魔女の宅急便(1989)のレビュー・感想・評価
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子供向けのハートフルストーリー
子供の頃に何回か見たはずだがあんまり記憶に残っていない作品。今回見直そうと思った。他にも、キキのデザインが可愛らしく、もう一度ちゃんと見てみたいなと思っていたのも理由の一つ。
結論としてあまり印象に残らない作品だった。内容が子供向けで『日常系』寄りであるため、物語に目的意識があまりないのもあって、日常系をあまり求めていない自分としてはこの作品はあまり楽しめなかった。スランプの女の子か隣人たちに助けられて自分の価値に徐々に気づき、ラストにおける友達の危機に対して火事場の馬鹿力的に自分の力を取り戻したという感じだが、その中でキキはどうやって乗り越えようかという主体的な足掻きを見せていない(彼女の年齢でなくて当然だろうが)のも個人的評価が小さい理由。
良かったのは作画が綺麗だった事、キキとジジが可愛かった事。
子供の頃に初めて観た時は難しかった記憶がある。でもすごく背伸びした...
子供の頃に初めて観た時は難しかった記憶がある。でもすごく背伸びしたような気持ちになった気がした。
歳を重ねながら自分と重ね合わせて観てくると、社会に出てうまくいかないこと、ざわざわした気持ち、憧れや嫉妬や葛藤など落ち込むこともあるけど人生ってその繰り返しなんだなぁと思うと、キキが様々な人に助けられて前を向いていく姿を見ると元気がもらえます。
最近観たら、オープニングのキキの両親が見送る場面はぐっときちゃいました。親の気持ちを思うとパパに泣けちゃう。
海が見える街、パン屋さん、音楽、全体的な雰囲気も好きだし、何回観てもいろいろな発見があるのでこの作品は好きです。
想像と少し違って驚いた。
ジブリ作品鑑賞14作品目。以前から観たいと思っていたジブリ作品ナンバーワン。なかなか借りられずようやく鑑賞。
幼いキキが魔女の修行に旅立ち、社会の厳しさを知りながら色んな人との出会いを通じて成長していく物語。
まずとにかくBGMがよかった。海のきれいな舞台や背景ともとてもマッチしていた。ユーミンも、『海の見える街』も、言葉に言い表せないくらい。
次にストーリー。魔法使いで空が飛べて、猫と会話ができる。そんなファンタジックな世界観ながら、少女が知らない街に一人で上京(?)し、社会の厳しさを学ぶという、子供にも大人にも向けた面白いストーリーでした。自分が想像していた、いわゆる子ども向けの「魔女の宅急便」とは違っていて、驚きましたね。
キキの思い悩むシーンが数多く出てきますが、なんとも言えない甘酸っぱい気持ちになりますね。知らない街に出て、そんな中でも優しい人たちはたくさんいる。出会いって素晴らしいなあ。
そしてさすが宮崎駿作品、セリフにはしない表現、考察が捗っているようです。魔法が使えなくなった理由、とかね。
今まで観たジブリ作品ともどこか一味違う、そんな作品でした。
女の子の成長物語
魔女の宅急便を最後まで見たのは初めてでした。
話がとても上手く展開されていて、13歳の女の子が修業に出て、社会の厳しさ、恋心など色々な事を経験しながらたくましくなっていきます。
場面で出会う人たちもポイントになっていますし、猫のジジも話のポイントですね。
誰もが楽しいと思える作品。
ユーミンの曲もぴったりです。
自分が自分であること
子供の頃は単純にワクワク!とカワイイ!が詰まった楽しい映画だと思ってました。
大人になった今観ると、親元を離れ、たった一人見知らぬ街にやって来た時の不安や緊張感がジリジリと伝わり、落ち込んだりスランプに陥ったりしながらも自身を奮い立たせ、成長するキキの姿に胸が締め付けられました。
住む部屋、仕事、人間関係…新しい環境で、何もかもをゼロから自分でつくりあげるって本当に大変な事だと思います。冷たい視線や態度を感じつつも、おソノさん達に支えられ、少しずつ自分の基盤を築いていくキキがとても頼もしかったです。
荒れ狂うデッキブラシにまたがり、振り落とされぬようしっかり握りしめながら、トンボを助けようとする姿に涙が流れました。
