「「落ち込んだりもしたけれど、私は元気です」、 実は現代の大人の代弁だったのでは」魔女の宅急便(1989) asukari-yさんの映画レビュー(感想・評価)
「落ち込んだりもしたけれど、私は元気です」、 実は現代の大人の代弁だったのでは
巨匠:宮崎駿監督作品であり、スタジオジブリの地位を確固たるものにした大ヒット作。13歳の少女が魔女の修行として家を出、独り立ちしていく姿を描いた作品です。
魔女の修行というファンタジーで温かみのある冒険劇・・・と思いきや、よく見るとキキが置かれている状況、
「現代の大人でも、仕事の面で同じことを経験しているのでは?」と感じます。
始めてくる人に対する民衆の奇異な目、自分の価値観と違う世界に対する戸惑い、不安、そして手を差し伸べてくれる人々・・・。実は、現代社会で、仕事場において誰もが一度は経験したことではなかろうか。しかし、私たちはその時感じる感情を押し殺していることが多いのではないか?感情任せにぎゃーぎゃー言うのは、たしかに躊躇ってしまう。かといって劇中のキキがぎゃーぎゃー言うてるわけではないのだが、その時感じている思いを表情から、声からちゃんと表現している。13歳だし、そりゃ感情が漏れても仕方ないよねと思ってしまう年齢。だからこそ、ストレートに表現してくれる。
“自分が押し殺しているものを、キキが代弁してくれている”
それって、逆に勇気づけられません?「そうやんなぁ~」と思いながら納得しつつ・・・。そして、ホントにどうしようもなくなった時の解決方法や、悪い事だけやなくて良いこともあるよと思わせてくれるシーン。
たしかに・・・!
この映画、魔女でファンタジーで観やすいアニメ・・・ではなく、大人が仕事で直面することを13歳に置き換え、その都度起こる感情を代弁することで、仕事で頑張る人を応援しているのではなかろうかと、自分は思うのです。
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