劇場公開日 2007年1月20日

「ささやかな反抗、ひそやかな愉しみ」マリー・アントワネット 青樹礼門さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ささやかな反抗、ひそやかな愉しみ

2025年5月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

彼女は、結婚も人生も選択の自由はなく。
ただ、ファッションやグルメは選び放題。
このどこが羨ましいか、なんて思わない。
じぶんは真逆の立場であり、まあ、テイタラクだ。

キルスティンダンストは、チアーズ Bring it onを何回も観るくらい大好き、みんなスパイダーマンのあのヒロインどこがいいんだよ、文句言ってましたが
テメーら観る目がないぜよ、と、伝わらなかった。

いたいけな少女が、しだいに、凛々しく、頼もしい存在に、変節する過程を、ナチュラルにナチュラルに描いています。それをキルステは、見事に演じ切りました。

背景に流れる20世紀のポップロックは、ことばにできない、いや、表してはならない、反抗のエモーション。

決められた時間を、精いっぱいリア充した、ヒロインに、泣けました。

かっこいい、誰を責めることなく、じぶんのなかにしまいこみ、じぶんらしく生き抜いた。

ラストのセリフが、冒頭とちゃんと呼応して。

あー、マリーとの旅も、これでおしまいなんだ、と。

青樹礼門
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