黒は女を美しく魅せる
(コメント返信しようとしたら誤作動でレビュー消しちゃいました😱書き直しです💦ショックすぎる)
子どもの頃に何度も何度も観た「魔女の宅急便」
テレビで何年ぶり(前に見たのはいつだっけ?)に鑑賞。年齢が進むにつれて違った視点で見るようになり新たな発見が!その時々で捉え方や感じ方が変わるのが名作の醍醐味。これまでに何も感じなかったセリフに思わず膝を打ったり。
童心に帰れるとともに、今は親目線でキキを見ちゃう。
ヨーロッパ、海の見える街の美しい街並み(ドゥブロヴニク、スェーデン、ポルトガルetc)を舞台に魔女修行に勤しむキキ。少女と大人の狭間で揺れる心、難しいお年頃が繊細に描かれている。
遊びほうける同じ年頃の子達を横目に、魔女になるための修行に奮闘するキキ。
彩豊かな素敵な服や靴が目に留まるし、お洒落だってしたくなる。
そうだよね、わかるよって、つい親目線で、頑張れ〜って応援したくなる。
空を飛ぶこととキキに憧れるトンボ、キキのスランプにそっと手を差し伸べてくれた絵描きの女の子。
そしてキキを優しく見守るオソノさん夫婦。
何一つ変わらないキャラクターが、見るたびに違った風に見えるのは、私が成長変化している証拠なのかしら。
例えば、初めて仕事した鳥籠を届けたお宅がお金持ちの家だったこととか、お洒落なクラシックカーが作中に沢山描かれていることとか。
作れなくなる
歌えなくなる
書けなくなる
描けなくなる
魔法が使えなくなる…。
頑張る人に訪れる誰にでもある“スランプ”、
13歳のキキが励まし勇気をくれる。
あぁ、やっぱり好きだわ、大好きだわ。数年後にまた観て自身の変化を楽しみたい。
何度目かわからないくらい観たけど何度観てもいい 絵が綺麗とか技術使...
何度目かわからないくらい観たけど何度観てもいい
絵が綺麗とか技術使ってるとかじゃなくこういうシンプルだけど風景も綺麗で内容も和むようなこういう作品が良いんだよジブリ
紅やトトロもそうだけど技術ではなく腕で綺麗な風景を描いてたこの頃を思い出してくれ
この頃のような作風の映画をまた作ってくれ
繊細に描かれた少女の心の揺らぎ
"金曜ロードショー" で久しぶりの鑑賞。
原作シリーズは未読。
幼い頃はクライマックスの飛行船スペクタクルしか真剣に観ていませんでしたが、年齢を経た今になると、キキの心の揺らぎが繊細に描かれていることに気づかされました。
普遍的な成長物語は、時代が変わっても胸を打つ。
当時58歳だった宮崎駿監督は、何故ここまで思春期の少女の心情が分かったのだろうかと、感心させられました(笑)。
[余談]
キキが宮崎監督の理想の女性だとすると、トンボは宮崎監督の化身と云うことになるのかなと思いました。つまり、プロペラ付き自転車のシーンは宮崎監督の理想のデートなのでは!?
[以降の鑑賞記録]
2024/03/22:金曜ロードショー
※修正(2024/03/22)
私は贈り物のフタを開ける時みたいにワクワクしてるわ
いいですね、魔女見習いの女の子が頑張る物語。全編通して現代萌え絵でリメイクして頂けないでしょうか。もちろんこのままでも可愛い。
「私は贈り物のフタを開ける時みたいにワクワクしてるわ」について。ワクワクって、心の内から沸き立ってきて勝手に体が動いちゃうような体験ですよね。冷静とは程遠い。なのにこんな長くてきれいな比喩が前に来てるのは、とっても独特だと思います。それは、キキの長い歴史を想像してはじめて理解できます。ワクワクが常態化している。いつかのことだと心踊らせた時期から、今は具体的な予定としてタイミングを計っている時期に来ています。興奮しているけど冷静、これは長い時間ずっと情熱を注いではじめて現れる現象で、この台詞の文と言い方だけで、キキのこれまでの時間が表現されているように思います。
それから、プロペラ自転車を必死でこぐトンボ少年を見て大ウケする通りすがりのおじさん。あのおじさんの「笑い」を創作物のなかに、言い換えれば意図的に表現するのは圧倒的宮崎駿だなと思いましたね。あれは日常の中に突然非日常なものと出くわした時に出るものです。「なんかよくわからんけど爆笑した」ってやつです。生理的嫌悪の逆、生理的好意とでも言いましょうか。とにかく、あれは感情の動きでもなく、本当にただそこにある叙事的なもので、全てがシンボルとして現実に対応するアニメーションにおいて存在するのはびっくりしますね。カメラだったら、写っちゃったりすると思いますけど。僕はまだまだ創作の中にアレを入れようという発想には、枠が追い付いていませんね。
