ぼくの伯父さんの休暇のレビュー・感想・評価
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【ジャック・タチが無声喜劇映画のバスター・キートンやチャップリンに影響を受け、ジャック・タチのエスプリの効いたコメディに多くの喜劇役者が影響を受けた事が分かる作品。】
ー ノッポの“ユロ”(ジャック・タチ)が、バカンス先で騒ぎを巻き起こすほのぼのとしたフレンチコメディー
◆感想
・作品内で、登場人物達は発声するが、ジャック・タチ演じるノッポの“ユロ”は、可笑しな独特な歩き方はするが、台詞を口にしない。
これは、彼が無声喜劇映画から影響を受けた事と思われる。
・そして、ウイットに富んだワンシーンごとのホンワカと可笑しみのあるシーンが連続して描かれるが、この辺りは、後年の喜劇俳優に影響を与えたと思われるシーンが散見される。
<今作は、大笑いするような作品ではないと思うが、(フランスの観客は大笑いするのかな。)クスクス笑える小品であると思います。>
<人>を感じさせ、和む。
アタマのネジが少なくとも10本は飛んでいるようなキャラ。でもユロは至ってマジメなので、何をしでかしても憎めない。と同時に片や、こういう人は現実にいるものだ、とリアルにも考えさせられる。
彼のような人を許容するかどうか、好きになれるかどうかは、今よく言う<多様性>についての考え方と、あとは個人のセンスの問題だ。
休暇が終わる解散のシーンは象徴的だった。ユロのことを、おもしろい人だ、お別れは淋しい、と思ってくれる人がいた。そしてそこまででない人たちも、少なくとも彼を除外しようとはしていなかったようだ。
その点でこの映画は暖かい。
彼のひとつひとつの動きとその結果の奇想天外さが面白いのだが、それに加えて、周りの人たちのキャラや行動も、なかなか飽きずに楽しく見られる。
車で突っ込んだ庭で葬式参列者と仲良くなるシーンは特にツボにはまった。
笑える展開だったということもあるが、おとなたちの、子供のような素朴さ、そこからくるおおらかさが、とてもよかったから。
<人>を感じさせる、和む映画だった。
シリーズ化されるコメディ映画の原点
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