ファイト・クラブのレビュー・感想・評価
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21世紀がどのような世紀になるかのかの早すぎた予告だったのかもしれません
ファイト・クラブ
1999年
ルール1:ファイト・クラブのネタバレについて話してはならない。
ルール2:ファイト・クラブのネタバレについて話してはならない。
本作はネタバレ厳禁の映画です
二度繰り返すほど重要なルールです
本作を観る前に、ネタバレを読んでしまわないようにしなければなりません
ご注意下さい
ルール3:デヴィッド・フィンチャー監督作品を語るものは、必ずファイト・クラブを観なければならない。
セブン、ドラゴン・タトゥーの女、ゴーン・ガール、など、など、デイビッド・フィンチャー監督の傑作は数あれど本作を観ていないなんて話にもならない
それ程の異常な傑作です
観ていなければ映画好きと人に言ってはならないほどの名作です
2001年の911のビル崩壊は本作の2年後のこと
ラストのビルの崩壊は
勃起した男根の萎えのようにも見えました
久し振りに観てWTC の崩壊がそのような神の啓示であったのかとインスピレーションを得ました
テーマ?
資本主義社会への警鐘?
なんか違う
そんなものじゃない
でも何か近い気はする
では自我の解放とか?
オスとして去勢されてはいないか?ということなのか?
ブラッドピットはオスの在るべき姿なのはわかります
それに近づこうと男は誰しも、いい服、いいインテリアの部屋、引き締まった筋肉の身体を手に入れたいと思う
何の為に?そりゃあ、もちろん、メスとの交尾の為だ
そのメスに自分の子供を生ませる為だ
その為に、オスのプライドを捨て卑屈になって金を稼ぐのだ
仕事に励むのは、つまるところ、それだけだ
自己実現だとか、夢だとか、理想だとか、いろいろ理屈こねたところで、実のところはそれだけのことだ
睾丸を病気で失ってしまえば、オスではなくなり、自分のメスを独占できなくなる
そうなれば、生きること、働く事に何の意味があるのか?
かといって、仕事をやり過ぎ
たところで、メスを獲得出来るとは限らない
仕事でオスを捨てる毎日が続けば、睾丸癌の患者になったみたいなものだ
そんなことは拒否する!
オスのままでありたい!
そのことに心を鷲掴みされた男性
ブラッド・ピットにオスとしての理想の男性の姿を見た女性
それこそ山のように世界中に生まれました
単にそれだけのことなのでしょうか?
こんな単純な理解で良いのかとはと思ってしまいます
ではタイラーのメイヘム計画とは一体何だったのでしょうか?
さて、本作の公開された1999年はどんな年だったのでしょうか?
ベルリンの壁崩壊、天安門事件から10年経っていました
ソ連が崩壊してロシア連邦になったのは1991年のこと
それから米国は世界でただ一強となりました
中国はまだ今日のような超大国ではなく、経済でも軍事でも米国には挑戦する力もありませんでした
だから、米国は、最早なんだって思いのままに自由に行動出来る状況でした
民主主義や自由といった価値観をあまねく世界に広めるチャンスだ
邪魔する国の政権は米軍の圧倒的な軍事力で排除してしまえ!なんてと言うネオコンという政治一派が出てきました
そして世界の富を独占したい
やがて21世紀が訪れる
その準備をするべき時だ!
そんなことをネオコン一派は主張していました
しかし、現実はどうだったか
1999年は1月1日からユーロがスタート
8月にはプーチンがロシア大統領に就任していました
中国は1996年の台湾海峡危機で米国の力の誇示に屈伏させられ、国力を増し軍事的にも対抗出来る力を蓄えるのだと決意を固めていました
中東ではイスラム勢力の圧力が高まっていました
つまり、水面下では多極化された今日の21世紀の姿が形作られようとしていたのに、米国は大人しく、無為に時を過ごしていたのです
オスとして世界の資源を独占しようとせず、自分たちの築いた世界秩序の建前上、善い人の役割に徹していたのです
まるで本作の主人公のように
コピーのコピーのコピーのように、
そうして、21世紀は訪れ、911が起き、テロ戦争が起き、中国は勃興して、ロシアはウクライナ戦争を起こし、まるで世界はファイト・クラブのように、紛争だらけになってしました
多極化された世界はどのプレイヤーもオスたろうとして、残り少ない世界の資源を奪い合おうと行動を始め、今日にいたったのです
本作は1999年に来るべき21世紀とはどんな世紀になるのか予言していたのです
はたしてネオコン一派が、この世紀末に世界を力をつかって米国の価値観と支配の一色で塗りつぶした21世紀のほうが、平和であったのか、人類にとって良いことであったのか
それはわかりません
タイラーのテロ計画はそんな世界への暗喩だったのかも知れません
2025年の今
ビル群はすでに崩れさっています
いまさらオスたろうとしても遅いのです
老人のタイラーが現れてファイト・クラブを作ってみても
スペースモンキーはさほど集まらず
メイヘム計画はぐだぐだ・・・
単なる妄想にすぎません
しかし本作が名作であることは間違いありません
ブラピのタバコポイ捨てはカッコ良い、だけか。
何回も見たくなる
「言葉じゃ伝えきれない痛み」を抱える20代に
『ファイト・クラブ』は、ただの暴力映画ではない。むしろ、コミュニケーションの不在が生み出す孤独や葛藤を、過激な形で浮き彫りにした作品だと思う。
物質的に満たされても心が空っぽ。社会の中で役割を演じることで、自分の「本音」や「存在意義」がどんどん薄れていく。そんな不安や焦燥は、まさに20代の僕自身が日常で感じていることだった。
主人公が出会ったタイラー・ダーデンは、その不満や怒りを言葉ではなく、拳という原始的な方法で“共有”しようとする。暴力的ではあるけれど、それは決して「他人を壊すこと」が目的ではなく、「自分を確かめること」なのだ。
現代はSNSでのつながりが当たり前のようになっているが、本当の意味で誰かとぶつかり合い、深く関わるコミュニケーションは減っている。この映画は、そんな僕らに問いかけてくる――「お前は、本当に誰かとつながっているか?」と。
観終わった後、自分自身の中にある暴力性や寂しさと静かに向き合うことになった。そして、表面的な会話ではなく、もっと本質的な対話を大切にしたいと思えるようになった。
20代のうちに一度は観ておくべき、魂にぶつかってくる映画です。
もう一度観たくなる!
ただの映画じゃない、頭をガツンと殴られる一本。
すっきりしない映画
ワークアウトは自慰行為だ 男は自己破壊を
SE7ENを観たのでブラピ繋がりで鑑賞。中盤辺りから少しずつ違和感を覚え始め、終盤では答え合わせのように真実を告げられ主人公の行く末をハラハラしながら見送る事に。
物質的にみれば満たされた生活。でもそれは表面だけであり、死にかけの人間を眺めて安心するような脆いもの。タイラーに出会い、自分の中に眠る男性的な側面に向き合い始める。自己破壊こそ正義だと。
考察をいくつか見て1番しっくり来たのは、「マーラを愛することで自分の女性的な面と向き合った」という考察。
この映画は風刺画的な側面もあるのでは?と思った。だから誇大的な表現が多い気がする。宗教的な程に主人公を崇拝するスペースモンキー、暴力的な思考の行く末は自殺、崩壊…とか。
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