「なぜアメリカ人が「分断」と声高に恐れるのか? それは分断がやがて分裂となり、南北戦争の再来となることを恐れているのだ それを本作から感じとれる」アウトロー(1976) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
なぜアメリカ人が「分断」と声高に恐れるのか? それは分断がやがて分裂となり、南北戦争の再来となることを恐れているのだ それを本作から感じとれる
1976年公開
1865年の南北戦争最中の惨劇から物語が始まる
北軍のゲリラ部隊に襲撃され妻子も家も失った男の物語
復讐を誓い南軍のゲリラとなるが、やがて戦争も終わる
ただ一人北軍への投降を拒否するが、落ち武者狩りに追われて命を狙われ続け西部を流れていく
その間にインディアンの元酋長や仲間が出来て、最後には彼らから助けられようやく安住の地を得る
しかし彼の腹には銃弾の穴が空いている
ハッピーエンドのようで、実は違うのだろう
それが結局アウトローの行きつく先なのだ
BLM運動など、昨今のアメリカは分断で揺れている
なぜアメリカ人が「分断」と声高に恐れるのか?
それは分断がやがて分裂となり、南北戦争の再来となることを恐れているのだ
それを本作から感じとれる
南北戦争とはシビル・ウォーのことなのだ
イーストウッドの師匠レオーネ監督が1973年に撮った「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウエスト」でこぼれ落ちた、アウトローのその後、そしてインディアン達のおかれた状況が描かれている
ソンドラ・ロックの美しさ可憐さには感嘆する
イーストウッドが我が物にしていまうのも納得
本作から13年間も同棲することになったそうだ
本作もまた、レオーネ監督の上記の作品と同じく、「西部開拓史」のあるエピソードを下敷きにしている
インディアンは今では先住民と言わなくてはならないそうだ
しかしその方が偽善的に感じてしまう
理解が不足しているのだろうか?
復讐の為に早打ちの練習を励むシーンは、タランティーノ監督の「ジャンゴ」で同様のシーンがある
オマージュだったのだろう
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