「頭おかしい」ボーイ・ミーツ・ガール(1983) いずるさんの映画レビュー(感想・評価)
頭おかしい
青年の煩悶を引き伸ばして映画にしたような。
全部最初から最後まで主人公の妄想、と言われても納得できる不思議な世界。
実験映画っぽい感じ。当時の最先端突っ走ってる。そして今もなお、最先端。理解できない。
人の誕生日パーティに行って勝手に冷蔵庫から牛乳出して、おもむろに直で口つけて飲むし、突然店から走りだしたり、人を川に突き落としたり……主人公の挙動が怖いです。
ボーイはガールにミーツした。だけど、それで人生どうにかなるものではないんでしょうね。人生のうちでパッと明るくなるような出会いなんてないんです。主人公の暗い思考が暗い結末を彼女に与える。暗澹たる気持ちになりました。
白黒の画面は閉塞感があり会話の間も気詰まりで、それが青年のどろどろとした葛藤を表現しているのかも。
愛をテーマにしたのか、それとも、愛にすがったけれど結局青年たちはどこにもいけない、ってことをテーマにしたのか。
なんなんでしょうか。
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