魔女の宅急便(1989)のレビュー・感想・評価
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やる気スイッチの入れ方。
13歳という設定なんだけど、どうみても10歳位にしか見えない。
13歳の娘を「高い、高い」できる父って、あなた何者?という突っ込みはさておき…。
初めての街で、知らない人ばかりの中で緊張マックス。幸い、お節介焼きながら適度なヘルプを出してくるおソノさんに出会って生活が始まる。なんだかんだありつつも、老婦人、ちょっと年上の女子にヘルプされながら日々を暮らし…好奇心旺盛な男子にちょっかい出されて、同年代のコミュニティに入ろうとするがうまくいかず…本当の意味で街の住民に溶け込めるかと思っていたら…エンディングで描かれていたのは、同世代の女の子と仲良くしているキキの姿。ああ、コミュニティに受け入れられたのね。よかった、よかった。
なんて展開を観ていると、思春期と言うより、前思春期。ギャングエイジからチャムの世代。小4後半~中1前半位。他の人と同じになりたい、仲間として認められたい。でも個性にもこだわりたい、微妙なお年頃。本当の恋にはまだ早い。
転入生がそのコミュニティに馴染んでいく様子にも見えて…。なんにしろ、初めての場で生活を始めるって大変なことですね。
最近は、いじめとかも騒がれていて、そのコミュニティでの自分の立ち位置をみつけることが重要。難しい世の中です。
「魔女でなくなったら、私じゃなくなっちゃう!!!」
以前は興奮してこの台詞を聞いたものだ。自分が自分でなくなっちゃうって、それはもう世界が終わる位の大事件。存在価値がなくなっちゃうんだもの。
でもしばらくぶりで視聴したら、「別に魔女じゃなくたって(特殊能力無くなったって)あなたはあなただよ。その存在全てが大切だよ」って思った。
たぶん、キキのご両親も、ジジも、おソノさん夫妻も、老婦人(+お手伝いさん)も、ウルスラもそう言うだろう。空を飛べるキキに憧れているトンボだって、一瞬唸った後にそう言うに違いないって思った。特殊能力が好きなんじゃなくて、目の前にいる女の子が愛おしいのよって。
そんな愛に溢れた物語。
そんな愛の中で、キキは自分というものを作っていく戦いに向かい合っている。不安・スランプは苦しいけれど、いつかキキが乗り越えられることを信じて見守っている人々がいるから十分に悩めるんだな。
「あらあの子飛んでる」ふと気がついたように言う。なんて爽快な表現なんだろう。「飛べるか飛べないか」に一喜一憂していたらこんな調子では言えない。無関心だったら気づきもしないだろう。
不登校で苦しんでいる子どもたちにも、こんなふうに関わりたいな。あなたの存在が愛おしいんだよ。今苦しんでいること、いつか乗り越えられるよ。解決法は「行くか、行かないか」だけじゃなくて、いろいろあるよって。「あら。この子、〇〇してる」ってふと気が付いたように喜びたい。
☆ ☆ ☆
そんな物語の中で、特にトンボを助ける飛行シーンは圧巻。たぶんアニメでしか表現できない臨場感。興奮した。思わず手を握り締めた。あのアングル、この飛行ライン。元々飛行機好きな監督だから描き出せるシーンだろう。
そして背景の色使いに引き込まれる。
声優はやはり老婦人役の加藤治子さんに魅了される。上品でしっとり、気遣いも最高なのに、孫の嫌いなパイを好きだろうと勘違いして贈ってしまうボケさ・マイウェイゴーイングなところも合わせもつ婦人。その台詞だけで、映画には出てこない孫一家とのやりとりを妄想出来ちゃう演技力。
でも、アニメの口パクと言葉があっていないのが残念。あの婦人の場面だけ、画面見ないで加藤さんを想像しながら観てしまう。
声優ではなくて、俳優に声を当ててもらうことにこだわる宮崎監督。だったら、その俳優の持ち味を出せるように、気を遣うのが礼儀じゃないか。先日お亡くなりになった若山弦蔵氏は外国映画の吹き替えをするとき、その役者の息遣いに合わせて声を当てたと神谷氏が言っていた。『アイズワイドシャット』の吹き替えをした森川氏も、息遣いを合わせることが大切と言っている(by Wiki)。役者にはその役者独特の間合いがある。それこそ、昔の東映が、人が演じたものを基に動画をおこしたようなくらいのことをやるべきなんじゃないか。加藤さんほどの女優を使うなら。それができないのなら、絵に合わせてくれる声優を使うのが礼儀だろう。
☆ ☆ ☆
この映画を観るとニシンのパイを食べてみたくなる。どんな味なのだろう。
老婦人の孫を責めるレビューも見受けられるが、嫌いな物をプレゼントされるのって、結構つらい。家族なら覚えておいてほしいとも思うし。また、雨の中の配達、宅配業者みんなやっているし。都会では、駐車場問題があるから、手押し車を押しながら。それが、お金を稼ぐということだ。
☆ ☆ ☆
この映画が登場したころは、アニメで一人の少女の心の内をじっくりと描き出した物は珍しかった気がする。
その頃は大興奮して観ていたのに、今観直すと「自立」「修行」がテーマとすると詰めが甘い。現実はもっとシビア。普段小学生・中学生・高校生に接していてそう思う。
ああ、でも、キキを取り巻くおソノさんとかが心に響くファンタジー。こんな方々に囲まれていたら、やる気スイッチも入りそう。
繰り返し観たくなります。
原作未読、実写版未鑑賞。
ここじゃない、どこかへ。
