ファイト・クラブのレビュー・感想・評価
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人間の本能を揺さぶる圧倒的バイオレンス
ブラッドピットとエドワードノートンを擁してデヴィッドフィンチャーがぼんやり生きる人間達の本能に訴えかける超絶バイオレンスな2時間。
誰しもがどこかで何も起こらず平坦で盛り上がりに欠ける人生に嫌気が差していてその鬱憤を晴らせずにいる。誰もが持つ凶暴性、少しのきっかけでどうにでも狂っていく狂気の普遍性をスタイリッシュに描いていた。この年の公開作にマトリックスがあると目にして妙な納得感があった。
なんと言ってもブラッドピットのビジュアル、振る舞いどれを取ってもカッコ良すぎて脳死で着いていってしまうカリスマ性があった。
エドワードノートンの冴えないながらも内にある狂気を抑えられないキャラ造形が凄まじかった。
どんでん返しといえばの作品だが真実は度肝を抜かれる程ではなかったが、ストーリー展開、映像のクールさでここまでの名作となっていると感じた。
怒れるX世代
単なるバイオレンス作品ではなく、主題は社会的で、ストーリーの運び方にもインパクトがあった。
毎日の生活に疲れ切った時に生まれていた、自分の中のもう一人の自分。もっと強靭な身体が欲しい。生きていることを実感できる暮らしがしたい。
拳闘を愛し精神や身体を鍛錬するまではよかったが徐々に反社会的な破壊衝動が強くなり、気づいた時には、もう一人の自分はテロ計画を首謀する暴走状態にあって、異常を疑い精神科の受診をすすめてくれた女性も一緒に抹殺しようとしていた。
もっともっと、と消費を煽られ、日々しんどい思いをして働いた果てに得られるのは何か。アメリカンドリームはもう無い。資産、高級車、一流ブランドの服、おしゃれなライフスタイル。生きるのに直接要らないモノばかりだ。ましてやそれらを所有していることと本人自身の価値は関係がない。そんなことで人を計る世界は壊してしまえ。
そんな原作者の、消費社会への疑問と怒りのメッセージが、作品のそこここで強烈なパンチとなって繰り出されていた。
ブラッド・ピットも熱演だったが、名無しの主人公を演じるエドワード・ノートンの演技量も半端なかった。それから、ヘレナ・ボナム・カーター。どこかで見たことのある女優さん、と思ったら「眺めのいい部屋」のお嬢さんだった人!女優さんて凄いと思った。
時間だけみたら長いのだけど全然長くなかった
男の教科書って言われる理由分かるわ
気になってだから鑑賞。
すごく印象に残っているのは物理主義どうこういうセリフ。
なんか、自分の生き方みたいなものを見直すよね。
ブランドで揃えて物に囲まれる生活。
そうではない、生き方をまざまざ見せつけられる。
自分が二重人格だと分かってからの展開は圧巻だよね。
ラストのビルが崩れるシーンはすごい画だった。
84/100
資本主義への痛烈な批判
ファイト・クラブ(Fight Club)は、1999年製作の米映画。日本では1999年12月11日に公開。チャック・パラニュークの同名小説の映画化。
不眠症に悩む主人公。がん患者や結核患者の会に参加して、生を実感するというよく分からない展開でストーリーは進む。最終的に主人公は「オルター・エゴ(二重人格)」であったというオチです。主人公の名前が終盤まで明かされないなど、オチに関してはよく観察しないとわかりませんね。上司の前で自分自身を殴るなど伏線としては上手に張り巡らせています。このオチだけを見ると大したことない作品ですが当時はまあ斬新だったんでしょうね。時代が本作を色褪せさしています。同監督の「セブン」も見ましたが、僕は彼の作品はあまり好きではないですね。好き嫌いが分かれる作品でしょう。前置きが長いですし、途中の伏線解釈も分かりづらくあまり、スッキリは出来ないです。二重人格というオチ自体は主人公が記憶の無いところで色々と都合よく物事が進むので言ってしまえば何でもアリと言うことになってしまう。まあ二回見たくなると言う点では良質な作品と言えるかもしれませんが。ただ、ブランド品に満たされるが生の実感を手に入れられない主人公が資本主義社会への皮肉である点は評価出来るところでしょう。最後のビル爆破シーンは資本主義の崩壊を表します。どちらかというと本作はそのメッセージを強く表現する映画ということで認識する方が本作が語り継がれる理由が分かるでしょう。
勃起不全な映画に中指立てるような
最高にクールな映画。
物質社会の否定、資本主義社会におけるヒエラルキー構造の否定、その実社会に飼い慣らされ去勢された自分自身への葛藤からの破壊と再生。勃起不全な映画に中指立てるような映画。賛否あるラストシーンもyeahhhh!!!って感じ。タクシードライバー+ジキルとハイドかと不安に思ったけどこれでいいのよこれがいいの。
とにかく格好良い
プライム・ビデオ鑑賞
少し前「ファイトクラブレディズ」を観たので、思い出したように久々の鑑賞。
ど頭からとにかく格好良い。
細かく寝られた脚本。そこに散りばめられた伏線に刺激的なサブリミナルなど、とにかく魅力が詰まった作品作り。
そしてこの仕込み、鑑賞二度目だと色々見えてくるから面白いです。
「セブン」の成功もあり公開当時かなり話題だった作品で、何よりブラッドピットが爆発的人気だった頃じゃ無いでしょうか?
