劇場公開日 1990年4月28日

「主人公も犯罪者も背景の説明が不足している」ブルースチール Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0主人公も犯罪者も背景の説明が不足している

2023年8月20日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

総合:55点 ( ストーリー:45点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )

 1人の女性新人警察官の経験と成長の姿を描く作品かと思いきや、初日にいきなり精神異常者の殺人狂につきまとわれる話。設定はかなり大胆だが、物語はかなり無理があるし、登場人物の背景が説明不足でわかりづらい。

 ジェイミー・リー・カーティス演じるメーガンは、警察学校を卒業してから彼女の1人の人としての姿が映し出される。少ない友人のことと、上手くいっていそうにない家族のことと苦労がありそうだが、そのことにはあまり触れられない。この部分までは彼女本人の物語なのかと思って観ていた。
 そして初日の勤務でいきなり強盗犯に出くわすことで、物語は異常者ユージンとの対決の構図へと様変わりする。だがこの成功した投資家のユージンが、どんな人物でどんな背景があってなぜ彼がここまで突然の異常犯罪者になったのかについての説明はない。だからなぜこんな展開になるのかという疑問を持ち続けながら観ることになる。数々の都合の良い展開についても同様で、偶然に頼ったりどうやってそんなことをしたのかという内容が続く。脚本は粗くて出来は良くない。

 この作品は犯罪を真面目に取り上げたというよりも、ジェイミー・リー・カーティスをいかに目立たせるかという目的ありきで作られたような印象を持った。だから犯罪についての考証が浅いのかな。
 監督はその後『ハート・ロッカー』『ゼロ・ダーク・サーティ』等で有名になるキャスリン・ビグローだが、まだまだこの当時では実力不足。

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Cape God