「<人>を感じさせ、和む。」ぼくの伯父さんの休暇 雨音さんの映画レビュー(感想・評価)
<人>を感じさせ、和む。
アタマのネジが少なくとも10本は飛んでいるようなキャラ。でもユロは至ってマジメなので、何をしでかしても憎めない。と同時に片や、こういう人は現実にいるものだ、とリアルにも考えさせられる。
彼のような人を許容するかどうか、好きになれるかどうかは、今よく言う<多様性>についての考え方と、あとは個人のセンスの問題だ。
休暇が終わる解散のシーンは象徴的だった。ユロのことを、おもしろい人だ、お別れは淋しい、と思ってくれる人がいた。そしてそこまででない人たちも、少なくとも彼を除外しようとはしていなかったようだ。
その点でこの映画は暖かい。
彼のひとつひとつの動きとその結果の奇想天外さが面白いのだが、それに加えて、周りの人たちのキャラや行動も、なかなか飽きずに楽しく見られる。
車で突っ込んだ庭で葬式参列者と仲良くなるシーンは特にツボにはまった。
笑える展開だったということもあるが、おとなたちの、子供のような素朴さ、そこからくるおおらかさが、とてもよかったから。
<人>を感じさせる、和む映画だった。
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