やる気スイッチの入れ方。
13歳という設定なんだけど、どうみても10歳位にしか見えない。
13歳の娘を「高い、高い」できる父って、あなた何者?という突っ込みはさておき…。
初めての街で、知らない人ばかりの中で緊張マックス。幸い、お節介焼きながら適度なヘルプを出してくるおソノさんに出会って生活が始まる。なんだかんだありつつも、老婦人、ちょっと年上の女子にヘルプされながら日々を暮らし…好奇心旺盛な男子にちょっかい出されて、同年代のコミュニティに入ろうとするがうまくいかず…本当の意味で街の住民に溶け込めるかと思っていたら…エンディングで描かれていたのは、同世代の女の子と仲良くしているキキの姿。ああ、コミュニティに受け入れられたのね。よかった、よかった。
なんて展開を観ていると、思春期と言うより、前思春期。ギャングエイジからチャムの世代。小4後半~中1前半位。他の人と同じになりたい、仲間として認められたい。でも個性にもこだわりたい、微妙なお年頃。本当の恋にはまだ早い。
転入生がそのコミュニティに馴染んでいく様子にも見えて…。なんにしろ、初めての場で生活を始めるって大変なことですね。
最近は、いじめとかも騒がれていて、そのコミュニティでの自分の立ち位置をみつけることが重要。難しい世の中です。
「魔女でなくなったら、私じゃなくなっちゃう!!!」
以前は興奮してこの台詞を聞いたものだ。自分が自分でなくなっちゃうって、それはもう世界が終わる位の大事件。存在価値がなくなっちゃうんだもの。
でもしばらくぶりで視聴したら、「別に魔女じゃなくたって(特殊能力無くなったって)あなたはあなただよ。その存在全てが大切だよ」って思った。
たぶん、キキのご両親も、ジジも、おソノさん夫妻も、老婦人(+お手伝いさん)も、ウルスラもそう言うだろう。空を飛べるキキに憧れているトンボだって、一瞬唸った後にそう言うに違いないって思った。特殊能力が好きなんじゃなくて、目の前にいる女の子が愛おしいのよって。
そんな愛に溢れた物語。
そんな愛の中で、キキは自分というものを作っていく戦いに向かい合っている。不安・スランプは苦しいけれど、いつかキキが乗り越えられることを信じて見守っている人々がいるから十分に悩めるんだな。
「あらあの子飛んでる」ふと気がついたように言う。なんて爽快な表現なんだろう。「飛べるか飛べないか」に一喜一憂していたらこんな調子では言えない。無関心だったら気づきもしないだろう。
不登校で苦しんでいる子どもたちにも、こんなふうに関わりたいな。あなたの存在が愛おしいんだよ。今苦しんでいること、いつか乗り越えられるよ。解決法は「行くか、行かないか」だけじゃなくて、いろいろあるよって。「あら。この子、〇〇してる」ってふと気が付いたように喜びたい。
☆ ☆ ☆
そんな物語の中で、特にトンボを助ける飛行シーンは圧巻。たぶんアニメでしか表現できない臨場感。興奮した。思わず手を握り締めた。あのアングル、この飛行ライン。元々飛行機好きな監督だから描き出せるシーンだろう。
そして背景の色使いに引き込まれる。
声優はやはり老婦人役の加藤治子さんに魅了される。上品でしっとり、気遣いも最高なのに、孫の嫌いなパイを好きだろうと勘違いして贈ってしまうボケさ・マイウェイゴーイングなところも合わせもつ婦人。その台詞だけで、映画には出てこない孫一家とのやりとりを妄想出来ちゃう演技力。
でも、アニメの口パクと言葉があっていないのが残念。あの婦人の場面だけ、画面見ないで加藤さんを想像しながら観てしまう。
