「エイズ問題」フィラデルフィア たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)
エイズ問題
有能弁護士だった男が、ホモセクシャルであったが故にエイズ罹患した。彼にエイズ症状があらわれてから弁護士事務所を解雇されて、「エイズになったための解雇は不当」と裁判を起こす社会派映画。
エイズ弁護士を演じたトム・ハンクスは熱演し、本作でアカデミー主演男優賞を受賞。
監督はジョナサン・デミだが、あの『羊たちの沈黙』と思えない映画。
トム・ハンクスのほかに眼を引く俳優が多く、彼を弁護したデンゼル・ワシントン、訴えられた弁護士事務所ボスのジェイソン・ロバーズ、トム・ハンクスの母親役のジョアン・ウッドワードなども好演。
本作の物語は上記の通りだが、「ホモへの差別や嫌悪感」なども描かれ、トム・ハンクスの弁護士すら嫌悪感が漂う。トム・ハンクスがエイズになって解雇不当裁判を持ちかけた時に、握手したデンゼル・ワシントンは手を拭い、彼が触った物をチェックするなど嫌悪が明らか。それは中盤などでも変化見られず「薬局で黒人学生から誘われた時などは激怒」する。
たしかに登場俳優たちの熱演が見事で、法廷劇としても見応えある佳作だとは思う。
ただ、個人的に、江口寿史の名作漫画『ストップ!ひばりくん』で性の垣根問題に爆笑してきた者としては、今さら自分の価値観を変えるつもりもなく、確かに佳作ではあると思うが…という印象。
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