「ささやかな反抗、ひそやかな愉しみ」マリー・アントワネット 青樹礼門さんの映画レビュー(感想・評価)
ささやかな反抗、ひそやかな愉しみ
彼女は、結婚も人生も選択の自由はなく。
ただ、ファッションやグルメは選び放題。
このどこが羨ましいか、なんて思わない。
じぶんは真逆の立場であり、まあ、テイタラクだ。
キルスティンダンストは、チアーズ Bring it onを何回も観るくらい大好き、みんなスパイダーマンのあのヒロインどこがいいんだよ、文句言ってましたが
テメーら観る目がないぜよ、と、伝わらなかった。
いたいけな少女が、しだいに、凛々しく、頼もしい存在に、変節する過程を、ナチュラルにナチュラルに描いています。それをキルステは、見事に演じ切りました。
背景に流れる20世紀のポップロックは、ことばにできない、いや、表してはならない、反抗のエモーション。
決められた時間を、精いっぱいリア充した、ヒロインに、泣けました。
かっこいい、誰を責めることなく、じぶんのなかにしまいこみ、じぶんらしく生き抜いた。
ラストのセリフが、冒頭とちゃんと呼応して。
あー、マリーとの旅も、これでおしまいなんだ、と。
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