メアリー・アスターに対するハンフリー・ボガードの、強烈なキスはするものの至って冷たい扱いには、イメージしていたものとかなり異なり驚かされた。日本のハードボイルドものは、もう少しヒロインに優しさがあった様なので、相棒の殺人者としてもここまで冷徹な対応は逆に新鮮。後、タフで沈着冷徹は当然も、早口で長くよく喋ることは意外。無口な日本のハードボイルド主人公とはかなり異なり、米国好みのユーモアと共に、弁が立つヒーロー像を反映して興味深かった。
悪役のピーター・ローレ及びシドニー・グリーンストリートの小大コンビの2人がとても良い味を出していた。メアリー・アスターは何処か愛嬌もあったが、ハードボイルド物としては、自分好みのもう少し冷たい美貌であったら、点数アップしたのだが。
「マルタの鷹」と言う置物をめぐる騒動の映画
あらすじ、及び、感想、等
1=「マルタの鷹」とは、16世紀に作られたスペイン皇帝への献上品の置物のこと
2=「マルタの鷹」を探している者の説明
①ブリジット=ワンダリーの偽名を使い、探偵事務所の依頼人となる
美術商から「マルタの鷹」を盗んだ泥棒、及び、マイルズの殺害者
②カイロ=最初は依頼人のフリをしたが、「マルタの鷹」を探す男
③ガットマン=「マルタの鷹」の価値を知る男で、所有希望者
17年間、探し続けてる
3=この事件で殺害された者
①マイルズ=サムの相棒だったが、ブリジットに殺害された
②サーズビー=ブリジットの相棒だったが、ガットマンの手下、ウィルマーに殺害された
③船長=ウィルマーに撃たれたが、「マルタの鷹」を持って逃げ、サムの事務所で死亡
4=今回の騒動の元となった「マルタの鷹」は、鉛製の偽物と判明
5=ブリジットが、泥棒でマイルズの殺人犯とは、以外だった
6=偽名や偽証があり、少しややこしいが、事件の全容が判明して良かった
7=サム(ハンフリー・ボガート)が帽子を被っている姿は、カッコ良かった
ハンフリー・ボガートの魅力に惚れ惚れ!
DVDで鑑賞(字幕)。
原作は未読です。
ストーリー自体は安定のハードボイルドでしたが、サム・スペードを演じるハンフリー・ボガートのカッコ良さが匂い立つようでした。それを観るだけでも価値があるなと思いました。
ハードボイルドを全身で体現している佇まいに惚れ惚れ…
ニヒルな表情と、自然と漂う色気に心底痺れました。
生まれ持った雰囲気なのかもしれませんが、いったいどんな経験を積めばあんなにカッコいい男になれるのだろう…
スーツの着こなしが素晴らし過ぎて、真似したくなるほど!
洗練されていて、まさにダンディズムの極致だなぁ、と…
体の構成要素がハードボイルドとダンディズム、それに溢れんばかりの気品だなんて、最上級の憧れ。あんな大人に私はなりたい。まぁ、どう転んでも無理な気がします(笑)。
※修正(2023/06/08)
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