声優ではなくて、俳優に声を当ててもらうことにこだわる宮崎監督。だったら、その俳優の持ち味を出せるように、気を遣うのが礼儀じゃないか。先日お亡くなりになった若山弦蔵氏は外国映画の吹き替えをするとき、その役者の息遣いに合わせて声を当てたと神谷氏が言っていた。『アイズワイドシャット』の吹き替えをした森川氏も、息遣いを合わせることが大切と言っている(by Wiki)。役者にはその役者独特の間合いがある。それこそ、昔の東映が、人が演じたものを基に動画をおこしたようなくらいのことをやるべきなんじゃないか。加藤さんほどの女優を使うなら。それができないのなら、絵に合わせてくれる声優を使うのが礼儀だろう。
☆ ☆ ☆
この映画を観るとニシンのパイを食べてみたくなる。どんな味なのだろう。
老婦人の孫を責めるレビューも見受けられるが、嫌いな物をプレゼントされるのって、結構つらい。家族なら覚えておいてほしいとも思うし。また、雨の中の配達、宅配業者みんなやっているし。都会では、駐車場問題があるから、手押し車を押しながら。それが、お金を稼ぐということだ。
☆ ☆ ☆
この映画が登場したころは、アニメで一人の少女の心の内をじっくりと描き出した物は珍しかった気がする。
その頃は大興奮して観ていたのに、今観直すと「自立」「修行」がテーマとすると詰めが甘い。現実はもっとシビア。普段小学生・中学生・高校生に接していてそう思う。
ああ、でも、キキを取り巻くおソノさんとかが心に響くファンタジー。こんな方々に囲まれていたら、やる気スイッチも入りそう。
繰り返し観たくなります。
原作未読、実写版未鑑賞。
ここじゃない、どこかへ。
13歳になった少女は魔女になり、家を旅立つ。海の方へ向かってたどり着いた街は、魔女に少し抵抗のある人ばかり。"ふつうでない"魔女として生きていく、頼れるよすがもない場所で自分の居場所を作っていく・・・そんな少女のたくましく成長していく姿に、心打たれ、なんだか温かい気持ちになった。
もちろん助けてくれる人もいて、おそのさんやトンボ、配達先のおばあちゃんや絵描師の優しさも良かった。一生懸命に仕事を頑張った結果、おばあちゃんから「キキという人に、このケーキを届けてほしい」と言われたシーンも、キキに感情移入していて自分のことのように嬉しかった。
ワクワクしっぱなし
今まで見たジブリで1番好きかもしれん。
終始ワクワクする。
そして、出てくる人物がみんな心がイケメン。
こういう人になりたいって人のオンパレード。
心が現れる良い作品だった。
好きなことを仕事にしてるなら頑張ろうってなった。
仕事、頑張ろうって思える作品な気がした。
92/100
キキとウルスラ・・・高山みなみ恐るべし。
しきたりに則り故郷を一人旅だった13歳の魔女キキ。彼女の新しい街での成長を描く物語。
ジブリ作品としてはアクションにも乏しく、地味な印象を持つ作品です。しかし、少女キキの気持ちを描き切った秀作で、個人的は大好きな作品です。
少し生意気で、向こう見ずで、怖いもの知らずで。そのくせ臆病で心折れやすいキキ。
配達先の少女の心ない一言に落ち込み、仲良くなった少年を理由もなく不愉快に感じて・・・思春期の少年少女に有り勝ちな制御出来ない、不安定な気持ち。
思春期には誰にでもある気持ちの揺れを、とても丁寧に描いているように感じます。
そんな映画ですからクライマックスは飛行船ではなく、キキとウルスラが語らうシーンだと思います。
特別な教訓や励ましはなく、ただただ語らい、そして笑い。自然とキキの気持ちがほぐれていくのが感じられる、そんな名シーンでした。
エンディングロール。キキの楽し気な様子が、「幸せに包まれたなら」のメロディに乗って観れたことも含めて、文句なしの評価5の作品でした。
宮崎駿監督の清涼感と飛翔感のアニメ演出にある映画の”こころ”
宮崎駿監督が贈る少女アニメの清涼感と飛翔感を楽しむ。今の時代が失いかけている夢と希望を与えてくれる貴重な映画の世界観は、高く評価しなくてはいけない。つまり、それは映画で最も大事な”こころ”を、宮崎監督が持ち実践していることに他ならない。ストーリーでは、主人公キキが何故魔力を失いかけたのかの説明描写が弱いと見たが、ラストの飛行船のクライマックスシーンの盛り上がりの演出力は、流石に素晴らしかった。
1989年 8月3日 宇都宮ヒカリ座
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