13歳になった少女は魔女になり、家を旅立つ。海の方へ向かってたどり着いた街は、魔女に少し抵抗のある人ばかり。"ふつうでない"魔女として生きていく、頼れるよすがもない場所で自分の居場所を作っていく・・・そんな少女のたくましく成長していく姿に、心打たれ、なんだか温かい気持ちになった。
もちろん助けてくれる人もいて、おそのさんやトンボ、配達先のおばあちゃんや絵描師の優しさも良かった。一生懸命に仕事を頑張った結果、おばあちゃんから「キキという人に、このケーキを届けてほしい」と言われたシーンも、キキに感情移入していて自分のことのように嬉しかった。
ワクワクしっぱなし
キキとウルスラ・・・高山みなみ恐るべし。
しきたりに則り故郷を一人旅だった13歳の魔女キキ。彼女の新しい街での成長を描く物語。
ジブリ作品としてはアクションにも乏しく、地味な印象を持つ作品です。しかし、少女キキの気持ちを描き切った秀作で、個人的は大好きな作品です。
少し生意気で、向こう見ずで、怖いもの知らずで。そのくせ臆病で心折れやすいキキ。
配達先の少女の心ない一言に落ち込み、仲良くなった少年を理由もなく不愉快に感じて・・・思春期の少年少女に有り勝ちな制御出来ない、不安定な気持ち。
思春期には誰にでもある気持ちの揺れを、とても丁寧に描いているように感じます。
そんな映画ですからクライマックスは飛行船ではなく、キキとウルスラが語らうシーンだと思います。
特別な教訓や励ましはなく、ただただ語らい、そして笑い。自然とキキの気持ちがほぐれていくのが感じられる、そんな名シーンでした。
エンディングロール。キキの楽し気な様子が、「幸せに包まれたなら」のメロディに乗って観れたことも含めて、文句なしの評価5の作品でした。
宮崎駿監督の清涼感と飛翔感のアニメ演出にある映画の”こころ”
ジジの滝汗シーンが好き
『となりのトトロ』に続く宮崎駿監督作品。
『となりのトトロ 』が各賞総なめしたせいもあり、本作は大ヒット。内容も良い事から、宮崎アニメの人気は不動の物に。
女の子の旅立ちと、挫折と成長を見事に描いた本作。宮崎駿はなんで女の子をこんなに上手く描写出来るのか…不思議です。
音楽も良し(^^)b
荒井由実の『ルージュの伝言』『やさしさに包まれたなら』の2曲に、久石譲の音楽も良い(^^)b
あとひとつ、宮崎駿の描くヨーロッパの雰囲気が好きですわ(^^)b
子供の頃から、『ハイジ』や『母をたずねて三千里』や『赤毛のアン』で宮崎駿作品に親しんできたからかな?
ってゆーか、森に住むウルスラとキキって、2役なのね…初めて知りました(^_^;)
見るたびに味わいが変わる傑作
魔法使いキキ。
公開時に映画館で見たが
本編が始まり、キキが旅立ち荒井由美(あくまでも)の曲が流れて来て、うわーっと思ったらその途端に
当時4歳の次女が「おしっこ」と言い
はあああーって思いつつも行かざるを得ず席を立った。
現在の映画館とは比べものにもならない汚い日比谷の映画館だった。
小学生の長女には 原作の児童書を読み終えたら連れて行くと約束し
夏休みにおそろいのひまわり柄のスカートを着せて。
なのに 次女を連れてトイレに行ったせいで前半の数十分を見なかった。
その次女は、今このDVDを擦り切れるほど見ており
さらに 今も地上波でやるたびに録画し
私はそういうわけで、公開時に映画館に行ってから30年以上経っても まったく記憶が薄れる事がないのである。
金曜ロードショーにて、
興味なかったけど
何度観ても素晴らしい…!!
何回観たかわかんないけどやっぱり良いよー!!
働いてから観るとまた観方が変わるなあと今回実感した。
キキの仕事への思い、自分に何ができるかという葛藤、時々自分のやってることが虚しくなって心が折れそうになること、うまくいかないときは全部うまくいかなくなること、でも自分の頑張りを見てくれてる人もいること、それは泣きそうになるくらい嬉しいこと…。
わかる、わかるよキキ…!!
久々に観たらラストシーン、キキがトンボを助けるシーンでぶわーっと泣いてしまった。
何度観ても発見がある、いつ観るかで観方が変わる。
宮崎駿監督はすごい作品残すなあと改めて感動してしまった。
初めてちゃんと通しで見た🧙♀️🧹
やっぱり、素晴らしい
基本的には、劇場で観た映画のレビューを載せているのですが、昨日地上波で久しぶりに観た本作は、やっぱり素晴らしかったし、今回観たおかげで、また気づいたところもあったので、ちょっと書く気になりました。
ジブリ作品でもっとも好きなのは、「ラピュタ」と「ナウシカ」だが、完成度の高さというか、ストーリーの流れの完璧さは本作だと思う。
オープニングの「ルージュの伝言」に始まって、キキを巡る様々なできごとが次々とつながっていく様は、見事のひとことに尽きる。さらに気持ちのよい結末から間髪なくテーマ曲「やさしさに包まれたなら」につながっていくエンディングは、最高のひとことに尽きる。原作もリズミカルなのだろうし、脚本の完成度も高いのだろう。
主人公キキの成長物語は、何回でも楽しめる!
「カーブを曲がりきるために体を倒して」というトンボの指示に答えて、キキが行う体重移動の見事さ。ここに代表される痛快感、おばあさんとキキが奏でる温かさ、ウルスラに触発される成長、もうすべて最高っす!!
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