「【”兄弟愛の街”で起きた出来事。HIVに対する偏見に身を呈して闘った”二人の弁護士”の物語。】」フィラデルフィア NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”兄弟愛の街”で起きた出来事。HIVに対する偏見に身を呈して闘った”二人の弁護士”の物語。】
内容は人口に膾炙していると思われるので、簡単に記載。
新進気鋭の弁護士、アンディ・ベケット(トム・ハンクス)は、高名なウィラー弁護士事務所に雇われ、建設訴訟で活躍し、上級弁護士に昇格するが、”ある理由”である日、いきなり”重要な訴状を紛失した”として、馘首される。(訴状は直ぐに書類室で見つかる・・)
アンディは、訴訟を起こすべく弁護士を探すが、9人に断られ、10人目にジョー・ミラー弁護士(デンゼル・ワシントン)と出会う。ジョーは同性愛者を嫌い、最初はアンディの弁護を断るが・・・。
■印象的なシーン
・ジョーに弁護を断られたやせ細り、青白い顔のアンディが自ら訴訟を起こすべく、図書館で調べものをするシーン。図書館職員から本を手渡された後に”個室を使いませんか・・”と何度も言われるが、断り必死の表情で作業をするアンディ。
偶々居合わせたジョーは最初、本で顔を隠していたが、アンディの姿を見て弁護を決める・・・。
・ジョーを励ます家族や”友人”ミゲル。その際の母の言葉。”私は偏見に負ける子は育てていない・・”
・法廷での、ジョーと被告側女性弁護士ベリンダ(メアリー・スティーンバージェン:最近、お見掛けしないが遣り手のベリンダを好演。)の駆け引き。
ー今作は訴訟モノとしても見応えがある。ー
・ウィラー弁護士事務所で働く有色人種の女性の発言。”アメリカ製のアフリカ風のアクセサリー・・・”
-ウィラー弁護士事務所で働く白色人種たちの偏見性が見事に暴露される。-
・法廷で、アンディが自らの胴体の痣を陪審員たちに見せるシーン。どよめく人々。ジョーはアンディに”ウィラー弁護士事務所で働いていた時には顔に幾つか同じような痣があったのか?”と確認するシーン。
そして、とうとう法廷で倒れ込むアンディ。
・陪審員たちの”決”を取るシーン。478万2000ドルの損害賠償を勝ち取るアンディとジョー。だが、ウィラー弁護士事務所側は上訴へ持ち込む・・。それを横目にアンディとジョーはお互いの”弁護士”としての力量を称え合う。
・病床に横たわるアンディ。死期が近い事が分かるほどの衰弱の状態。
ー当時、トム・ハンクスの役作りが激賞されていたなあ・・。ー
アンディが元気だった頃から言うジョークを口にする。”弁護士1000人を海に沈めたら、世の中良くなる・・。”
そして、皆がアンディをハグし去る中、一人残ったミゲルに振り絞る様に言うセリフ。
”これで、もう逝ける・・・”
ー最初に鑑賞した際には、彼のこの一言で落涙した・・。-
<映画館で鑑賞した時には、トム・ハンクスの激やせ振りに驚かされ、涙した作品。
今にして思えば、”差別”をテーマにした先見的な作品の一つでもある。>