ブレードランナーのレビュー・感想・評価
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本作の問いは映画を超えて現代社会のものになった
2017年に改めて観直すと、大変に先駆的な問いを投げた作品だと感嘆させられる。というよりも原作者フィリップ・K・ディックが提示した課題を後進の人間が一生懸命にそれを実現させようとしていたのか。ともあれ、1982年の作品とは思えないほどに今日的な題材とテーマだ。
レプリカントと呼ばれるアンドロイドに心は宿るのか、人との間に愛は生まれるのか、そもそも人とアンドロイドに違いはなんなのか。SF作品の問いとして普遍的なものになったこれらのテーマは、すでに現代社会ではこれからの人間のあり方についての先鋭的な問いでもある。
やつらは人形だと機械的に処刑判断を下す人間に対して、ルトガー・ハウアー演じるレプリカントのロイはなぜデッカードを見逃す情に目覚める。人間らしさとは何か
このバージョンのエンディングは未来への希望を感じられて特に好きだ。
限りある生命の輝きについて・・・
1982年の作品。近未来を描いたSFだったんだけど、舞台設定の2019年は、過去の話になっちゃったんだよね。空飛ぶクルマは、いまだに一般化されてません。
さて本作品は、SFのカリスマ的な名作にあげられてますが、何しろバージョンが多い。
「インターナショナル完全版」とか「ディレクターズ・カット版」とか、ちょっと前に公開された「ファイナルカット」なんてのもありました。
まぁ、人それぞれで好き嫌いはあるんでしようが、今回は久しぶりに「オリジナル劇場版」を見直してみました。記憶にあったグロい部分(目潰し)がカットされてました。
役者さんもみんな若いですね~。
ハリソン・フォードもさることながら、ルトガー・ハウアーも懐かしい。この荒々しさが結構好きでした。
【ネタバレ】
レーチェル(レプリカント)との儚い恋愛ストーリーという見方で、逃避行のハッピーエンドになってるんですね。この終わり方も嫌いじゃありません。
とは言え、レプリカント狩りがやっぱり印象深いですね。ロボット?ではあるが、人に近いことから殺すことに罪悪感を持ってしまう・・・
敵に命を救われるのも、意外な展開かな。
ストーリー的には、ちょっと哲学っぽいと言おうか、難解ってイメージがあり、生と死について考えさせられます。
レプリカントの逃げ出した理由にしても、4年間という短い寿命を解消させることが目的だったんじゃないかな。愛し続けるために・・・
また、この作品における未来の風景は、今見ても全然色落ちしていない。むしろ、あの時代にこれだけの作品が作られたってところで、感心してしまいます。画的にはホンっと素晴らしいの一言です。
それから、見るたびに感心してしまうのが、エンディングの音楽。テレビで災害番組のスペシャルの際によく耳にします。実に緊迫感のある響きですね。
最後に余談ではありますが、一つの映画に様々なバージョンが存在することが大っ嫌いです。元々、リメイクもあんまり好きじゃありません。
自分の中で、その作品は思い出であり、当時のことを思い出させる大事なパーツでもあるわけですが、複数の作り直しによって思い出が汚される気がします。
まぁ、あくまで個人的な見解ではありますが・・・。
世界観構築の天才
0216 アンドロイドは夢を見るの?
1982年公開
2019年の荒廃した世界、というわけでもない
酸性雨だらけのロスにてリドリースコットの世界観爆発。
当時うどんがロスでも販売していたことに何故か狂喜。
四つくれ!ふたつで充分ですよ!
