フィラデルフィアのレビュー・感想・評価
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痩せ衰えるトム・ハンクスの演技
総合70点 ( ストーリー:75点|キャスト:80点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 ) 今でも同性愛者とエイズに対する差別はしっかりと存在するが、今よりさらに差別の強い時代に自分の性的嗜好と性癖を世間に晒し、命をすり減らしながらかつての同僚からの厳しい責めを受けながら戦うのは厳しい。やせ細り体力がなくなりながらも風前の灯の生命の火を燃やして裁判に挑み続けるトム・ハンクスの演技が見ものだった。もう少し差別の現場や裁判の過程を細かく見せてくれた方が、彼のおかれた状況だけでなくえぐられた心の傷とそれを埋め合わせようとする生き様を感じるためには良かったなとは思い不満もあるのだが、主題と演技の良さで魅せてくれる。
真実はフィクションよりも…
トムハンクスって、、こんなに痩せてた??とまず驚いた。若さもあると思うけれど、エイズとわかってからのあの痩せようはすごい。あきらかに弱ってるのがわかる。 やっぱりこの主役二人の演技はすごいです。エイズ患者への差別、同性愛者の偏見、そして黒人弁護士。 当時特に酷かったであろう差別問題を大きく取り上げている。 感染方法もしっかりと理解されていない為(病気自体理解が浅い)の問題が鮮明に描かれていてストーリーに引き込まれた。 裁判の冒頭、デンゼル演じる弁護士が法廷内の人達へこんな言葉を投げかけた。 「これから始まる裁判には、ドラマで良く目にする様なとっておきの証人や、逆転する様な証拠は出てきません。手に汗握るような展開もありません。あるのはただ真実をありのまま語るという事だけです。」 まさにこの台詞が映画を表してるシーンかな?
明確なテーマを持って描かれた作品
やはりトムはただ者ではない…。 その広すぎる役幅を今作でも見せつけられる。 エイズと同性愛に対する偏見という明確なテーマを持って描かれたこの作品。 その由来に「兄弟愛」の意味を持つフィラデルフィアの法廷で黒人の弁護士がその偏見について語る。 まるで合衆国の縮図のような場所で浮き彫りにされる人々の心の内を的確に捉えていて見ごたえがある。 ジョナサン・デミは「羊たちの沈黙」だけでは無いと思わせる良作。
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