「デビッド・リンチ監督を偲んで」ブルーベルベット 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
デビッド・リンチ監督を偲んで
デビッド・リンチ監督
2025年1月15日実娘の自宅にて78歳で他界
1986年公開作品
監督と脚本は『エレファント・マン』『ワイルド・アット・ハート』『ストレイト・ストーリー』『マルホランド・ドライブ』『デューン 砂の惑星』のデビッド・リンチ
粗筋
入院した父を見舞うため地元に戻ってきた大学生ジェフリー・ボーモントは病院から実家への帰り道の途中で人間の耳を拾った
父の友人で刑事のジョン・ウィリアムズに耳について報告すると地元警察は捜査を開始した
事件は警察に任せて首を突っ込むなとジョンに忠告されたジェフリーだったがジョンの娘ザンディから情報を得て興味本位で独自に探偵の真似事を始める
映画のタイトルは1951年にトニー・ベネットが歌った『ブルー・ヴェルヴェット』から
63年にはボビー・ヴィントンがカバーし全米で大ヒット
そのほか多く歌手がカバーしている名曲
日本でも梓みちよや山下達郎カバーしている
工藤静香が『ドラゴンボールGT』なエンディングテーマとして発表した工藤静香の『Blue Velvet』は全くの別物
主演はリンチ作品ではお馴染みのカイル・マクラクラン
イザベラ・ロッセリーニがヌードを披露
大女優イングリット・バーグマンの娘
カイル・マクラクランもかわいいお尻を披露している
もう一人のヒロインを演じたローラ・ダーンも所謂2世タレント
悪役俳優ブルース・ダーンの娘
今回の作品ではお見せしないがイザベラに触発されたのか90年公開のリンチ監督作品『ワイルド・アット・ハート』ではヌードを披露している
日本に限らず海外も親の背中を見て親と同じ道を歩むことは珍しくない
世の中にはそれをやっかむ者がいる
親が一般人の俳優でなかなか仕事にありつけない者ならその気持ちわからないではないがネット民の殆どは芸能関係者じゃなかろう
たとえストレス解消だとしても理解できない
親の七光りだろうとなんだろうと光るだけまだマシで磨いても磨いても光らない連中に比べたら少なくとも役には立つ
っていうか全裸のドロシーになにかバスタオルとか包み込んで隠すようなようなものを持ってこいよサンディぼさっとしてないで
過剰なサービスはいらないよ
不自然すぎる
ウィリアムズ家での全裸のドロシーの発言で察したのかショックを受けた時のローラ・ダーンの表情がたまらない
耳の持ち主はドロシーの夫
一緒にいたジョンの同僚のぽっちゃりな汚職警察官は立ったまま死んでいる
なんやかんやで ハッピーエンド
どうやらジェフリーとサンディーは結婚し双方の家族が同じ家にいる
ドロシーは人質として監禁されていた幼い息子と水入らず
悪は滅び丸く収まるがそれまで過程はやはりリンチ
今のハリウッドにはデビッド・リンチのような奇才がいない
娘が彼を引き継いでくれたらいいのだが
洋画不振の原因は数多くあるが昔は大作とか家族向け以外にもミニシアター系の名作がたくさんあったような気がする
配役
父の急病で故郷に戻り父が経営する金物店を手伝う大学生のジェフリー・ボーモントにカイル・マクラクラン
七号線沿いのスロー・クラブに出演するブルー・レディーの異名を持つ歌手のドロシー・ヴァレンズにイザベラ・ロッセリーニ
ドロシーを奴隷のように扱う短気で暴力的なフランク・ブースにデニス・ホッパー
ジェフリーに協力する高校生のサンディ・ウィリアムズにローラ・ダーン
サンディの父で刑事のジョン・ウィリアムズにジョージ・ディッカーソ
フランクの仲間でオカマのベンにディーン・ストックウェル
ジョンの妻でサンディの母のウィリアムズ夫人にホープ・ラング