この時期は本当に色気がすごく、どんな服着ててもヒゲが生えてても坊主でもとにかく格好良いですよね。
逆にブルースリーごっこは可愛い。しかもこれ、アドリブだというからさらに可愛いw本当好きなんですね。
そして真逆な位置を演じるエドワードノートンは、その演技力もあって違った色気がありました。
とにかく先が見えない、どこに立っているのか分からない物語は、終始のめり込むよう。
エンドロールではちゃんと悪戯されていて、何とも気が利いた演出です。
ひたすら物質に囚われ、消費を繰り返す社会に向けた、何とも皮肉めいたそれでいて爽快なラスト。
今観ても実に面白い作品でした。
真相が分かった瞬間、衝撃が走る
見た日を確認しました。土曜プレミアムの
2003年6月14日。
タイラーとは男の憧れの象徴。
カリスマがあり人気のある彼。
タイラーとは、主人公が憧れて創り出した存在だと思った。
主人公はナレーターで、作中でずっと名前で呼ばれてない。エンドロールにも「ナレーター」と表示されてる。
主人公が自分を表すとき、僕はジャックの〜と言っていたけど、これは英語圏での身元の分からない男性の呼び方だよね「切り裂き·ジャック」とかにも使われる、日本で言う「名無しの権兵衛」みたいなもの。
映画は主人公を偽造として扱ってる。
それはなぜかというと、主人公が自分を「これは本当の自分じゃない」とか「仮初めの自分」だと考えてると想像できる。正解はわからないけども。
伏線がすごい映画で、とても好きな作品です。
個人的な解釈含みます!
2週目が面白い映画。もちろん初めて観たときの衝撃も最高だけど。なにもかもの描写が面白い。そして作品自体が物語のテーマに矛盾しているのが皮肉らしくてカッコイイ(自己解釈です…)物質や社会に囚われることを批判するタイラーは本当にカッコイイけれどそう思った時点で観ている人はスクリーンから目が離せない。そして「金や物質が全てじゃない」と何度も作中で言われているのにこの映画は大量のお金と人によって作られている。皮肉。「僕」がタイラーを探し回るシーンも好き。自分探しという名目で旅をする人への皮肉だと思う。ただ作中の「僕はジャックの〜です」という描写がよく解らない。解る方が居たらどんな意見でもいいので教えてもらえると嬉しいです。そして何よりもこの映画はエンディングがカッコイイ。音楽、映像共にインパクト大。ブラピもエドもカッコイイし本当に良い映画。でも同時に危険な映画のようにも感じる。その危うささえも映画の華になっている気がする。
そろそろ何かしらの理由で劇場公開して欲しい!
フィンチャーにあっぱれ
精神に闇を抱えるネガティブな展開に、とびきりのアクセント。
【ファイトクラブ】という脳内のアドレナリンが溢れんばかりの設定。丁寧に仕上げた脚本が秀逸で、幾重にも重ねた伏線がとにかく素晴らしい。そこに演出での完璧な盛り付けで、"娯楽"と"作品"を見事に融合させ珠玉のエンターテイメントに。
ボーっと観ているとどんどん見逃してしまう、追いつけない程の伏線の連続が心地良い。何処で気付くかは鑑賞者それぞれ、だからこそもう一度観たくなる魅力。
【12モンキーズ】で釘付けにさせられたブラッド・ピット再来。言葉に出来ない魅力でタイラーを怪演。相変わらずの色気とワイルドさが堪らない。
それ以上にエドワード・ノートン演じるジャックの変貌ぶりに目が離せなかった。日を追うごとに荒れていく様を見事に熱演。想像を遥かに上回る素晴らしいラスト。PG+12だが、かなりの過激なシーンあり。
『口外してはならない』
この制約(誓約)が全てを物語る、傑作。オススメ。
まじで面白い種仕かけ
正直映画を見終わる前に結論に辿り着いたけどそれでもびっくりしたよね気づいた時は。不眠症で最初幻覚を見ているのかなと思わせるようなタイラーに似た人物が映るカットがあってその姿が本当にラストでわかるけどあいつそっくりでね。それでも1回みただけじゃ想像じゃ追いつかない話とかあるわけで。それでもなんか納得いっちゃう作品。
あと飛行機で移動してるシーンとかも伏線だよね。あんまり飛行機つかうような仕事じゃないしね。ってかよく考えたらタイラーが現れる前からファイトクラブはあったんじゃないかな。タイラーがあの姿で現れたってことはもともと存在してたってことでしょ?それでタイラー一人の力で進めていたのだとしたら‥。それならタイラーの良心。いや計画の最終段階から映画は始まっていたのかもしれないかもなんて。
それでもすごいのは役者の演技だと思う。全く同一人物だと思わせないような演技だねほんと。それとタイラーになっていったとかセリフの言い回しが秀逸。意味のわからない内容で思考を放棄させたり、(タイラーについて考える暇を与えなかったり)すげえ凝った構造だと思う。
そして伏線は多いなやっぱり。タイラーだけしか親分って感じじゃなかったのにニトログリセリンは石鹸は元々もってたりね。いやほんとにすごい映画や。いやほんとに。
それでは次にこの映画のメッセージ性について考えたいな。いやほんとに曖昧で映画見ながら結論出す余裕なかったから間違ってると思うんだけどね。タイラーは主人公に物至上主義だとか知識至上主義の世界から解放させるとか、ドン底へまた近づいたとか少し矛盾したこと言ってると思うんだよ。つまり、今の世界ではその至上主義からの解放はドン底っていうことを示唆してるわけ。それでも主人公はドン底だと知って憧れていたのか‥?うーん。うーん。うーん。
最高のエンディング
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