と日本語が飛び交う所もね。
しかし未だに本作のテーマが理解できない。
そんな頭の中にバージョン違い、とか言われてもさっぱりわからん。
あー友人の映画評論家に知られたら絶交されるな。
ハリソンフォードは走ってるか悩んでいるかどっちかやな
70点
最後だけ良かった
金字塔
なぜ今更レビューするかと言うと、満点作を語ってみたかったから。もし若い映画好きで未見の方がいたら、教養として鑑賞して欲しい。SFの枠を越え総合芸術たる映画の金字塔のひとつだから。「架空の世界」の表現手段は、小説や漫画などがあるが、光と動きを伴うビジュアルと音を用いることができるのが映画。(演劇は物理的制約が大きくアニメは絵である以上現実と地続きになれない)そこで創作者が頭の中で思い描いている世界観を完全に表現して見せたのが本作である。妥協はそのままチープさに繋がる(逆手に取ったのがパペットやプロップが魅力となった初期スターウォーズ)ので、制作時期を考えるとその拘りはもはや異常。もちろんストーリーや俳優陣の仕事ぶりも秀逸。残念なのはあまりにも多くのクリエイターが本作の影響を受けすぎていて、初見なのにすでに「どこかで見たことがある」表現になってしまうこと。あの衝撃は我々老いぼれだけが得た特権だ。補足するとデザイナーを務めたシド・ミードの存在も極めて大きく不可欠だったと思う。ちなみに「ブラック・レイン」では見なれた阪急梅田広場がリドリー・スコットにはああ見えるのかと唸ったものだ。まさに鬼才である。
新しい視点に邂逅する上質なSF映画
感想
初鑑賞当時、映画のテーマの深淵さを一回観た位ではよく理解できず評価が定まらなかった記憶がある。ビデオを借りたり、後々DVDが普及するに至り繰り返し鑑賞する事で革新的な、『創造された命に心は宿るのか?』という話の真意を想い、全ての描写に深い意味がある事を理解した時に、この映画が原作を超える名作である事を確信した。
映像◎
現在ではほとんどクラシックとも言える映像構成とシド・ミードなどの未来工学デザイナーに依頼した本格的な近未来設定の世界観と美術は、その後の映像制作者たちに多大な影響を与えた。ダグラス・トランブル制作、渾身のオープニングやスピナーの映像は感動もの。
音楽◎ヴァンゲリス
哀愁に満ちたアンドロイドの心が音楽とシンクロしているようで、近未来の世界の雰囲気を際立たせている。
脚本・演出◎
アンドロイド視点の描写が素晴らしい。アンドロイドを見分ける、ヴォイト・カンプフテストの話。写真や記憶を大切にするアンドロイド。とりわけ、ロイ・バッディ、自らの寿命がもう尽きることを意識した上で、デッカードに語る。
『俺は貴様ら人間が、想像もできないものを
見てきた...(中略)。それらの瞬間も全て失われる。
その(死の)時がくれば、涙のように、
雨に洗われるように。...その時はきた。』
戦闘用アンドロイドが自身の死を迎える虚しさと全ての生命に対する、憐れみを持った事をデッカードが悟ったと感じられる場面が秀逸であり感動する。
初鑑賞日、1982年7月23日
渋谷パンテオン
本作は、1982年、初上映時には映画関係者、一般観客の間では結して高い評価は得られてなかった作品であった。
当時のハリソンフォードはアクション映画俳優として絶大な人気を博していた。80年代、出演する映画が全てヒットしていた事は皆さまご承知の通り。
世界的なSFブームもあり、70年代に20世紀FOX映画の重役で『スターウォーズ』、『エイリアン』の制作にゴーサインを出し、会社に多大な利益を持た
らせる事に成功した、アラン・ラッド・ジュニア(『シェーン』のアラン・ラッドのご子息。)がプロデューサーとして独立し、第一作『アウトランド』に続き製作投資の統括をした作品が本作である。投資家たちはSFものでハリソン・フォード主演と謳えば、大ヒット間違いなしとして、膨大な製作費用を『エイリアン』で成功したリドリー・スコット監督とその映画スタッフたちに投資した。
ところが監督は映画投資家達の期待とは全く逆のアクション映画とは程遠い、深い深淵な問題となりうる人造人間(アンドロイド)の創造と、その創造された人間に心が存在したらどうなるのか?という難解な問題をテーマとしたハードボイルドな原作を選び制作していく事になる。
アラン・ラッド・ジュニアは投資的視点から大胆な賭けとも言える本作の内容に、最初は難色を示していた。しかし、監督達の強い熱意と、かつ人間の視点ではない、人造人間視点で展開する稀有な新しいストーリー展開に納得したとされる。
本作は興行的には当初苦戦し、ラッドカンパニーの経営が傾いたという話を聞いている。数年後、一部の熱狂的なファンの間で、カルト的な人気を博し、作品の評価が上がったため、会社は奇跡的復活を遂げる事になる。
35年後、『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ演出で、続編である、『ブレードランナー2049』が制作された。
⭐️4.5
門前の小僧習わぬ経を読む
不幸にして一度も通してきちんと見たことがない映画。それは、当時自分がレコード店で働いており、店頭サンプルとして、常に『ブレードランナー』のレーザーディスクがリピート再生されていたことによる。
もともと、『スターウォーズ』のような爽快な娯楽大作が好きで、このようなハードSF路線はとっつき難かったのもあって、一度も、仕事の手を休めて思わず画面にくぎ付けになることなく、それでいて内容はきっちりと頭に入っているという、まさに「門前の小僧習わぬ経を読む」状態。
一部の熱狂的なファンが、何度も劇場に足を運び、のちにディレクターズカット版などのバリエーションをいくつも発表し、疲弊していった作品性を、つねに斜めに見ていた。好きか嫌いかは、第一印象でほとんど決まっていたのだ。
見方によってはどうにでも解釈できるエンディングも含み、いまだにちゃんと見る気になれない一本。ちなみに『2049』は劇場で見て、なかなかのお気に入りになった。最新の映像の進化に、想像力を刺激されるのがたまらない。
原作を忠実に再現。
古き良きSF映画
世界観のお手本SF!
