「白に赤」ファーゴ なつさんの映画レビュー(感想・評価)
白に赤
何十年も昔
歩いて徒歩5分の所にTSUTAYAがあった
そこで借りて観て衝撃を覚えた作品
アマプラで無料配信終了のお知らせで改めて鑑賞
あんなに衝撃を受けた割にはなんだか淡々と話は進み、クライマックス的な所もあまりそうではなかった。
まぁ、死体ミンチはすごいんだけどね。
主役である妊婦刑事の登場もかなり遅い
話は借金で首の回らない男
それに雇われた強盗犯
それをなんとなく追っていく妊婦刑事
この3つのいわゆる群像劇のような感じで話は進んでいく。
これはいらないのではないか…みたいなストーリーもそれぞれの背景と生き方を表しているようで無駄ではないのかも
特に妊婦刑事のドラマは面白かった
死体を見てもケロッとしてるのにつわりで嘔吐したり、やたらお肉をたくさん食べる食事シーン
妊婦という設定含めて1番生命の濃いシーンが多かった。
どこまでも白い白い景色
すぐに凍る車の窓ガラス
みんなが観戦するのはアイスホッケー
この辺からお国柄がわかる
てか、お金を得るために妻が誘拐させる茶番劇をよく考えついたなと、呆れると共に少し頭いいなぁとか思ってみたり…
途中途中にあまり関係のなさそうな画像がアップで映る
テレビ画面や街の巨像
なんとなくドキッとする
微妙な演出だけど心に残る
その群像劇が交わりつつあるところで計画にどんどん綻びが生まれてくる
必要のない殺人が続々と
若かった時に観た衝撃はなかった
そもそもなんであんなに衝撃を受けたのかすら覚えてなかった
いい年こいた今、改めて鑑賞して思ったのはお金ではない幸せ
そしてそんな幸せはあちこちに転がっている
このことがすべてなのだと思った
それはラスト、あと2ヶ月で誕生する生命への期待と愛する夫との幸せ。それが彼女にとっての幸せ
その幸せがすべての人々の幸せとは当てはまらないのかもしれない。
さまざまなな形の幸せはあちこちに転がっている
そんな一例が夫婦の幸せなだけであって、自分自身の幸せを得るために生き方を改めて考えようと感じた一見凄惨な殺人事件の話ではあるのだろうけど個人的にはそんなメッセージを受け取った気がする
時を超えて今、改めて鑑賞してよかった作品
あまり監督、俳優を意識せず映画を観ている私がめずらしく名前を覚えた「コーエン兄弟」作品