ボビー・デアフィールドのレビュー・感想・評価
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アル・パチーノ主演作の中でも異色作っぽい
公開当時、昔の日劇の裏手に位置してた旧朝日新聞隣の丸の内ピカデリーにて鑑賞しました。
客の入りはまあまあくらいで、それはそれまでのアル・パチーノ作品と比べ、恋愛ものっぽい要素が強い、ちょっと異色作な感じだったからではないかと思いました。
主人公はフォーミュラー・カーのレーサーで、出場するレースに合わせて各地を転々としながら生きる日々を送っていますが、彼にはちゃんと身の回りの世話を焼いてくれるようなキレイなお姉さん(恋人)が居ます。
そんな彼の前に、なんだか謎めいた女性が現れ、彼は次第にその彼女に惹きつけられていき、その出会いによってそれまでの自分の人生の空虚さに気付いていくのでした。
ヨーロッパ各地の美しい映像や、デイブ・グルーシン氏のスコアによる音楽と相まって、更にそのうえ元の恋人のアニー・デュプレーさんが綺麗なのと可哀想なので、心に響く一本となりました。
哀愁漂うアル・パチーノというのもまた悪くないなぁ….、という事で、マイナー作品ながら、私の敬愛する映画の一本になっています。
鑑賞後にこの映画のLPを国内発売盤で購入し、よく聴いてましたが、この盤は片面がサウンドトラック、残りはアレンジ曲、イメージ曲等の劇中未使用の曲集となっており、厳密なサントラ盤とは言い難いものになってます。
蛇足ながら、この時代にはなんだかこの手法が流行ってたのか、当時のLP盤「タクシー・ドライバー」もそのような収録形態を取っていました。
こちらは非公式盤で未使用部分まで含めた完全版CDがあり、更に後になってリニューアルCD盤にて、劇中使用分については公式発売になりましたが、「ボビー・デアフィールド」についてはLPバージョンのCD化さえも殆ど果たされていないような状況で、全く残念な限りです。(短期間海外で出ていた形跡あり?)
同じデイブ・グルーシン氏によるレース系映画の「レーサー」のサウンドトラックLPもお気に入りなんですが、同様に何故か未CD化状態が続いており、これも発売が望まれる一枚です。
もうひとつの『恋人たちの場所』ですな…
先ず第一にカメラワークの素晴らしさ。アンリ・ドカエは流石に凄い。特に屋外シーン(夜、街角の何気ない描写等々)では、その夜の気配や緑の匂いなどが、まるで手を伸ばせばそこに掴めるように感じられる。全くスゴイ感触(他に言いようがない)である。気球を飛ばすシーンの美しさも特筆もの。マルテ・ケラーは写真で見るより動いている方が遥かに魅力がある。アニー・デュプレーも、七頭身ぐらいのスタイルといい、個性的な美しさのルックスといい、実に魅惑的。シドニー・ポラックの演出も確かだし、人物もじっくりと描かれているとは思うけれども、お話がとても面白いとは言えないので、評価は映像の素晴らしさに免じて少し甘くしてます。(初見時の感想)
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