もう、何百回と観たと思う本作。
原作とは内容がズレているとしても
映像の素晴らしさはエポックメイキングでありSF映画のお手本として最高レベルだと思います。
メイキング映像を観ても非常に手の込んだ技術力の限界とのせめぎあいでもあり、当時スターウォーズでも使われたカメラのシステムも活かされて臨場感、没入感も秀逸でした。
設定やストーリーに対する大道具、小道具、セット等の説明は不要でありすべて演出からくみ取れる所もリドリースコット監督とスタッフの努力と偶然の賜物では無いでしょうか?
酸性雨が振り続けるという異常気象の地球環境がディストピアらしさを盛り上げてますが、エンディングで晴れた森の中を主人公とレイチェルが走るのはあれ?と。思いましたが、それはそれ。
とにかく映像で訴えてくるだけで満足ですし鑑賞に耐えうるどころかリピートしてしまいます。
アンドロイドのテクノロジーは現代のAIやロボット技術からはまだまだ遠い高度なものですが、将来実現するのではと思わせます。
メインの街並みが日本とチャイナタウンと欧米の混在のようなイメージで、実際に日本なんかは将来そうなってしまうのではないかと思います。
主人公がレプリカントだと言うのは後にバラされますが、本作は孤独がテーマであり
純粋な愛や命の重さを訴えるものだと思いますが、それらを取り巻くその他大勢のチープさと、そうであるからこその安心感すら湧いてくるカオスがなければ成り立たないほどの闇を抱えて展開されるスタイルは後の数多の映画に影響を与えたと思います。
本当ならこれに肩を並べるほどのSF大作が出てきて欲しいものです。
記憶に残る映画
タイトルなし(ネタバレ)
荻昌弘先生の解説の『月曜ロードショー』が初見。
初めて見て『スチームパンク』と言う言葉を覚えた。高い煙突から噴出される。フレアーが『スチーム』と言った総称にあっていると思った。だから、初見はその世界観に囚われただけで、大きな感動は無かった。
今日はそのオリジナルの二回目の鑑賞となる。余りサスペンス製が無いと思う。事が容易に運びすぎて、ストーリーの流れは平凡。逃げる者の悲哀と追う者の非情さがもう少し欲しかった。このオリヂナルでは、後日談を入れている。それが要らないと思うが。まぁ、好みの問題か。ファイナル・カット も見てみる。
当時はすごかったと思う
現代(今)見たら普通の刑事もののSF映画と思ってしまうが
当時はすごかったのだろうと思う
いろんな人がこの映画に影響されたり
サイバーパンクジャンルに影響されたと思われる
この映画の最大の魅力は世界観ビジュアルです
しかしストーリーは普通の刑事(デカもので)
違法レプリカントを殺すだけの映画です
シーンラストあたりでレプリカントと人間の違いや
レプリカントの寿命の短さ(儚さ)が強調されます
80年代の雰囲気を感じつつも想像力を掻き立てる近未来の世界観に引き...
世界観は最高なのに意味不明。
1982年の製作でこのセットとか照明とか世界観はとても良かった!けど、
ストーリーがマジ意味不明だった。
どーゆーこと?って思いながら
最後までわからんかった。
人造人間の反乱ってことは分かるけど
寿命を延ばして欲しいっていう割には
創造主を殺してしまったり。
白塗りの女の人が撃たれてバタバタと虫みたいに
のたうち回るシーンが怖すぎて
子供の頃に見たらトラウマになる。
ラスト急にパンイチで追っかけてきたり
なんですか?って感じだった。
釘を手に刺して壁に頭を突っ込むとこよとか
笑かそうとしてんの?と思った。
最後のユニコーンの折り紙。
レプリカントも4年の寿命だけど
人間もいつかは死ぬから
お前たち自由に生きろよってこと?へ?
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