「ボクが死ねば良かった。」普通の人々 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
ボクが死ねば良かった。
兄を事故で亡くした弟は、自分を責める。
そして自殺未遂。
助かったものの抜け殻のようで、自分を取り戻せない。
幸福な4人家族の1人が欠けると家族はバランスを失い、平衡を失っていく様が、
細やかな描写で描かれます。
1980年(アメリカ)
ロバート・レッドフォードの初監督作品。
なんとアカデミー賞4部門(作品、監督、助演男優、脚色賞)に輝いた。
この映画、かなり昔に観たとき、非常に感動した記憶があります。
衝撃的な印象でした。
今回観たところ、丁寧な演出の心理ドラマで、良いことは良いのですが、
そこまでの感動は生まれませんでした。
(感受性が鈍ったんですね。悲しい!)
精神分析医に「心の内奥を委ねる」
とてもアメリカ的です。
精神分析医には「本音を話し、真っ向からぶつかって行く」
父親(ドナルド・サザーランド)は繊細な心遣いで次男のコンラッド(ティモシー・ハットン)に
寄り添う愛情豊かな人柄です。
死んだ長男バックを愛する母親メアリー・タイラー・ムーア)は、コンラッドに冷たくて、
許す言葉、
硬く抱きしめて、
「愛している、立ち直ってね」の
言葉が口を出ないのです。
一番支えてほしい母親が、無力です。
かえって母親の性格の未熟さが露呈します。
肉親を亡くす・・・
誰もが必ず経験する試練。
普遍のテーマを、ほろ苦く描いた秀作です。
でもレッドフォードの監督作品なら「リバー・ランズ・スルー・イット」がより好きですね。
優等生の兄。
放蕩者の弟を演じたブラッド・ピットの美しさカリスマ性。
ロバート・フォードの若い頃の美しさに瓜二つのブラピ。
何度も観るなら、こちらですね。
(これって、楽な方に流されてるだけ?)
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